広島県や地元財界などが出資する「瀬戸内ブランドコーポレーション」は、中区富士見町へのホテル誘致のため設立した特別目的会社が米大手ホテルチェーンの「ヒルトン」と運営受託契約を締結しました。
ホテルは富士見町の広島県警東署などがあった跡地一帯で2020年2月に着工し、2022年4月の竣工を目指します。
客室数は420室で、付帯機能として
レストラン・ラウンジ・バー、屋内プール、フィットネス、スパ、チャペル、会議施設などが整備されるフルサービスホテルとなる予定です。
事業の概要と前回のおさらい
【せとうちDMO】:富士見町開発合同会社とヒルトン、2022年の開業に向け「ヒルトン広島」を2月1日より着工
【ヒルトン広島】
高さ | 94.5m |
階数 | 地上22階・塔屋2階 |
用途 | ホテル(420室) |
構造 | 鉄骨造 |
敷地面積 | 6,403平方メートル |
建築面積 | 5,300平方メートル |
延床面積 | 48,050平方メートル |
着工 | 2020年2月 |
完了予定 | 2022年4月 |
開業予定 | 2022年中 |
建築主 | 富士見町開発合同会社 |
設計者 | 浅井謙建築研究所株式会社 |
施工者 | 五洋建設・増岡組JV |
備考(館内施設) | オールデイダイニング含むレストラン・ラウンジ・バー、コンベンション施設、屋内プール、エグゼクティブラウンジ、フィットネス、スパ、チャペル等 |
前回の状況です。
広大な敷地で続く基礎工事
フジグラン広島の前から。
引き続き基礎工事が行われているという状況ですね。
外から目に見える変化というものはまだ実感しにくいところです。
南西側の定点観測地点です。
2枚目の画像の左手前、広島市保健所/広島市立看護専門学校の奥に、
高さ約95m、22階のホテル宿泊棟部分ができる予定です。
紙屋町に建設中の広銀本店ビル同様、100mクラスなのでかなり目立つようになると思われます。
北側の路地に回りました。
ここから見ると、駅前通りを挟んだ反対側の建物の位置関係から、
この敷地がいかにまとまった広い土地であるかが分かります。
角度を変えてみます。
同じく駅前通りを挟んだ向かい側に、60mクラスの住宅が壁のように立ちます。
画像左側では1棟に見えますが、防音シートの中では20階建て分譲マンションと19階建てホテルが同時に建設中です。
しばらく定期更新としての記事を出していませんが、もうすぐ上棟を迎えそうですね。
その建設中の2棟と左から3・4番目が同じ「株式会社スペースウィング」、
一番右が「OI.CAPITAL株式会社」による物件です。
(「オリエントキャピタル株式会社」から社名が変わったそうです。)
【OI.CAPITAL CO.Ltd (旧オリエントキャピタル株式会社)】:物件のご紹介
コロナの流行を受けて
着々と工事が進む一方で、世の中はコロナの影響で国をまたぐ移動が制限され、旅行・観光に大きな影響を与えています。
広島や長崎はある意味、コロナ禍の世の中になるギリギリ前に着工したといえるものの、
今後の国内におけるヒルトンの戦略にどの程度影響を及ぼすのか非常に気になるところです。
そんな中、以下のような記事を見つけました。
【BUSINESS INSIDER】:「日本はラッキーな市場」巨大ホテルチェーン・ヒルトンがコロナ禍を勝ち抜く方法
【朝日新聞デジタル】:中国と日本のホテル需要、通常水準に戻りつつある=ヒルトン幹部
ブランドを守るため、基本的に値下げは行わないそうです。
また、欧米や欧州に比べ、日本・中国の主な市場では国内需要による持ち直しが確認されており、
「値下げしているから」ではなく、変わらぬサービスと徹底した消毒により「安全性が高いから」利用してもらえるよう運営していく、ということが書かれています。
グループ全体として、明るい兆しが少しでも見えているのはいいことですね。
東京や大阪で地元の人間が宿泊したりレストランを利用して、稼働率を底上げしているようです。
ただ、それで成り立っていけるのは大都市圏で従来から富裕層が多い環境があるからであり、
地方で大都市圏を近隣に持たない広島が、それらの店舗と同様にやっていけるかといえば、厳しいものがあります。
特に広島は欧米・欧州からの観光客が特に多い観光都市です。
少しでも早いコロナの収束を祈るばかりです。
「ヒルトン広島」は、2022年4月の竣工、2022年中の開業の予定です。