昨日明らかになった広島市中区の「広島YMCA」を含む一帯を再開発する「広島八丁堀3・7地区市街地再開発事業」。
1.2ヘクタールの対象地に建つ老朽化した建物を再開発し、
オフィス、マンション、教育施設など計3棟の中層・高層ビルを建設する計画です。
1日経ち、イメージパースなど続報が出てきたので改めてご紹介します。
第一報はこちら。
【日本経済新聞】:広島・八丁堀に新高層ビル3棟 28年度完成へ
【中国新聞】:高層ビルは15・16・28階の3棟 広島・八丁堀再開発、準備組合が概要発表
移設される京口門公園イメージ(上記中国新聞HPより、広島八丁堀3・7地区市街地再開発準備組合提供)
【Yahoo!ニュース】:(解説)八丁堀地区に高層ビル3棟 再開発プランを発表 施設計画(案)の概要(RCC中国放送)
これらの情報を集約してみました。
【広島八丁堀3・7地区市街地再開発事業】
- 広島YMCAのビル5棟、広島市勤労青少年ホームが入る幟会館、銀行やコンビニ、マンション等の民間ビルなど計10棟が入る約1.2ヘクタール。
- 地上15~30階程度伸びるを3棟建設。
- 広島YMCAなどは引き続き再開発ビルに入るほか、オフィスや商業施設、マンションで構成される。
- エリアに含まれる市の京口門公園は新ビルの谷間に再整備される。
- 大手ゼネコンを事業協力者に再開発協議が進行中。
- 事業費は300~400億円を見込む。
- 2021年度に広島市への都市計画案の提出及び都市計画決定を見込む。
- 順調に進めば2023年度以降に順次着工し、2028年度までの段階的な完成を目指す。
- 2016年から地権者ら有志が勉強会を開き、2017年11月に準備組合を設立。現時点で建物の権利者11者のうち8割が合意している。←NEW
- 事業協力者は大成建設株式会社中国支店。←NEW
- 計画する3棟の建物は、高さ約70~93mとなる。 ←NEW
- 北側の街区は地上16階の「A棟」。YMCAとオフィスがメインで入居し、低層部は店舗。 ←NEW
- 南側の街区は地上28階の「B-1棟」と地上15階の「B-2棟」。←NEW
- 「B-1棟」は200~250戸のマンションと地域貢献施設。←NEW
- 「B-2棟」はメインで入居するオフィスと店舗。←NEW
- 南側「B-1棟」と「B-2棟」の間には、北側から移設される市の京口門公園を整備。←NEW
イメージ図とともに、具体的なことが分かってきましたね。
オフィスビルの低層部はアーチ状の特徴的な形状が確認できます。
現広島YMCA本館の意匠を新ビルにも取り入れるものと思われます。南側のB-2棟の角はピロティになっており、長いエスカレーターが設置されているようにも見えます。
時代に求められる「自由」で「ハイグレード」なオフィスが浮かびます。
従来は北側のA街区のみの再開発を構想していたようですが、南側のYMCAなども含んだ街区一帯に拡大したようです。
特定都市再生緊急整備地域への指定を受けた良い流れだと思います。
その南側街区には市の京口門公園がビルの間に移設されます。
イメージも公開されていますが、舗装された都市型公園となるようですね。
都心においてはこういった形の方が断然使いやすいですし、二葉の里地区の「エキキターレ」などをモデルとして、イベントやキッチンカーを定期的に呼び込めれば新しい都心のオアシスになります。
さて、今後の実現への道のりについて。
都市再開発法で、再開発を行うのに権利者の2/3以上の同意が必要です。
記事によると施設所有者の8割は取り付けることができているそうです。
施設所有者と、借家人を含む権利者は別であることを踏まえる必要がありますが、商店街に比べると実現の確実性は高いと言えるのではないでしょうか。
本通り再開発の記事でも書きましたが、”都心一等地に高層マンションを造ったとしても”
その資金で老朽化したオフィスビルを最新のオフィスや店舗に生まれ変わらせて、
確実に賑わいを取り戻していくことが都心再生の道になると思います。
今年度都市計画決定を目指すとのこと。準備組合の方々は正念場が続くと思いますが、
実現を祈ります。
高層ビル一覧の情報を最新に更新しました。
本通り3丁目再開発と八丁堀3・7地区再開発を反映し、着工予定がにぎやかになりました。