中国新聞の記事によると、広島の都心、八丁堀地区で新たな大規模再開発プロジェクトが進行中であることが分かりました!
対象地は広島YMCAのビル等がある広島市中区八丁堀で、北は京口門公園や幟会館、南はコンビニやもみじ銀行まで含まれます。
計画では街区内のビルを取り壊し、オフィスや商業施設、マンションが入るビルを段階的に建設。それぞれ15~30階程度となる予定です。
地権者らは「広島八丁堀3・7地区市街地再開発事業準備組合」を設立し、大手ゼネコンを事業協力者に計画を進めており、
今年度中に都市計画決定、2028年度までにすべての施設の完成を目指します。
この周辺では市営基町駐車場一帯もオフィス・ホテルなどを含む高層ビルに再開発する計画が進んでいるほか、先日は本通り商店街の入口でも高層ビル建設の再開発が明らかになっています。
特定都市再生緊急整備地域に指定されている紙屋町・八丁堀および広島駅周辺地区に、また一つ新たなビッグプロジェクトが加わりました。
内容を詳しくご紹介します!
特定都市再生緊急整備地域も追い風。ビッグプロジェクトの概要
【中国新聞】:広島・八丁堀に高層ビル3棟建設計画 15~30階程度・300億~400億円規模、28年度目標
広島市中心部の八丁堀地区(中区)で、既存のビル群を取り壊して高層ビル3棟を建てる大規模な再開発計画が進んでいることが31日、分かった。オフィスや商業施設、マンションが入る地上15~30階程度の3棟を、2028年度までに段階的に建設するのを目指している。地権者が準備組合を設けて青写真を描いており、事業費で300億~400億円規模を見込む一大プロジェクトとなる。
(中略)
複数の関係者によると、再開発エリアは1・2ヘクタール。教育関連施設やホールが入る広島YMCAのビル5棟をはじめ、市勤労青少年ホームが入る幟会館、銀行やコンビニがある民間ビル、マンションなど計10棟がある。いずれも1960~80年代に建てられ、老朽化が課題だった。
計画では全棟を取り壊し、地上15~30階程度のビル3棟を建設する。設備の整った高規格ビルに更新し、魅力を高める狙い。広島YMCAなど、一部の機能は引き継ぐ。市の京口門公園(1120平方メートル)は新ビルの谷間に移し、植栽やベンチを整備した憩いのスペースを設ける。
地権者たちが17年11月に「広島八丁堀3・7地区市街地再開発準備組合」を設立し、協議を進めてきた。大手ゼネコンを事業協力者に、本年度中の市への都市計画案の提出と決定を目指している。23年度以降に順次着工し、全体の工期は5年程度とみているという。
(上記中国新聞HPより一部使用)
(オレンジの範囲が今回明らかになったエリア。青の範囲は市営基町駐車場一帯の再開発エリア。)
【広島八丁堀3・7地区市街地再開発事業】
- 広島YMCAのビル5棟、広島市勤労青少年ホームが入る幟会館、銀行やコンビニ、マンション等の民間ビルなど計10棟が入る約1.2ヘクタール。
- 地上15~30階程度伸びるを3棟建設。
- 広島YMCAなどは引き続き再開発ビルに入るほか、オフィスや商業施設、マンションで構成される。
- エリアに含まれる市の京口門公園は新ビルの谷間に再整備される。
- 大手ゼネコンを事業協力者に再開発協議が進行中。
- 事業費は300~400億円を見込む。
- 2021年度に広島市への都市計画案の提出及び都市計画決定を見込む。
- 順調に進めば2023年度以降に順次着工し、2028年度までの段階的な完成を目指す。
今年に入り2件目の新規プロジェクトです!!
勢いが凄まじいですね。
オフィス、商業、マンションで構成される15~30階建てのビルが計3棟建設されるとのこと。
大型商業施設が来るような立地でもないので、商業施設は最小限で、マンションとオフィスが主体になるのではないかと思います。
広島YMCAが再入居するとのことなので、それだけでもそこそこの床面積になります。
土地利用の高度化進む八丁堀
過去に撮影した画像があるので、少し現地の状況を確認してみましょう。
広島YMCAのあたり。
下の画像では奥のレンガタイルの建物が広島YMCA本館です。5棟で構成されますが、いずれも老朽化が進行していました。
城南通りから。
右手の「広島ビジネスタワー」(高さ90.8m、地上21階)がよく目立ちます。
再開発対象このビルの向かって左側一帯になります。
南側にある立体駐車場から撮影したものです。
再開発対象地区は目の前左側一帯になります。
このあたりは広島ビジネスタワーを始め、60m・20階クラスのマンションや、
上八丁堀の「アーバンビューグランドタワー」、「ザ・パークハウス広島タワー」など高層ビルが比較的密集したエリアです。
目の前野敷地に15~30階が計3棟、写ってはいませんが画像左側にも基町駐車場再開発による高層ビル計画があり、
相生通りの北側で爆発的に高層ビル開発が進みます。
市営基町駐車場前から、八丁堀再開発エリアであるYMCA方面を望みます。
すぐそこに見えています。左手の建物が市営駐車場です。
さらには相生通りを超えて少し南に行けば本通り商店街を対象とした再開発エリアがすぐそばに。
極めて大規模な再開発が、都心の一等地でこれだけ隣接して行われることになろうとは・・・。
少し前までは想像もつかなかったことです。
老朽化が進行していながら、開発に踏み切れなかった地元に対し、
「特定都市再生緊急整備地域」の強い追い風と、大手デベロッパーの手によって
立て続けに大型プロジェクトが進む事になりました。
当然ながら、懸念は1にも2にもコロナですが、
これらの再開発はいずれも2020年代後半の完成を見込んでおり、その頃は新しい生活様式のもと地域間交流、国際交流もほぼほぼ回復していると思われます。(一番苦しいのは目先に控えた東京五輪ですね。。)
コロナ前の広島は、同規模の都市と比較してハイグレードオフィス、宿泊室数、会議・イベント件数に水を開けられていました。今は特異な状況ですが、これは忘れてはなりません。
何もしなければコロナ後の成長曲線に本格的に取り残されます。
今できる、将来のまちづくりに大いに期待したいです。