JR広島駅南口再整備 2025.04(Vol.94)<駅ビル編> アトリウム空間の変化と夜景

JR広島駅の新しい駅ビル「minamoa(ミナモア)」が、2025年3月24日に開業しました

新しい駅ビルは、広島駅南口広場の再整備の核となる施設として、JR西日本が2020年から建て替えを進めてきました。
地下1階から9階に、カフェやコスメ・雑貨、中四国最大の飲食店街やシネマコンプレックスなど、およそ220テナントが集積する商業施設です。
9~20階を占める「ホテルグランヴィア広島サウスゲート」も同時開業しています。

大きな節目は迎えたものの、広島駅南口では今後も
公共交通の利便性向上や歩行者ネットワーク強化を目的とした工事が進められます。

 

前回、開業レポートはこちらです。

JR広島駅の新しい駅ビル「minamoa(ミナモア)」が、 2025年3月24日に開業しました! 新しい駅ビルは、広島駅南口広場の再整備の核となる施設として、JR西日本が2
JR広島駅の新しい駅ビル「minamoa(ミナモア)」が、 2025年3月24日に開業しました! 新しい駅ビルは、広島駅南口広場の再整備の核となる施設として、JR西日本が2
JR広島駅の新しい駅ビル「minamoa(ミナモア)」が、2025年3月24日に開業しました。 新しい駅ビルは、広島駅南口広場の再整備の核となる施設として、JR西日本が202

 

先日行われた駅前大橋ルートのイベントの様子はこちら。

JR広島駅の新しい駅ビル「minamoa(ミナモア)」が、2025年3月24日に開業しました。 新しい駅ビルは、広島駅南口広場の再整備の核となる施設として、JR西日本が202

 

 

駅ビル開業後も続く南口交通広場の整備

南東、南西からの全景です。

 

3月24日に華々しく開業した「minamoa(ミナモア)」ですが、開業したのはあくまでも駅ビルの内部。
広島駅南口一体では、引き続き交通広場、歩行者空間の整備が続きます。

 

JPビルディングから。

 

手前には拡張されるバスエリアの用地が広がり、その奥には今年8月3日の開業を予定する路面電車の高架駅が確認できます。

 

ペデストリアンデッキを通り、路面電車駅部へ。

 

 

4月ごろから設置が始まった架線支持用の梁が目立ちます。
従来通りワイヤで吊るす方式では、いつもの蜘蛛の巣のような景観にしかなりません。逆手に取ってデザイン性を持たせてしまうアイデアはなかなか良いのではないかと思います。

大屋根ができた光景もまた楽しみですね。

 

ホームの先端には、路面電車用信号機が設置されているのを確認しました。

車道に影響されることなく出発が可能になるので、進行か停止の2種類のみです。
とはいえ、駅前大橋南詰交差点をスムーズに通過し、ロスなく稲荷町に至ることは必須なので、
そのあたりの信号機と連動は図られていることに期待したいです。

 

 

広島駅ビルの交流の中心『アトリウム空間』

駅への買い物客、周辺施設利用者、そして将来は路面電車利用者が交わる「アトリウム空間」です。

 

天井の不規則な光沢アルミで水面の光のゆらぎやきらめきを表現した意匠、
本当に秀逸だと思います。

 

路面電車のりば。

 

駅前大橋線編でもご紹介したように、駅部は剛体架線が採用されています。
自由通路方面に向かって、梁の裏側にサインが貼り付けられていました。

 

駅ビルと自由通路の境界にあたる部分です。

 

駅ビル側から向かって、階段の左側は通路の床面を構築する工事が引き続き行われています。
かつては地上への階段でした。
通路に面する店舗のファサードも整いつつありますね。何が入るのでしょうか。

 

3階連絡通路から見下ろした様子です。

 

階段を潰した床面は、構造としては既に出来上がっているようにも見えますね。
右側のみの現状に比べ自由通路と駅ビルの動線が良くなります。
8月3日の路面電車乗り入れ開始までに間に合わせてくる可能性も出てきました。

 

 

夜間は広島随一の豪華なライトアップ

完成したということで、完全なライトアップを収めるために夜間に現地の様子を見てきました。

上部を水平につなぐ間接照明により、ビルの大きさ、横の広がりを感じます。

 

暖色系の縦方向の照明から、中央部は広い範囲が白色に光ります。

 

 

ここまではっきりと派手な照明は間違いなく広島随一。
イベント時などは縦の間接照明をあらゆる色に変えられます。

路面電車乗り入れ部に今後架けられる大屋根も連動した照明演出が可能です。

 

折り鶴をモチーフとした大屋根の柱。

これらもライトアップされる予定です。

 

ホテルグランヴィア広島サウスゲート。

塔屋部は暖色系の間接照明が設けられライトアップされています。
白のタイル張りで比較的落ち着いた外観なので、夜間はもう少し仕掛けがあるとなお嬉しかったですね…。

 

エールエールA館前から。

 

金属製の加飾は反射しているような写真映りですが、実際は内部が白く発光しており、非常に上品です。

駅名看板は、施主である”JR”が入るのが一般的ですが、
広島電鉄の路面電車も直接乗り入れることから、の入らない「広島駅」に関係者揃って決めたそうです。

 

南西側から。

EKI CITY HIROSHIMAの外壁に反射する駅ビルが、さらに水平方向の巨大さひいてはエリア全体の広さを演出する形に。

設計時から、駅ビルが建て替われば一部隠れることが想定されていたにも関わらず、あれだけ大きくシンボリックなガラスの壁面を採用していただいたことには頭が上がりません。

 

 

歩行者通路にはテーマを持った広告など

東側、マツダスタジアム方面です。

 

アトリウム空間より東側はマツダスタジアム方面ということで、テーマはカープ。
立ち並ぶ柱には広告が掲載されていますが、写真はなんと全て黒田元投手。

 

一方、アトリウム空間より西側はエディオンピースウイング広島に向かう方向。

柱の広告はサンフレッチェで現在活躍する選手らの写真になっています。

 

アトリウム空間周辺の歩行者空間など。

 

 

 

 

新幹線屋上駐車場の旧スロープ 解体始まる

北口、ホテルグランヴィア広島の西側です。

 

 

2025年1月に「JR広島駅北口駐車場」が開業しました。
新幹線屋上に至るルートも同駐車場に代わり、それまで使用していた屋上へのスロープは閉鎖、解体工事が始まりました。
跡地活用が気になりますね。ホテルの眺望が遮られますが、立地だけで見ればオフィスやホテルなど需要はありそうです。

 

 

開業後初の大型連休を迎えたミナモア

ミナモアは3月の開業後、初めての大型連休を迎えました。
シンボルの屋上、大階段やソラモア広場は多くの人で賑わいました。

開業後初めての週末に匹敵するか、それ以上の賑わいだったように感じます。
屋上で子供を連れて時間を過ごしている様子はやはり良いですね。

実際に連休中の広島駅利用者は、前年同月比22%の増加となったようです。

【日本経済新聞】:広島駅、GW利用者22%増 JR西、新駅ビル効果

屋上広場はまだまだ賑わいの仕掛けの余地が残されているように感じます。
物珍しさだけではこの空気は維持できないので、ブラッシュアップを続けていってほしいですね。

今回のレポートは以上です。

 

▼今後のスケジュール

2025年3月 ・広島駅新駅ビル開業(3/24)
・広島JPビルディング接続デッキ、Cブロック接続デッキ供用開始(3/24)
2025年8月 ・路面電車駅前大橋ルート営業運転開始(8/3)
2026年春 ・路面電車循環ルート営業運転開始
・Aブロック接続デッキ供用開始
2028年春 ・2階にぎわい広場供用開始
2029年春 ・南口交通広場(バスエリア・マイカーエリア)の供用開始
(利用可能なエリアから順次オープン)
・Bブロック接続デッキ供用開始

 

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