JR広島駅の新しい駅ビル「minamoa(ミナモア)」が、
2025年3月24日に開業しました!
新しい駅ビルは、広島駅南口広場の再整備の核となる施設として、JR西日本が2020年から建て替えを進めてきました。
地下1階から9階に、カフェやコスメ・雑貨、中四国最大の飲食店街やシネマコンプレックスなど、およそ220テナントが集積する商業施設です。
9~20階を占める「ホテルグランヴィア広島サウスゲート」も本日同時開業しています。
開業に先駆け、3月21日、22日にはアプリ会員向けのプレオープンが行われました。
いくつかのトピックに分けて、その際の状況をご紹介します。
今回は、駅ビルの大きな特徴のひとつ、
ミナモア2階中央部、路面電車が乗り入れる「中央アトリウム空間」の様子です。
フロアマップなどは公式サイトへ。
【公式】:広島駅ビル ミナモア・エキエ | minamoa・ekie
目次
ついに開業!広島の未来を担う玄関口『ミナモア』
待ち望んだ本日3月24日、広島駅新駅ビル「ミナモア」が開業を迎えました!
開業おめでとうございます!
5年前、旧駅ビルが閉館した頃の画像と比較すると、これだけボリュームアップしました。
これは感動!光が差し込む4層吹き抜けの『アトリウム空間』
東棟2階から路面電車が乗り入れるアトリウム空間を目指します。
新しいサインシステムが目の前に見られることにすでに感激しています。
明るい空間が見えてきました。
路面電車のりばを覆う4層吹き抜けのアトリウム空間です。
感動でしばらく言葉にならなかった…。やっぱり実際に見ると凄い…
撮影した日の翌日に予定されていた開業記念式典が進んでいました。
天井の高さは外に向かって段階的に高くなっています。
内側(自由通路側)からは外への広がりを、外側からは賑わいある奥行きを感じます。
開放的で唯一無二の空間!
天井の高さが変わる部分にも窓が設けられており、内と外から互いの動きや賑わいを感じることができます。
路面電車が乗り入れる開放的なホーム
開業はもう少し先となる、路面電車駅前大橋線の広島駅ホーム。
真新しい「広島駅」の駅名標が立っています。
表記は、移設した新しい宮島口駅とほぼ同じものかと思います。
広電の令和の新しいデザイン言語になりつつありますね。
ホームには腰掛けが設置されています。
頭端式ホームの先端は、これからまだまだサイン類が取り付けられていく予定です。
ホームの延長上は広島駅南北自由通路に繋がります。
全く別の場所にいるようですが、あの先にいつも見慣れた自由通路があるのが信じられない…。
在来線の改札も目の前です。
路面電車ホームと融合 賑わいが混じり合うコンコース
路面電車ホームには特に柵はなく、電車を降りるとダイレクトでコンコースの歩行者空間にアクセスできます。
セルフ乗車方式を採用する路面電車ならではです。
コンコースには、カフェ店舗がそれぞれテラス席を設けており、
路面電車乗降客と、通行人、カフェ利用客がミックスする賑ある空間となる予定です。
プレオープンのこの日はコンコース上に列を作っており、通行に支障がある状態でした。
せっかくのテラス席も居心地が悪くなるので、本日からのグランドオープンでは改善されているのではないかと思います。
西棟側。
西棟側はエールエールA館へ、東棟側はビッグフロントひろしまへペデストリアンデッキが今後整備される予定です。
西側には、店舗と店舗の間に、1階バスのりばへ降りる階段・エスカレーターが設けられています。
JR西日本が、大阪・関西万博の開催を契機とした広報の取組の一環として、球体LEDビジョンがここに置かれていました。
大阪、京都、広島の3駅での設置です。
【JR西日本】:大阪・関西万博を契機とした『駅空間を活用した取組み』を展開!~球体LEDビジョン“LINQ VISION”の設置および “EXPO OSAKA STATION”の実施~
ミナモア内から同じ場所を。
1階バスのりば(2025年2月撮影)
まだ未供用で閉鎖されているバスのりばに至る階段です。
広島らしさ表現『雁木テラス』や天井の仕上げなど
3階の東西両側には、アトリウムを見下ろすことのできるテラスが設けられています。
かつて広島の河川で活用されていた階段状の船着き場「雁木(がんぎ)」をモチーフにしたオープンスペースです。
カフェでテイクアウトした飲み物などを片手に自由に座ってくつろぐことができる開放的な空間となっています。
アトリウム空間の天井は、不規則にアルミが配された意匠となっており、川の水面(みなも)を表現します。
3階の東西をつなぐ連絡通路からは、より近くでその様子を見ることができます。
非常に美しいです。
アトリウム空間の壁面にも「水面」を感じさせる仕掛け。
波打つ水面をイメージし、不規則に幅が変わります。
先端は陽の光が反射するよう切削加工されており相当なこだわりを感じます。
柱にも工夫が。
間接照明は、広島駅で採用される「折り鶴」をモチーフとし、新たな解釈の意匠となっています。
また、化粧コンクリートをあえて磨き、骨材をあえて見せているのも他と違うポイントです。
あとがき
幅30m×高さ20m、奥行きは50mの「アトリウム空間」。
資料を何度も目にして頭では分かっているつもりでしたが、実際に足を踏み入れるとその仕上がりに感動しますね。
なんとも形容しがたいこの大きな空間は、とにかく圧倒される美しさがあります。
アトリウム空間の大きな特徴の一つ「雁木テラス」は、
眼下はコンコース、路面電車のりばという絶え間ない賑わいの景色となっており、
広島の歴史・文化を織り交ぜながら一息できる良い空間だと思います。
不規則な反射で水面を表現した天井は、
陽の光だけでなく、そこに反射する人々の活動も風景の一部ということに。このセンスは冴え渡っていますよね。
こういった、ディティール一つ一つにストーリーがあるのは非常に重要なポイントだと思います。
誰かに話したくなりますし、それが「街の誇り」に繋がっていきます。
素晴らしいものができたと、心から感動しました。
一方で、内覧会やプレオープンではそれぞれの担当者が課題を認識する機会にもなったかと思います。
個人的には、2階の歩行者空間に面するシェイクシャックやザ・シティベーカリーの大行列が、せっかく設けたテラス席の居心地を少し悪くしていたのが気になりました。
東西歩行者通路供用前だったので、グランドオープンした本日からは改善されると期待しています。
「全館カフェ」というキーコンセプトを掲げているミナモア。継続して知見を積んでアップデートを続けていければよいですね。
なお、路面電車駅前大橋線は2025年夏頃に遅れて開業する予定です。
中国新聞の報道によると、6月上旬に試運転を始める予定で、開通は7月下旬と検討していることが明らかになりました。
7月26日に広島港で「広島みなと夢花火大会」行われる予定であり、判断材料の一つにするとしています。
【中国新聞】:広電駅前大橋線、6月試運転 7月下旬にも開通
路面電車のりばの両側には人工地盤の歩行者滞留スペースもできるほか、それらを覆う大屋根も整備され、そこからエールエールA館及びビッグフロントひろしまに向けたペデストリアンデッキも繋がる予定で、
それらがすべて完了するのは2029年春頃となる見込みです。
もちろん、引き続き整備の状況は追いかけていこうと思います。