JR姫路駅は平成元年から平成22年にかけて前後区間の連続立体交差事業が行われました。
これに伴い高架駅となった姫路駅の北口では、駅ビルの新築や駅前広場の拡大など元の地上駅時代の敷地を使った大規模な開発工事が行われています。
【姫路市】:姫路駅北駅前広場の整備について
これまでに新しいJR駅ビル「piole姫路(ピオレ姫路)」の建設や、地下街のリニューアル、姫路城を望む眺望デッキの建設など一部駅前広場の整備などが行われています。
また姫路城へ繋がる目抜き通り「大手前通り」の姫路駅側を公共交通専用とする大胆な施策も、2年前から開始されました。
【姫路城】:大手前通りの整備について
この大手前通りの再整備や”西側の街区”を加えると、総面積約3万平方メートルの国内最大級の駅前広場に生まれ変わる予定です。
今回関西方面へ出かけたのも、これを見るのが大きな動機の一つでした。
完全に日が暮れてからの様子になってしまいましたが紹介していきます。
まずは新しい駅ビルの西側にできた眺望デッキ、通称「キャッスルビュー」です。
ちょうど中央コンコース(自由通路)の北側出口へ、門のように”コの字型”に建設されました。
ルーバー状になった木材が照明に照らされてかなり上質な雰囲気を感じます。
骨格となる黒い鉄骨は姫路市を支える「鉄鋼製品」をイメージしており、天上や床などの木材は地元の姫路市安富町産の杉が使用されているそうです。
展望スペースとなっている2階へ移動します。
笑ってしまうほど凄いです!
都市の喧騒を感じさせない美術館にでもいるかの様です。
このデッキは昨年6月に完成しているようですが、まだ木の香りが残っていました。
デッキの屋上には太陽光パネルも設置されています。
大手前通りの延長線上となっており、デッキからは世界遺産の姫路城を眺めることができます。
この時は時間が時間でしたのでそれほどでもありませんでしたが、昼間、とりわけ大型連休ともなると多くの人がここ訪れるのではないでしょうか。
デッキから見る北口駅前広場と、突き当りにそびえる姫路城です。
この通りの先に見える最初の信号からこちら側が公共交通(バス・タクシー)専用となり、マイカーの進入が制限されている区間です。
車線が減らされて大幅に歩道が拡張されているのが分かります。
姫路駅に向かってきた車両は駅の手前で右(画像左)に折れ広場西側の乗降ステーションへ入っていきます。
「キャッスルビュー」から広場北西に建つ山陽電鉄の「山陽百貨店」(山陽姫路駅)までは、円弧状の連絡デッキで結ばれています。
右下に見えるのがバス乗り場です。まだ工事は続けられており、完成時にはこのデッキから直接のりばへ降りられる階段・エレベーターも設置される予定です。
上の画像で正面に見えるビルが建設中の「姫路ターミナルスクエア」(HIMEJI TERMINAL SQUARE)。
神姫バスが建設する高さ約42m、地上9階、延約1万3000平方メートルのオフィスビルです。
1階は一般車の乗降場、2階以上は商業・オフィスのテナントエリアとなります。
当然こちらのデッキと接続します。2015年春の完成予定です。
【Walker47 [ウォーカーフォーティセブン]】:一夜で見参!神姫の新ターミナルビル
連絡デッキから見る、新しい駅ビル「ピオレ姫路」と「キャッスルビュー」です。
巨大な壁面を使ったLEDのイルミネーションが行われています。「キャッスルビュー」の雰囲気が素晴らしかっただけに、少しやり過ぎ何じゃないかと思うほどでした。。(^_^;)
地上6階・地下1階のこのビルの目の前には、地下1階レベルまで掘り下げられたサンクンガーデン、通称「キャッスルガーデン」が整備されています。
壁面は石垣、ちょっとした水路も設けられています。
ご想像の通り、姫路城の外濠をイメージしておられるようです。地質上、広島には真似できませんね…(笑)
駅ビルと反対側(北側)にも店舗の入口が見えますが、高架化前の駅ビルを運営していた会社による商業施設「フェスタ」、地下街「グランフェスタ」の入口となります。
【GRAND FESTA(グランフェスタ)】:フロアガイド
「キャッスルガーデン」を経由して、駅ビルの地下と地下街・商業ビルが直結していることになります。
駅ビルはこれくらいにして、公共交通専用となった大手前通りに少し足を伸ばしてみました。
突き当りが「キャッスルビュー」などがある姫路駅北口です。
専用区間の車道は雰囲気のある石畳となっています。
地下道の出入口や建物側の照明灯が、元々片側4車線だった名残ですね。
広くなった歩道でオープンカフェなどが開ければさらに良さそうです。
もう少し北側に進んだ「白銀交差点」から姫路駅方向です。
「一般車進入不可」の看板に警備員も立って、ドライバーに注意を促しています。
姫路編は以上です。
バスターミナルとオフィスビルの完成をまだ残していますが、素晴らしい“まちづくり”を見せてもらいました。
一般車の進入規制という大胆な計画を実現させたことに拍手です。
よく市民の理解を得られたものですね。
きちんとした迂回路(内々環状線)及びそこからのアプローチを確保したこと、そして何より姫路城を誇りに思う市民の気持ちがあるからこそなのでしょうか。
この駅前広場の整備を見ると、“世界遺産の城のにふさわしい駅前にする”という強い意思を感じますよね。
ただ、人の欲というものは尽きないもので、景観面でデッキから見える建物の看板がもう少し控えめなら良いのになと少し感じてしまいました。。
同じ世界遺産を持つ広島。こういった議論は官民で割と盛んに行われているとは思います。
一貫したコンセプトと実行力をぜひ見習いたいものですね。
今回、改修工事が進み真っ白な天守閣がお披露目された姫路城は夜になってしまったので断念しましたが、
工事が完全に終わる来年春以降に駅前の進展と合わせてまた見に来たいです。
なお姫路駅北の駅前広場の東側では、街区をA~Cブロックに分けて民間による開発が予定されています。
プロポーザルによりそれぞれの街区の概要とパース図が公開されました。
【姫路市】:キャスティ21コアゾーンの開発事業者の募集結果について
姫路市初の超高層ビル(ホテル)などが計画されているようです。