中国新聞「変わる広島駅」と、毎日新聞「支局長からの手紙:広島駅について」の紹介

橋上駅化工事が進んでいるJR広島駅に関する非常に興味深い記事が地元中国新聞と毎日新聞に掲載されていたので紹介します。
 
まずは中国新聞の方から。
実は先日紹介したこちらの記事。
JR大阪駅駅ビル「ルクア」のノウハウが広島へ
 
上、中、下で3日間連載されましたが、ウェブには更新されなかったんですよね。。
3回分丸々取り込んだ画像として載せるのが少しはばかられる思いだったので<中>しかブログには載せませんでした。
コメントでぜひ上と下も紹介してほしいと頂いたので、批評・研究目的として紹介いたします。
 
【中国新聞】:変わる広島駅周辺 上 自由通路に期待感(2013/02/19朝刊)
20130219hiroshimaeki_chugoku-np.jpg
 
 
【中国新聞】:変わる広島駅周辺 中 百貨店級へ規模拡大(2013/02/20朝刊)
20130220hiroshimaeki_chugoku-np.jpg
(先日紹介したものです)
 
 
【中国新聞】:変わる広島駅周辺 下 大型店の集積進む(2013/02/21朝刊)
20130221hiroshimaeki_chugoku-np.jpg
 
 
やはりヤード跡地にカープの新球場が出来たことなしには、今の駅周辺の再開発は語れませんね。
年間160万人以上のお客を集めるマツダスタジアムは、駅周辺再開発の集客の大きな源の一つとなります。
来月には中四国で初めてのコストコ広島倉庫店がオープンしますから、さらなる相乗効果を期待したいですね。
 
 
 
続いて毎日新聞の方です。
こちらも上、中、下の3回にわたって広島駅に関する記事が組まれました。
 
【毎日新聞】:支局長からの手紙:広島駅について/上 /広島(2013/02/11地方版)

 この写真の建物をご存じでしょうか。北九州市にある小倉駅のターミナルビルです。建物を南側から見ると、まるで、モノレールがビルの中に吸い込まれていくようです。以前、出張で訪れた際、その近未来的な姿に驚き、用もないのにモノレールに乗車。駅ビルに到着する様を、その車内から見た記憶があります。そして何より印象に残ったのが、利用者の利便性を考えた駅のレイアウトでした。
 
 2階にJR在来線、4階に新幹線のホームがあり、北九州モノレールは4階に乗り入れます。駅南北を結ぶ連絡通路は3階部分を貫通。各路線の改札口はこの3階コンコースに集まっており、乗り換えにたいへん便利な構造となっているのです。今回なぜ、この駅ビルを紹介したかというと、近い将来、広島駅がこれと似た姿に生まれ変わる可能性が高くなってきたからです。
 
 今、広島市中心部の公共交通をめぐる焦点の一つは、紙屋町・八丁堀方面と広島駅南口を結ぶ広島電鉄の新線「駅前大橋線」がどのような形で広島駅に接続するのか、という点です。広電側は当初、「地下案」を支持していたはずですが、ご存じのように、社長が新年早々に交代。椋田昌夫・新社長は前社長の方針を転換し、「高架案」を推進する考えを示しました。高架案はJR西日本も支持しており、さらに、事業判断者である広島市の松井一実市長もつい先日、「高架案が有力」との見解を明らかにしました。ここにきて、「高架による広島駅乗り入れ」が現実味を帯びてきたのです。
 
 駅前大橋線は現在の稲荷町電停から駅前通りに入り、JRの線路に対しほぼ直角に入ってくる予定です。このコースを踏まえた上で高架案を採用するとなると−−。小倉駅ビルの写真のモノレールが広電の路面電車に変わる、そんなイメージになるわけです。
 
 しかし実現には、越えなければならない諸々のハードルがあります。島式ホーム1面2線のモノレールと違い、さまざまな路線・行き先を持つ広電では少なくとも4線程度が必要とされ、奥行きも確保しなければなりません。高架にした場合、そのスペースをどうするのか。また、既に工事が始まっているJR広島駅の改築工事はどうなるのか。駅ビル「アッセ」の将来は……。
 
 こうした疑問に答えてもらうため、先日、広電の椋田社長とJR西日本広島支社の杉木孝行支社長に直接お話を伺うことができました。その内容は、次回のこの欄で紹介することにしましょう。【広島支局長・亀井正明】

(紙面の方では北九州市の小倉駅の写真を混じえて紹介しているようです。
 小倉駅の様子についてはこちらを参考にして下さい。
  【他都市探訪】 北九州市(小倉駅中心)
 
 
 
【毎日新聞】:支局長からの手紙:広島駅について/中 /広島(2013/02/18地方版)

 広島市中心部とJR広島駅南口を結ぶ広島電鉄の新線「駅前大橋線」がどのような形で広島駅に乗り入れるのか。広島市、広電、JR西日本3者の共通認識として「高架案」が有力になってきた、ということを前回、この欄で紹介しました。では実際、鉄道事業者のトップはどのようにこの問題を考えているのでしょうか。先日、広電の椋田昌夫社長と、JR西日本の杉木孝行・広島支社長にお話を伺いました。まずは、広電・椋田社長のお話を紹介しましょう。
 
 広電では、越智秀信・前社長が技術的な問題や景観、交通渋滞などを理由に、地下で乗り入れる「地下案」を支持していました。しかし新年早々、トップが椋田社長に交代すると、一転して前社長の方針を撤回。高架案へ重心を移すようになります。この点を椋田社長に伺うと、「広電の理由で事業がまとまらないのは……」、「基本は行政主体で進める事業。それに最大限協力するのが本来の姿」などと慎重な言い回しを重ねられました。その口ぶりからは、何が何でも高架案というわけではないが、高架案でまとまるのなら同調して事業推進に協力したい、との意向のように受け取れました。
 
 実際、椋田社長は地下案についても強く否定するのではなく、「他の交通機関の邪魔をしないのがいい」と一定のメリットを認め、地下への乗り入れが、駅北口方面への延伸に可能性を残す案でもあることから、「(広島駅の)南北を結ぶ必要があるとすれば、(地下案の)メリットはある」とも述べました。しかし、他の関係者が地下案を支持していない現状を踏まえ、「広電(の主張)が事業を遅らせたと判断されるなら、企業としてのリスクを強く感じる」と説明。その懸念が、地下案撤回の大きな理由だったようです。
 
 JR広島駅では現在、2階部分を橋上駅舎とする事業が進められています。その状態で、広電のホームが地下になれば、利用者はJRから広電まで、今まで以上の移動を強いられることになります。椋田社長もこうした課題に触れ、高架案のメリットとして乗り継ぎの良さを強調されていました。
 
 確かに地下案にもメリットはあります。しかし、都市作りの中でのLRT(次世代型路面電車)のあるべき姿を考えると、他の交通機関との円滑な連絡は欠くことのできない要素です。そういう意味からも、「利便性」に反するような地下案はいかがなものか。私はそう考えますが、皆さんはどうでしょうか。次回は、JR西日本の杉木・広島支社長のお話を紹介します。【広島支局長・亀井正明】

 
 
【毎日新聞】:支局長からの手紙:広島駅について/下 /広島(2013/02/25地方版)

 JR広島駅南口の商業ビル「ASSE(アッセ)」の建て替え計画が浮上しています。広島電鉄の新線「駅前大橋線」が高架で広島駅に乗り入れる場合、「建て替えは不可避」との認識を、JR西日本の杉木孝行・広島支社長が示しているためです。南口B・Cブロックの再開発に加え、広電の高架、アッセの建て替え……。こうした事業が実現すると、北口の整備も含め、広島の玄関口・広島駅周辺は大きな変ぼうを遂げることになります。今回は、JR西・杉木支社長のお話を紹介しましょう。
 
 皆さんご存じの通り、JR広島駅では大規模な改修工事が行われています。地下にしかない南北を結ぶ通路を駅の2階部分に造り、そこを「橋上駅舎」として在来線や新幹線の改札口を設けるという大事業です。長さ約180メートル、幅約15メートルの自由通路の東側には広大な商業スペースも整備されます。
 
 この事業に関し、杉木支社長は「広島駅は2階が基本の動線となる」とし、「(広電とも)2階の自由通路との間をなるべく速やかに移動できれば」と、広電乗り入れについて改めて「高架案」を支持する考えを示しました。さらに、「最終的には広島市が決定するのが大前提で、あくまで鉄道を運営するものの意見」とした上で、「(広電のホームは)自由通路と同じ高さが望ましい」と言われました。しかし現状のアッセのままだと2階と3階の間がこの高さにあたり、円滑な連絡が困難となること。さらにビルの構造上、「一部だけ壊すのは難しく中途半端」なため、「建て替えか否かの二者択一」と説明されました。広電が高架になるなら、建て替えの可能性が一気に高まるわけです。
 
 
 
 そうなると、広島駅の工事との関連が気になります。現在の設計では、自由通路は駅の南側で降りて、1階部分でアッセの中を通り、駅前広場に出る計画です。この点について杉木支社長は「(アッセを建て替えても)対応できる設計にしている。自由通路をそのままの高さで(アッセまで)伸ばすように変えればいい」と説明されました。さらに、櫛形4線程度になるとみられる広電のホームに関しても「(駅前大橋から)まっすぐに入って、降りたらすっと(JRの)駅に来られるのが望ましい」と言います。アッセの新ビルを接点に、北からは自由通路、南からは広電が同じ高さで連絡するというイメージです。かなりの奥行きとスペースが必要となりますが、そうした点も考慮した新ビルになるかもしれません。
 
 広電の乗り入れ方法を含む広島駅南口の再整備については、今、広島市で検討が進んでいます。今後も注意深く見守っていきたいと思います。【広島支局長・亀井正明】

参考までに2月2日の毎日新聞にはこういった記事もありました。
JR西、広島支社が改めて駅ビル建て替えに言及!
 
改めて広電の椋田社長もJR西日本広島支社の杉木支社長も、駅前大橋線は高架乗り入れが望ましいという考えですね。
現在広島駅では建て替えをしない前提で橋上駅工事が進められているので、
(あくまでも)今のところは自由通路建設は1階に降ろされたあと駅ビルを通り、南口広場へとつながる構造が予定されています。
 
hiroshimaeki-jiyutsuro.jpg
(広島市:広島駅南口広場再整備に係る基本方針検討委員会 第1回資料3より)
 
支社長の言葉によると、自由通路をそのままの高さでアッセに伸ばすような対応出来る設計にしているとのことですが、
やはり自身で現状のままでは「円滑な運営が困難な上、構造上一部だけ壊すのは難しく中途半端」ともおっしゃっていますから是非とも建て替えの判断に踏み切っていただきたいものですね。


 

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