いよいよ本日5月28日から、広島駅の南北自由通路の供用が開始されました!
広島橋上駅新築他工事(広島駅改良工事)は広島駅在来線ホーム上空に幅15mの自由通路を新設し、両側に橋上駅舎と商業施設をそれぞれ整備する巨大プロジェクトです。
ホーム上を覆う駅舎の面積は約1万平方メートルで、JR西日本管内の駅では最も大きな規模となります。
2012年夏頃に着工した工事は、2014年11月、改札内コンコースの先行開業を経て、
本日2017年5月28日に自由通路まで供用範囲が広がりました。
10月には新商業施設「ekie(エキエ)」と合わせて全面開業する予定です。
【JR西日本】:広島駅みどりの窓口、改札(中央)、自由通路の一部使用の開始について(PDF)
【JR西日本】:広島駅にショッピングセンター「ekie」が誕生
【大林組】:街と街をつなぐ懸け橋、広島駅に出現
この時をどれほど待ち望んだことか…。
本日早朝から現地に行ってきました!
比較用に、昨日更新したものはこちらから。
これまでの取材の画像と連続性を持たせるため、改札内コンコースからスタートすることとします。
実際に私が歩いた道のりとも重なるので。。
構内セブンイレブン付近から自由通路方面を撮影しています。
当初は途中に壁で封鎖され、その前のスペースでマツダ車の展示などを行っていた部分。
今、目の前には壁やマツダ車ではなく、改札「中央口」に繋がっています。
当然ながら、案内のサインもこれまでの目隠しが外され「出口(中央口)」という表記もあらわになりました。
ゆっくり改札の方へ近づきます。
焦らしているわけではありません(笑)
歩みを進める間でも、この駅の明るさには圧倒されるものがあります。
特に1番のりば方向はガラスの面積が非常に大きく取られており、透明感、開放感が非常に感じられます。
改札「中央口」です。
これは凄い(笑)
改札レーンが15レーンズラリと並ぶ拠点駅でなければ見られない光景。
カープをイメージした赤いラッピングは橋上駅になっても継承されました。
そしてその改札機が控えめに見えてしまうほどの高い天井。
非常に贅沢な空間で素晴らしいです!!
2014年11月の、改札内コンコース(新跨線橋)開業時、「その時歴史が動いた」と表現した記憶がありますが、
今回、その動き出した歴史が一気に今を追い越して未来になった。
とでも言いましょうか。これが我が街の玄関口だという実感が全く湧きません(笑)
京阪神の主要駅と比べても、「明るさ」ではこの広島駅が上回っているのではないでしょうか。
検討の段階で、白を基調としたデザインが選ばれて本当に良かったと思います。
ここから少し行ったり来たりします。
「改札内」のコンコースを北口・新幹線方面に進みます。
中央口の使用開始に伴い閉鎖された、在来線北口2階改札口です。
完全に仮囲いで塞がれて斜めの通路だった面影もなくなっています。
そして新幹線との乗り換え改札口では、改札機の一部が自由通路側へ移動され数が減りました。
これまで新幹線から在来線コンコース内を通り南口に出ていた利用者は、直接改札外に出て自由通路を使用できるようになるので合理的な変更です。
移設先の様子については、<北口編>でご紹介します。
続いて南口です。
南口広場から、自由通路の入口を。
新しい「JR広島駅」、「南北自由通路」というサインが取り付けられましたね。
これより左側(西側)にある、昨日まで使用されていた改札口はこのようになっていました。
北口2階と同様に、中央口使用開始に伴い、在来線南口1階改札は閉鎖されました。
もう近づけませんね。ちなみに撮影側から駅ビル内を通り、自由通路のエントランス方面には行けなくなりました。
一度外側を回る必要があります。
その2階自由通路に至るエントランスです。
柵が無くなりすべてのベールが取り去らわれました。
構造が古いビル内の1階に設けられているので、”押し込まれている”感じはありますが、広さは通常時であれば足りていると思います。
これが野球開催時となるとどうでしょうね。
エスカレーターは上下1本ずつしかないので、多くの人が階段を利用することになると思います。
路面電車の乗り入れやペデストリアンデッキの整備に寄って、将来2階に多くの人が流れるので
現状でできる範囲ではこれで十分なのではないでしょうか。
階段・エスカレーターホールの状況です。
ここも非常に明るいです。
天窓が非常に大きな役割を果たしています。これも広島駅とは思えない光景の一つかと思います。
壁面にデジタルサイネージも設置されています。これはこれで十分な大きさなのですが、
壁全体の大きさから比較すると、このユニットがもう一組あるとより華やかだったのですがね。
将来的には増備も不可能ではないと思いますので、身の丈にあったものを状況を見ながら判断していただきたいです。
階段を上がって目に入る光景がこちら。
これが南北自由通路です。
全長180m、全幅は15mですが10月までは半分の幅での供用となります。
2枚目の画像は、3枚目に載せた完成イメージ図と同じ構造で撮影しました。
この絵が現実になっている実感が湧かない(笑)
それにしても、天井の造形を見てください。
折り鶴をイメージした三角錐と間接照明が組み合わされ、非常に美しい陰影が浮かび上がります。
先程も書きましたが、本当にこのデザインになってよかったなと。
再び改札「中央口」の様子を。
見て回っている間に時間が経ち、乗降客が一気に増え始めました。
今日から中央口に統合された事によって、大部分の利用客がここを通過する動線に変わりました。
これまで南口と北口で別れていたので気づきにくかったですが、一つに集まるとかなり大きな人の波になります。
改札の足元には、セブンイレブンの方まで6本の黒い線が描かれています。
以前も紹介しましたが、これは市内を流れる6本の河川(太田川放水路、天満川、本川、元安川、京橋川、猿猴川)を表しています。
こういった細かいところにも広島らしさが感じられるので嬉しいです。
ちなみに、頭上のLED発車標は、改札内コンコースと同じく宮島方面は3段、それ以外は2段の仕様になりましたね。
改札を自由通路の方に出て、真正面に目に入るものはこちら。
この通り幅の半分はまだ仮囲いで塞がれています。
が、上部には三角錐のオブジェが設置されていることが確認できますね。
壁面には「REBORN HIROSHIMA Sta.」の文字が。
10月の自由通路全面開業及び、これに並行する商業施設「ekie」のオープンに向けて、一丸となって取り組んでいくそうです。
中央部の案内サインも非常に洒落てます。
画面はタッチパネル式の案内装置になっており、時刻表や構内図、地図、運行情報などを調べられるようになっていました。
ここに両面合わせて4面用意されています。進んでいますね。
自由通路上には、券売機によるきっぷうりばと「みどりの窓口」が併設されています。
駅の業務に関わることはすべてこの人工地盤の上で行う、「橋上駅」になりました。
ここも照明の当て方が綺麗です。
自由通路北口側から。
ここは開業前に、柵越しで撮影していたところのすぐ近くです。
歩いてみると、「南口とこんなに近かったの?」とあっけにとられました。
これまで南北はあの薄暗い地下通路を取らざるを得ず、距離にも増して心理的な面でも両地区を遠ざけていたのではと感じる瞬間です。
みどりの窓口の内部も高級感がある素晴らしい作りになっています。
職員の背後の枯山水風の壁面(北口の柱と同様)、
照明にうっすら浮かび上がる紅葉の葉などこだわっていますね。
みどりの窓口の向かい側の仮囲いでは、先程の「リボーン広島駅」スローガンの一貫として、
壁面アートが行われています。
平和公園に寄贈された折り鶴の再生紙を利用した、「FANO(ファーノ)」という作品だそうです。
下半分では広島の歴史をモチーフにしたイラストが横幅いっぱいに描かれています。
これは是非、実際にご覧になってみてください。
現況でこれは半分の幅員であるわけですが、今日は供用開始日ということもあり非常に混雑していました。
特需状態だったとは言えこれから認知度も上がることやカープ試合開催日と重なることも増えて来ますので、10月の全面開業が待ち遠しいですね。
非常に長くなりましたが、<中央改札・南口編>は以上です。
次回は<北口編>をお届けします。
「未来」をまとった広島駅が、新たな時代を歩み始めた瞬間でした。