JR西日本は、広島市・広島電鉄と進めている広島駅南口再整備に伴い、現在の駅ビル「ASSE(アッセ)」の建て替えを行います。
今月末(2020年3月末)にはアッセが閉館し順次解体工事に入ることになっており、つい先日その工事の概要や動線計画などが明らかにされました。
その一方、2017年の自由通路開業時から、広島駅の新しい商業施設として
線路上空と北口新幹線高架下を中心に「ekie(エキエ)」の開発も進められてきました。
今月23日には、新幹線高架下と増床部分に「ekie BOOKS & コンビニ」と、「ekie CLINIC & SERVICE」がオープンし、一連の店舗開発に一区切りがつく形です。
この記事では、これまで広島駅で親しまれてきた商業施設「ASSE」と、新しい商業施設「ekie」の規模を改めて比べて、
これからの「エキ」の規模を整理してみたいと思います。
「ekie」の店舗面積は駅ビル「ASSE」と同等に
先に結論から書きました。
この2020年3月23日に開業するリニューアルエリア「ekie BOOKS & コンビニ」と、「ekie CLINIC & SERVICE」を含めた店舗面積は、
現在の地下1階・地上7階の駅ビルと同等になります。
完全閉館して5年も建て替え工事の期間があるわけで、当然といえば当然なのかもしれませんが、
2017年から第1期、第2期・・・と毎年段階的にオープンしてきたエキエが、
いつの間にか駅ビルと同じ規模になろうとしていたとは。
ただし、エキエが整備される前から営業していたみやげ物店「新幹線名店街」は考慮していません。新幹線名店街がリニューアルにより「エキエ」の一部になりました。
それを考えると、少しは減少していると思われます。
エリア・フロア構成はこの様になっています。
(JR西日本HPより)
アッセが比較的小さな床面積が縦に重なっているのに対し、
エキエは線路上空や大きな高架下を活用した横に広い構造。今更言うまでもありませんが。
新広島駅ビル完成後の店舗面積は
新しい広島駅ビルは、建築面積がほぼ2倍で20階建ての規模になります。
【JR西日本】:広島駅ビルの建替え計画
【新広島駅ビル(仮称)】
高さ約100m、地上20階・地下1階
用途:商業・ホテル・駐車場
建築面積:約1万4,000平方メートル
延床面積:約11万1,000平方メートル
全体事業費:約600億円
着工予定:2021年春
開業予定:2025年春
基本設計・監修:ジェイアール西日本コンサルタンツ・東畑建築事務所設計共同体
実施設計・施工:広島駅南口ビル新築他工事特定建設工事共同企業体(株式会社大林組・広成建設株式会社)
駅ビル全体の延床面積は約11.1万平方メートルととてつもないものに。
とはいえこれは断面図にもあるように、20階建てのホテル(ホテルヴィスキオ予定)が押し上げている影響が大きいです。
上にリンクを貼っているJR西日本の公式リリースによると、
新しい駅ビルの店舗面積は約2万5,000平方メートルとなっています。
エキエの既存部分と合計すると、広島駅の総店舗面積は約3万6,000平方メートル程度となりますね。
あくまで現時点の単純計算であり、駅ビルが開業すれば調整されて少し減少する可能性はあります。
リニューアルされてエキエの一部になった新幹線名店街を考慮しても、現在の3倍前後の店舗面積になると思われます。
単純な店舗の数や面積であればイオンモールなどの郊外大型SCには当然及びませんが、
それでも1日15万人が利用する広域拠点である広島駅が商業施設として拡大するばかりか、
シネマコンプレックスといった時間消費型の施設も備わるというのはインパクトが大きいと思います。
そこにさらに400室規模のミドルクラスのホテル、路面電車も2階自由通路に直結と。
これで駅チカの場所に大きめのホールや会議場が備われば、観光、ビジネス両面で更に強さを増すことができます。北口のJR西日本広島支社跡再開発に期待しましょう。
これから広島駅は5年程度大工事に入りますが、それまでの過程も完成した姿も非常に楽しみです。
新駅ビルは2025年春の開業予定です。