岡山市は築約50年が経過し、耐震性能不足や老朽化が課題となっている市役所本庁舎の建て替え計画を進めています。
2026年度(令和8年度)に現在地に隣接する敷地に新築移転する形での供用開始を目指しており、2021年3月には新市庁舎の基本設計が策定され、計画の詳細が明らかになりました。
新岡山市庁舎は地上17階建て、高さ87mの高層ビルで、延床面積もおよそ5.6万平方メートルと一際巨大な施設になる予定です。
外観は岡山城をイメージし、新たな岡山のシンボルとなることが期待されています。
【岡山市】:岡山市新庁舎基本設計について
完成イメージ(上記資料より)
緑あふれる公園から段々ひろばで庁舎の2階のエントランスに繋がります。
災害時にはこうした広場や1階エントランスホールが一次避難者の受け入れやボランティアセンターとしても機能させることを想定しています。
環境面でも、上層につれてセットバックする外壁には各階に庇を設ける他、
中央部分のガラスウォールは煙突効果による自然換気を誘導する「エコボイド」が用いられる設計です。
【岡山市新市庁舎】
高さ | 約87m |
階数 | 地上17階・地下2階 |
構造 | 鉄骨造(一部、鉄骨鉄筋コンクリート造、および鉄筋コンクリート造) 中間免震・制振構造 |
敷地面積 | 約14,000平方メートル |
建築面積 | 約5,000平方メートル |
延床面積 | 約56,300平方メートル |
着工予定 | 2022年度 |
完了予定 | 2026年度 |
開業予定 | 2025年春 |
基本・実施設計 | 山下設計・丸川建築設計共同企業体 |
施工 | ― |
全体事業費 | 約289億円 |
いかがでしょうか。
かなり夢のある計画となっています。
これまでにいくつか新築された庁舎を取り上げてきましたが、中でもこれはかなり大胆。
ガラス張りで単なる開放的な庁舎とは異なり、
公園と一体化したテラスからなだらかに繋がる本当の意味で市民に開かれた庁舎となります。
完成平面図を、現況の航空写真と並べてみました。
現在の庁舎は大供交差点に面した場所に建てられていますが、
新市庁舎は市道を挟んで隣接する「大供公園」と敷地を交換する形で、南側に新築されます。
間の市道はこの事業によって廃道となるようです。
2期に分けての工事を予定しており、1期で公園の敷地に新市庁舎を新築した後、現庁舎から業務機能を移管。
その後、2期工事で現庁舎を解体し駐車場や広場、新大供公園を整備する計画です。
岡山駅東口からまっすぐ南に伸びる「市役所筋」。イオンモール岡山前の歩道橋から。
突き当りに見えている建物が現在の市役所です。
大きな通りの真正面に位置しているので、視覚的なインパクトも大きいですね。
ちなみに、市役所に至る途中の右手側には先日お伝えした両備による再開発「杜の街グレース」があります。
目の前の交差点まで移動しました。ここが大供交差点です。
現在の庁舎は、ザ・役所という重厚さを持った建物ですね。
先程も書いたように、現在立っている場所は南側の敷地と交換されて「新大工公園」として生まれ変わります。
公園から高層の庁舎まで段々ひろば、大屋根テラスと緩やかに市民と行政が繋がっていくあたり、上手にやっていますね。
(上記資料より)
現庁舎南側の市道から。
完成時には廃止され、ほぼ同じ位置に車寄せや地下駐車場への入り口ができるとのことです。
新市庁舎が建設される現在の大供公園。
これだけ南に下がることになります。
また、この公園の区画には、市役所利用者のための市営駐車場が整備されています。
こちらは庁舎の新築工事に伴い、隣の民間駐車場敷地に市営駐車場を仮整備します。
岡山市の新市庁舎は2022年度に着工、2026年度の供用開始予定です。