エスコンフィールドHOKKAIDO 2023.06 世界に誇る開閉式ボールパーク

プロ野球日本ハムファイターズが2023年シーズンから使用する新たな本拠地、
「エスコンフィールドHOKKAIDO」(北海道ボールパークFビレッジ)に行ってきました!

2004年から本拠地としていた札幌ドームに代わり、約600億円かけ日本ハム球団が北広島市と協力し自前で建設した球場です。

最大3万5,000人を収容する同スタジアムは、日本初となる開閉式の屋根を備えた内外野総天然芝
直線的な外野フェンスや左右非対称のスタンド形状、多様な席種など、
本場MLBのボールパークさながらの観戦環境を備えているのが大きな特徴です。

国内球場において、いち早くその思想を取り入れ開業した「MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島」との違いを感じながら、じっくり歩き回ってきました!

 

 

6月8日、北海道へ飛ぶ

【公式】

 

2023年6月8日。
待ち望んだ日がやってきました。

今の私がこうして活動しているのも、マツダスタジアムの建設があったからこそです。
このブログの核となる再開発や交通インフラ等のまちづくりももちろんですが、
スタジアム建築も大いに興味のあるものの一つです。

昨年から建設の状況をチェックしており、今年の2月には実はチケットを確保しておりました。
カープは6月6日から3連戦を戦っていたわけですが、平日の真ん中だったため、
週末の観光も兼ねて3連戦の3戦目となる8日に北海道へ飛びました。

画像中心に一気にご紹介し、最後に所感をまとめたいと思いますのでお付き合いください。

 

JR北広島駅からバスで球場へ

御存知の通り、北海道北広島市は広島県人が開拓し多くの人が移住したことが由来となり「広島」が付く地名となりました。
現在は関係はかなり薄れているのでしょうが、親近感は湧きますよね。

 

新千歳空港と札幌市の間にある北広島市。
少々面倒でしたが、一度札幌市内のホテルに荷物を預け、再びJRで北広島に向かいました。

北広島駅。

 

北海道ボールパークFビレッジ到着!球場外観、周辺施設など

バスに5分ほど揺られ、スタジアム南西側の「コカ・コーラゲート」前に到着しました。

 

ネット上の画像でしか見たことが無かった光景が目の前に広がります。
この時点で、あまりの巨大さに圧倒されもう感動していました。

 

バス訪れた人が主に入場する1塁側「コカ・コーラゲート」。
シートにネーミングライツを導入する事例は多々ありますが、ゲートそのものが企業名になっているのは珍しい。

たくさんの修学旅行生の姿も見られました。

 

向かって左側がバックネット裏の方向。
大屋根の上の層がこちらがわにスライドしてオープンにすることができます。

空港→札幌市内に向かうJRの車内からは屋根を開けた状態のスタジアムが確認できましたが、試合前になるとこのように閉じていました。

 

入場前に少し球場周辺を散策。
球場のバックネット方向となる南東側に回ります。

 

 

周辺は「北海道ボールパークFビレッジ」と名付けられており、
「クボタ」の研究開発ラボ兼カフェや子どもたちのプレイエリア、グランピング施設、マンションに認定こども園まで、
まさに球場を核としたボールパークが形成されています。

造成等の基盤整備を行った北広島市は地区の住所を「共栄」から「Fビレッジ」に変更しました。
(北広島市『「共栄の一部」が「Fビレッジ」となります』)

 

その緑豊かなエリアに大きく開口を取る形で、球場のバックスクリーンとなる超巨大なガラスの壁がそびえます。

あまりにも巨大すぎて言葉を失いました。
芝生の育成を目的にしており、開閉式でありながら南面には遮蔽物を可能な限り設けず明かりを取るための手段として、このような構造となりました。

このガラスの壁は後数回出てくるので読み進めてみてください。

 

ガラスの壁を回り込んで3塁側に到着する前に、「TOWER 11」の入場口を発見。

球場併設、というか球場内がバルコニーから直接見渡せる宿泊施設です。
サウナも完備しています。

「11」は、ファイターズのレジェンドであるダルビッシュと大谷翔平をリスペクトし、背番号から付けられました。

 

レフトから3塁側にかけての外観です。

 

直線的な外観は従来の野球場とは似ても似つかないですね。美術館のようでもあります。

北広島駅から徒歩で訪れた人は自然と3塁側にたどり着くはずです。
ビジター側でもあるため、特にこのあたりはカープファンが多い状況でした。

こちらは「3rd BASE GATE」とシンプルなネーミングです。

 

将来設置が計画されているJR新駅はこちら側ですので、完成すれば人の流れも大きく変わりそうです。

 

 

 

エスコンフィールド入場!スタンド形状など

では入場します。
QRコードを用いた電子チケットも当たり前のように用意されています。(紙での発券も可能)
知人への分配もスマホで完結しますし、行けなくなった時のリセールも可能です。
カープもそろそろ電子化しませんかね…。

マツダスタジアム同様、瓶・缶・ペットボトルの持ち込みは禁止。持ち物検査を経て入場です。

 

予め、スタジアムのフロアマップを載せておきます。

1F FIELD LEVEL 2F MAIN LEVEL 3F STAR LEVEL

(北海道ボールパークFビレッジ『施設マップ』より)

フィールドの形がもう日本離れしている…

エスコンフィールドHOKKAIDOの構造は、
・1F FIELD LEVEL
・2F MAIN LEVEL
・3F STAR LEVEL
の大きく3つの階層に分かれています。
座席の料金体系も、このレベルによって差が付いてくる感じです。

いずれの階層にもコンコースが設けられており、多数のエスカレーターや階段を通じて行き来ができます。
座席の位置に関わらずコンコース上であればどこにでも移動できるのはマツダスタジアムと同様です。

 

帰宅して振り返って気づいたのですが、メインの「コカ・コーラゲート」はいきなり2階のメインレベルに通じています。
一方「3rd BASE GATE」が通じているのは1階フィールドレベル。
グラウンドの部分が掘り下げられているため、複雑な高低差が生まれているようです。

 

まずは球場内の雰囲気を感じてもらう画像から。

 

 

すんげー。。。本当に球場の形状を見ているだけで飽きない、にぎやかな空間となってます。
設計の使い回しが効かなさそうなところなど、贅沢な構造を見るだけでお腹いっぱいになりそうです(笑)

バックスクリーンの背後も、これまでの日本の球場の常識が通じない箇所の一つ。
先程外から見たガラスの超巨大開口からさんさんと明かりが入ります。

 

大型映像表示装置はバックスクリーンではなく、1塁側と3塁側にそれぞれ設置。

横86m×縦16mと世界最大クラスのビジョンが2つも設置されています。
表示の仕方も非常にグラフィカルで美しい。

 

内野側のスタンド形状など。

 

 

3層に分かれている構造ではありますが、それぞれのスタンドはそこまでオーバーラップせず、
一つのスタンドのようになっています。

 

ブルペンはポール際に設けられています。

ピッチャー交代時、リリーフカーとして使用されるクボタのトラクターが話題です。

 

 

見どころだらけ!3層のコンコースを歩く

座席の様子の前に、コンコースを歩いてみます。
ここは1F FIELD LEVELの「3rd BASE GATE」付近。

 

天井が高く野球場とは思えない空間です。
各階層を繋ぐ階段に加え、エスカレーターも多数設置されています。

これだけのスペースが用意されている背景には、将来JRの新駅ができた際に来場者を迎え入れるメインのゲートになることも想定していると思われます。

 

1F FIELD LEVELのコンコースを歩きます。

日本ハム直営のフードホール。飲食大手が手掛けるグルメですから、通常のスタジアム飯とはレベルが違います^^;
どれも本格的で美味しそうでした。

 

3塁側「TOWER 11」には、ダルビッシュと大谷の大きな壁画が。

見たかったものの一つです。
ここはファイターズファン、カープファン問わず、写真を撮る人が絶えることがありませんでした。

 

バックネット裏付近には完全に一般区画とは完全に区切られたスペース「DIAMOND CLUB LOUNGE sponsored by ANA」。

いわゆるVIPエリア。
追加料金を支払うことで入場することもできます。

 

バックスクリーン裏。

球場内にビール醸造所があります。

現在建設中で、来シーズンから使用される広島市サッカースタジアム内にも同様に設けられる予定です。

 

2F MAIN LEVELに移動しました。
3塁側にあるフードホール「七つ星横丁」です。

 

 

コンコースに面する飲食街です。
意識していないと球場であることを忘れてしまいます。

インテリアデザインは広島出身の建築家、谷尻氏率いるサポーズデザインオフィスが手掛けています。

 

こちらは3F STAR LEVELのコンコース。

 

 

 

FIELD LEVELからの観戦

お待たせしました。プレイボールから、座席からの様子など。

 

 

 

 

 

 

試合終了後に、このようなメッセージが表示されました。

 

 

観戦を終えて

40枚近い写真で取り上げて見ました。興奮が伝わっておりましたでしょうか。(笑)

日本とは思えないMLBさながらの自由なグラウンドのレイアウトにまず目を奪われましたね。
MLBのスタイルをいち早く取り入れたマツダスタジアムでもここまで自由にはできませんでした。

 

その観客席は、マツダスタジアムとは違う設計思想を感じられたのも面白かったです。

マツダスタジアムは緩やかな傾斜でグラウンドレベルの臨場感を重視した1階層目を最大限確保する一方、2階層目はグラウンドとの距離を重視し1階層目に重なり合うように急傾斜の2階層目が設けられました。

対してエスコンフィールドは3階層に分け、”グラウンドレベルの臨場感”と、”グラウンドを俯瞰できる見晴らし”の中間に当たるMAIN LAVELが挟まった形。
マツダスタジアムよりももう少し全体のバランスを重視した結果とでも言いましょうか。
優劣は付けられませんが、エスコンは上層まで一体感を保った応援ができるように感じました。
3階層目の上の方までは行っていないので、そこでどのように感じるかも気になります。

3層分のコンコースのどこでも行くことができるのは、マツダスタジアム以上に行動範囲が広がり、どこで見ても飽きませんでした。

 

球場内は広告類含め配色がビビットだと感じましたが、これはもはや広島に見慣れた私の感覚が古いのかもしれません。
コンサートに来たのかと錯覚するくらいの素晴らしい総合演出に、そう感じさせられました。

野球にそこまで興味がない人達も演出やグルメで楽しめる巨大なエンターテインメント空間。
チケット代や飲食代は単体で見れば安くはないですが、マツダを含め他球場と比較しても妥当な範囲だと思いますし、あの演出を見せられるともう一度訪れたいと思わせる忘れられない観戦体験になると思います。

 

飲食の充実度合いも素晴らしく、チェーン店や一般的な売店、そしてこだわりの自社の飲食店のバランスもよいと感じました。

驚いたのが、回が終わると毎度のように必ず何らかのイベント(ダンス等)があること。
試合時間の短縮が叫ばれる中、まるで逆行するかのような仕掛けは、
やはり球場滞在時間を伸ばし飲食等でお金を使ってもらう狙いがあるのでしょう。

自社のグルメが販売ができない、グッズも直接販売できないなど、不自由だった札幌ドームからようやく脱し、これでもかと思い描いた理想を現実のものにするファイターズの興行力には脱帽です。

(マジで凄いです。いつまでも昔ながらのやり方から抜け出せないカープも見習ってほしいです。)

 

それだけに、アクセス改善は急務ですね。
帰りは球場から北広島駅まで歩いてみたのですが、やはり案内通り25分程度はかかりました。
肉体的な疲れはもちろんですし、歩いている間にも帰る時間がどんどん遅くなることを意識すると、メンタルもキツくなってきます(笑)

球場前の新駅計画はなかなかスムーズには進んでいないようで、現時点で2027年度の開業予定とのこと。
ビジターファンは来場頻度が少ないですが、「新球場効果」が薄れても現地で応援するのは地元ファイターズファンです。
せめて送れなく新駅は作ってあげてほしいです。

 

開閉式であることがフィーチャーされがちですが、基本は屋根を閉めて試合を行うのがデフォルトのようです。
「屋根も開けられるドーム球場」であって、「屋根も閉められるオープン球場」ではないです。
北海道という土地柄、寒さ対策は必須であるためこれは仕方ないですね。
大型ガラスで密閉された外観もそれを物語ります。

このオープンで開放的なスタジアムという点では、やはりマツダスタジアムが一番です。
かけているお金持ちがいますし、本文中にも書いた通り優劣は付けられるものではないかなと。

 

素晴らしいボールパークを体感しつつ、たくさんのカープファンと一緒に応援でき、勝利を見届けられたことも含め、過去の遠征の中でも非常に印象に残る、大満足の旅でした。

 

帰りたくないと少し寂しさを感じながら球場を後に。

ここを本拠地に構えるファイターズファンが羨ましいです。

ありがとう北海道♪

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