中区の広島市中央公園で建設が進められていた広島市サッカースタジアムが、本日2023年12月28日に竣工を迎えました!
広島市が主体となり整備するこのスタジアムは3万人収容で、42種類もの座席が用意され、マツダスタジアムのように多種多様なバラエティシート、VIPルームから感染を楽しむことができます。
東側の広場エリアおよび西側の河川敷エリアと、スタジアム内それぞれの回遊性を高める2層のコンコースも特徴の一つです。
広場と一体となり、旧広島市民球場跡地エリア、広島城エリアともデッキで接続し、
「まちなか」に開かれた新たなシンボルとなります。
スタジアムの名称は株式会社エディオンが命名権を取得し、
完成後は「EDION PEACE WING HIROSHIMA | エディオンピースウイング広島」という愛称が用いられる予定です。
サンフレッチェ広島の新たな本拠地として、2024年のJリーグ開幕から使用される予定です。
オープニングイベントの詳細が明らかになりました。
前回の状況です。
事業概要
【広島市公式ホームページ】:サッカースタジアム等整備事業の基本設計
- サッカースタジアム等整備事業の基本設計の概要 [PDFファイル/7MB]
- (参考)用語の解説 [PDFファイル/296KB]
- サッカースタジアム等整備事業 基本設計説明書【概要版】 [PDFファイル/29.23MB]
【大成建設】:広島市サッカースタジアム等整備事業
(上記HPより)
【サンフレッチェ広島】:HIROSHIMAスタジアムパークPROJECT
着工から約2年。建設候補地の選定で紆余曲折あったものの、
広島市にもついにサッカースタジアムが完成しました。
本日現地を歩いてきたので、鮮度の高い内に速報気味にご紹介します。
西側メインスタンド
空鞘橋から。
放送席やVIP室、ロッカールームなど、スタジアムとしてのメインの設備が集中するメインスタンドです。
スタジアムの西側は駐車場や搬入口となっておりスペースが設けられています。
更に西側の護岸に面する場所は、Park-PFIを活用した広場エリアの開発区域となっており、
事業者のNTT都市開発により、レストランやSUP・BBQ用品等の貸出ショップが整備される予定です。
スタジアムの南西の角にあたる「Dゲート」付近。
細部まで多数の観客を受け入れられる状態になりましたね。
エスカレーターも設けられ、観客の快適性向上に貢献します。
このあたりはJリーグの試合だけではなくあらゆるイベント開催時におけるホスピタリティまで踏まえてのことでしょうから、活用の幅はかなり広がりますね。
この近くから、スタジアムの内部が見える場所があります。
青々とした天然芝のピッチと、真新しいスタンドです。
南サイドスタンド
城南通りに面する南側です。
特徴的な大屋根が一番綺麗に見える場所ですね。
南サイドスタンドはホーム=サンフレッチェ広島の熱いサポーターが集う場所になります。
迫力ある応援を演出するワンスロープ型の広いスタンドです。
そのスタンドの下部はこのように管理用通路となっており、今回の竣工のタイミングで見通せるようになりました。
南東側の角、広島ゲートパークやその先の紙屋町の都心部からの来訪者が利用すると想定されるAゲートです。
城南通りからスタジアムの西側を経由して北に抜ける市道もまもなく復旧します。
従前の公園の時からあった市道ですが、スタジアムの建設により少し西に移動しました。
歩行者用通路がオーバーパスする構造で、これだけ見ても安全確保にお金掛けてるなと感じますね。
東側バックスタンド
今回、目に見えてわかる最も大きな変化があったのが東側です。
広島ゲートパークと繋がる南側ペデストリアンデッキの下が開放されました!!
中央公園の北側に抜ける歩行者通路も合わせてスタジアム寄りに変更され、間近で完成したスタジアムが見える様になりました。
デッキから地上の広場に降りる「スパイラルスロープ」です。
デッキ上から内側を見下ろせるようになっており、ミニイベントなどに使用できそうですね。
それにしてもデッキの裏側は化粧板で処理されており、非常に美しいです。
このあたりは単なる競技場として省略するのではなく、東側の広場エリアと一体となった日常的な賑わいの演出に水をささないよう工夫されています。
デッキから地上には先程のスパイラルスロープを降りるほか、広場側にも階段が用意されています。
デッキに直結する形で、広場エリアの賑わい施設の鉄骨建方が進んでいます。
各所に設置された案内板もじっくり見ることができるようになりました。
構成の都合上、別の場所です。
デッキに直接繋がる建物は2階建てで8つのテナントスペースが設けられるようですね。
広場エリアと一体となるバックスタンド下部
竣工の日、一番感動した光景。
先程書いたとおり、通路がスタジアム寄りに変更され、手に取るように近くでじっくりと見ることができるようになりました。
「サッカー専用スタジアム」ではありますが、ただ最低限サッカーを観戦することに特化したわけではないのが、この写真でもお分かりいただけるのではないでしょうか。
広場の方を向いて様々な施設、仕掛けが配置されています。
大きなウィンドウの部分は1階が広島のサッカーの歩みを知ることができる「HIROSHIMA SOCCER MUSEUM」。
2階がファナティクス・ジャパンと共同運営するサンフレッチェの公式ショップ「ピースウイングオフィシャルストア」。
その横には、広場に向けて様々な映像を流すことのできる「パークビジョン」が目を引きます。
縦3m×横15mのLEDビジョンです。
上部の穴にスピーカーも埋め込まれており、ここでイベントを使用するもよし、試合のハイライトを流すもよし、何でもできます。
こういってはなんですが、広島市の施設とは思えないほど豪華です(笑)
企業・個人からの寄付があってこその設備ですね。
地上の広場と2階パークコンコースを行き来するために整備されたのが「だんだんテラス」。
盛土に階段とスロープが設けられ、緩やかに広場とスタジアムを結びます。
スタジアム本体や広場エリアの整備に伴い発生した残土を活用しているのでしょうね。
ここだけで憩いの場になりそう。
北東側から。
県営住宅に面する北側は、可能な限り音漏れしないよう一面壁で覆われています。
搬入用のスロープもこちら側に設けられています。
繁華街である南側とは対照的です。
開口部から覗く鮮やかなメインビジョン
ピッチまでの距離が近い専用スタジアムであることに加え、ここのもう一つの大きな特徴なのがメインビジョンです。
国立競技場に設置されたビジョンと同じ大きさ(縦9m×横32m)で、サッカースタジアムとしては国内最大サイズです。
おりづるタワーに上り、完成したスタジアムを俯瞰するとともに、開口部からメインビジョンがあわよくば見えないかチェックしてみました。
見えました!!
何百メートルも離れていますが、ここからでも高精細で鮮やかな発色であることがよく分かります。
動画で撮ったものがこちら。
広島市サッカースタジアムのメインビジョン。
数百メートル離れていても明らかに高精細で鮮やかなのが分かり、感動します。 pic.twitter.com/e9atarjEF3
— 鯉党α(アンドビルド広島) (@abhiroshima) December 28, 2023
以上、広島市サッカースタジアムの竣工式の日を抑えたレポートでした。
スタジアムはこれで施工業者から広島市へ引き渡されました。
今後は指定管理者であるサンフレッチェ広島により、店舗の内装やスタジアムの細かな設備がサンフレ仕様に仕上げられていきます。
一般の人たちが中に入れるのは、2024年2月。
2月1日(木)~2月4日(日)に行われる個人寄附者向けの内覧会が最初になります。
その間にも未完了の周辺道路の歩道や駐輪場など完成に近づいていくものと思われます。
ついに完成したスタジアム。
さしあたりこの興奮を残し、竣工レポートは終わりにします。
改めて、工事に携わった方々、実現に向けて尽力された全ての関係者の皆様、
完成おめでとうございます。