2023年12月、中区の広島市中央公園にサッカースタジアム「エディオンピースウイング広島」が竣工しました。
サンフレッチェ広島及びサンフレッチェ広島レジーナの本拠地として
2024年シーズンから稼働を開始した本スタジアムは、
陸上競技場では実現できないピッチの近さといった観戦環境はもとより、
隣接するパークを含めた立地の良さや国内最先端の総合演出、特徴的な外観などが大きな注目を集めました。
24年2月3日にこけら落としとなるプレシーズンマッチが行われました。
1年経過し今さらではございますが、昨年撮影した画像で公開しきれていないものがたくさんあるので、
シリーズとしてまとめます。
目次
エディオンピースウイング広島の概要
<EDION PEACEWING HIROSHIMA|エディオンピースウイング広島(略称:Eピース)>
広島県・市が主体となり整備したサッカースタジアム。
総座席数は28,500席で、42種類の座席バリエーションを用意。
条例上の名称は「広島サッカースタジアム」。家電量販店大手のエディオンが命名権を取得。
Jリーグのサンフレッチェ広島及びWEリーグサンフレッチェ広島レジーナが本拠地として使用。スタジアムの指定管理者もサンフレッチェ広島が担う。
【公式】:エディオンピースウイング広島:EDION PEACE WING HIROSHIMA
グループでの新しい観戦スタイルを提案するバラエティーシート
【サンフレッチェ広島】:バラエティーシート
ライトなファンも楽しめるよう設定された、エディオンピースウイング広島の目玉の1つです。
全てが紹介しきれませんが、それぞれの見え方をご紹介します。
リビングテラス 5
チェリーゴードテーブルテラス 6
サッカー観戦は、全体が見やすいピッチの中央やサポーター席となるゴール裏から埋まっていくのが一般的ですが、
少し高さのあるコーナー部分からの観戦も特別感があって良いですね。
何よりスタジアムオタクとしては、建築物として美しく見えるこのシートは必ずいつか座ってみたいシートです。
ロングテラス 5
北サイドスタンド(アウェー側)の上端に設けられた席です。
テーブルテラス4
こちらは南サイドスタンドの両側コーナーに設けられたシートです。
この後ろには、テーブル付きのベンチシートが置かれたエリアがあります。
実はこれは販売席ではなく、なぜか誰でも入れるスペースとして開放されています。
見切れ席であるからこそ、こうしたグループ席として活用し付加価値を与えるべきであり、現状は少しもったいないですね。
キリン一番搾り パーティーテラス南/パーティーテラス北
東バックスタンド4階に設けられた、最大30人収容するシートです。
ネーミングライツが導入されたシートではありますが一般発売はしておらず、運良く招待された方や何らかの懸賞で当たった方が楽しめるスペースとなっています。
プレミアム感漂う法人限定シート
【サンフレッチェ広島】:法人限定シート
スイートテラス
東バックスタンド4階の南側に設けられています。
このあたりからプレミアム感をさらに増していきます。
西メインスタンドに移動します。
プレミアムスカイボックス
こちらは先ほどとは反対の、西メインスタンド4階に設けられたスペース。
東側のスイートテラスも同様ですが、専用ルームだけでなく、同じ空気を吸える専用座席も備え付けられています。
プレミアムスカイボックスラウンジ
「プレミアムスカイボックス」の利用者が利用できる、4階屋内の専用ラウンジです。
このようにアルコールも楽しめるバーカウンターも利用できます。
別の角度から。
右側がプレミアムスカイボックス、ピッチに面した方です。
ホテルのロビーとも見間違うほどの設えが凄いです。
国際イベントにも対応できる、「世界に通用するスタジアム」とはこういったところにも表れています。
プレミアムテラスラウンジ<Presented by CTF GROUP>
![]() ![]() |
![]() ![]() |
約340平方メートル、最大100人まで収容できるラウンジです。
先程までと雰囲気が一変し、黒を貴重とした大人の空間となっています。
試合が無い日は貸会議室としても利用されています。
青々とした芝生に鮮やかなスタンドを見ながら何かをするのは、非日常体験そのものですね。
メインスタンドのセンターサークル付近です。
右上の白いバルコニー状になっている箇所は「VVIP」エリア。
3階メインコンコースレベルですが、コンコースとは完全に独立しています。
国賓や政府関係者レベルの要人が来場するために用意された、特別なスペースです。
プレミアムVIPシート
センター付近の最もサッカーの試合がよく見える場所に配置されているシートです。
座席色が黒くなっているこのシートは、肘掛け付き・クッション付きの革シートとなっています。
プレミアムVIPシートは、2階に設けられた専用VIPラウンジに繋がっており、
基本的にこことスタンドを行き来する動線となっています。
VIPラウンジ<Presented by JCB>
![]() ![]() |
![]() ![]() |
先程の4階のスカイボックスラウンジやプレミアムテラスラウンジにも驚かされたばかりですが、
2階にはさらにラグジュアリーな空間が広がっています。
約350平方メートル、340人を収容できる大きなラウンジです。
試合が開催される日はスポンサー企業の社員などが招待されているようです。
モダンな空間で、試合の様子を見ながらビュッフェ形式の食事も提供されています。
VIPラウンジ<Presented by JCB>の喫煙室。
石のタイルに映像が映し出されている…
今まで見た喫煙室の中で一番ゴージャスです(笑)
トンネルラウンジおよび選手エリア
西メインスタンドの1階、招待者のエントランス付近です。
そごう広島店トンネルラウンジ
試合開始前のピッチに向かう選手たちの姿を間近で観覧できる空間です。
ここは、サンフレッチェ広島の有料ファンクラブ会員かつ試合当日のチケットを持っている人を対象に、毎試合抽選で選ばれた人が利用することができるエリアです。
常設でこうした設備があるのも、最新鋭のスタジアムならではですね。
そのまま、選手の目線でホームサンフレッチェ広島のロッカールームへ。
テレビ・メディア等でもよく紹介されていた選手ロッカーですね。
天井の巨大オブジェは圧巻。こうした演出で選手らも気分を高めて試合に望む事ができます。
ロッカーを出てピッチへ。
先程のトンネルラウンジを背にした構図です。
ピッチに出ました。
ベンチの様子です。
![]() ![]() |
![]() ![]() |
広島県に拠点を置く自動車用シート製造のデルタ工業株式会社協力のもと制作されたバケットシートです。
改めてピッチレベルの目線。
![]() ![]() |
![]() ![]() |
2020年2月(左)と2022年2月(右)の比較です。
広い公園だった空間がここまで変わりました。
放送席およびキッズルーム
7階放送席から。
最上部の最も見晴らしのいい場所に設置されています。
窓ガラスはなく直接スタジアムの音や雰囲気を感じられるようになっています。
サッカーの実況はこれがスタンダードとのこと。
キッズルーム
![]() ![]() |
![]() ![]() |
2階と3階にまたがるように立体的な作りとなっており、アスレチックなどが設けられています。
試合がある日ももちろん稼働しており、試合に飽きた小さなお子さんなど、利用させることが可能です。
あとがき
開業から1年経ち大変今さらではありますが、改めて振り返ってみても
本当に広島にできた施設だろうかと疑いたくなるほどのレベルに仕上がっていますね。
国際的な知名度を持つ広島。
法人限定エリアは、国内外からただ観光に訪れてもらうだけでなく、
来訪からビジネスに繋げるためのトップレベルのおもてなしができる空間だと思います。
一方で、前半に紹介したバラエティシートについてはまだまだ進化できるなと感じる部分もありました。
多用なバリエーションがあるのは申し分ないですが、もう一捻り、
座る場所による”コンセプト”の違いを明確にし、”どんな体験ができるか”を訴えることができれば
今の人気も不動のものになるのではないかと。
そのあたりが、おそらく日本一と言っても過言ではないほどに秀でているのは、やはりマツダスタジアムだと思います。
マツダスタジアムも、開業当初はもっとシンプルな席が多く、毎年経験を積むごとに座席バリエーションをアップグレードしてきました。
【広島東洋カープ公式サイト】:座席図・料金一覧
サンフレッチェ広島の関係者もおそらくこの点は認識していると思います。
あえてシンプルにしているのは、ニーズを踏まえて進化させるための「伸びしろ」として余白を持たせていると感じました。
マツダスタジアム、他都市、他の国などあらゆるものを参考に今後も進化を続け、
それがサンフレッチェ広島が常勝クラブの支えとなり、
来場に繋がる好循環となることに期待したいです。