19年秋に都市計画決定を予定する広島駅南口 新たな図面など

年の瀬で多忙にしており、久々の更新となりました。
なんとか年が明けるまでに残した記事は上げたいと思います。

JR広島駅において、広島市とJR西日本、広島電鉄の3者は広島駅南口広場の再整備計画を進めています。
今月22日に久々にこれに関する報道が中国新聞に載っていました。
これによると、事業による広場の再整備計画や路面電車のルート変更等を含む都市計画案の縦覧が行われていたようです。
(これは不覚でした…。今調べると12月3日~17日までの間行われていたようです。)

新聞記事にはそれ以外に特に新しい情報は出ておりませんでしたが、
これのおかげでちょっとした資料も見つけたのでご紹介します。

【中国新聞】:広島駅南口 拠点性高める


(2018年12月22日付 中国新聞朝刊紙面より)

 

【広島市】:広島駅南口広場の再整備等に係る基本方針の決定について


整備イメージ(上記広島市資料より)

 

現在の広島駅南口


(2017年3月撮影)

広島市は広島駅南口広場の再整備事業について、 路面電車を高架乗り入れとすることなどを盛り込んだ基本方針を、関連するJR西日本・広島電鉄・広島市の3者で合意し決定しました。 【広
西日本の広い範囲での大規模な豪雨災害から1週間が過ぎました。 執筆時点で犠牲者は広島県内で108人、全体では200人を超える平成最悪の雨による災害となりました。 日々伝えられる

 

前回の報道時に記載された内容を整理のため再掲

  • 広島駅南口の再開発は、当初の計画より1年遅れ2024年度完成、供用開始を目指すことに
    • 2018年度中に広場の空間づくりについて整備方針をまとめ、2019年度実施設計へ
    • 2019年春にも広場や新駅ビルのイメージを公開
    • 完成後は、南北自由通路からそのまま2階レベルで南口再開発ビルのエールエールA館やエキシティ広島(エディオン蔦屋家電)までそのまま移動可能に
  • 広島電鉄は駅ビル2階に乗り入れる路線の系統を見直し
    • 発着が同じで紙屋町・八丁堀を経由する路線は、新たに設ける市内循環線との重複区間が多いため見直し
    • 広島駅~広島港の路線は残すが、他の路線の再編も検討
  • 広島駅周辺の景観に配慮し、電力供給のための架線を張らず路面電車にバッテリーを搭載し自走
    • 超低床車両を生産する三菱重工業や近畿車輛、東洋電機と開発を進める
    • 車両の屋根に搭載する小型で軽量な蓄電池の開発急ぐ
    • 椋田社長「新駅ビルに乗り入れるのに、景観を損なわないように」

 

今回の情報と合わせると、
2018年度中にまとめる予定となっている広場の空間づくりに関する整備方針がある程度形になり、
19年度に予定される実施設計と都市計画決定のために計画縦覧を行ったということかと思います。

ということで今のところ順調に進んでいるようです。
2019年春には南口広場や新しいJRの駅ビルのイメージが公開される事になっています。

 

この都市計画縦覧は知ってたら会社を休んでも行きたかったです…(笑)

何かしら資料がWEB上に公開されていないかと検索をかけてみると、
1件のPDF資料がヒットしました。

【広島市】:広島駅南口広場の再整備等に係る都市計画決定・変更について(PDF)


都市計画決定・変更原案 概略図(上記資料より)

4ページに記載されている、駅前大橋線の範囲(松川町から広島駅にかけて)の概略図です。
表に出ている資料としては初めて、断面図が描かれています!

左下の「広島駅断面図」にご注目。
グレーの新駅ビルはやはり現在の駅ビルに比べ敷地面積が大幅に拡大するように描かれています。
駅前広場の北半分はJRの敷地となっており、そこまで一杯に建てられるようですね。
A断面の広場西側は1階部分はバスターミナルとして利用されます。当初の基本方針に示されたとおりですが、図になると現実感が増しますね。

中央部のB断面は路面電車が2階に乗り入れる部分です。
同様に広場の北半分一杯にせり出していますが、上層部分はセットバックしているようです。

高さについては明確に描かれていませんが、少なくとも現在の駅ビルよりは高くなるような描写ですね。
このあたりはこれから詰められていくと思われます。

 

一方、右上に軌道の断面が描かれています。
驚いたのは車線数です。「エールエールA館」と「ビッグフロント広島」に挟まれたC断面では、
現状、広島駅方面:4車線、八丁堀方面:5車線となっているところが、
 広島駅方面:5車線、八丁堀方面:4車線となっており、
路面電車の高架橋ができるにもかかわらず断面の車線数は維持する方針のようです。
これにより「エールエールA館」側の歩道が大きく削られているのも確認できます。

駅前大橋線は、車両に積んだバッテリーで走行する「架線レス方式」が採用される方針となっていますが、
D断面の松川町ではセンターポールが記載されているので、架線レスの対象は稲荷町交差点~広島駅の区間となりそうです。

6月9日に中国新聞に久々に駅前大橋線の文字が踊りました。 その内容は非常に驚くべきものでした。 広島電鉄は駅前大橋線の区間を、架線を使用しない運転、いわゆる「架線レス」方式を検

 

少しずつですが定期的に情報が出てきます。
すでに広島市、JR、広電の3者合意ができていることもあり、災害等ありましたが順調に進んでいるように思います。
途中書いたように、2019年春頃にはイメージ図や整備概要などが公表される予定となっています。

来年度、広島市都市計画審議会を経て2019年秋頃には都市計画決定、
事業認可から完成までは5~6年かかるとのことで、やはり竣工・開業は2025年前後となるようです。

いわゆる「駅ナカ」は自由通路の開業により一区切りが付きました。
これからは南口と路面電車の乗り入れ、見直しが本格化します。

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