広島駅『駅ビル』の建て替えや駅前大橋線など、2024年度の開業目指す

西日本の広い範囲での大規模な豪雨災害から1週間が過ぎました。
執筆時点で犠牲者は広島県内で108人、全体では200人を超える平成最悪の雨による災害となりました。
日々伝えられる捜索活動や避難の状況には胸が痛くなるばかりです。
改めて、亡くなられた方のご冥福をお祈りし、被災され大変な思いをされている方々にお見舞い申し上げます。

事情を考慮ししばらく更新を休止していましたが、幸いにも無事だった者から前向きにならなければ。。
先週、広島にの未来に希望が持てる話題もありましたので、今日から更新を再開します。


広島市とJR西日本、広島電鉄の3者は2014年、
JR広島駅の駅ビルを建て替えて、路面電車を駅の2階に乗り入れることなどを盛り込んだ
「広島駅南口広場の再整備等に係る基本方針」に合意し、実現に向けて検討が進められています。

基本方針公表当初は、”平成30年台半ば(2023年頃)の完成を目指す”とされていましたが、
7月4日の日経新聞によると、1年遅れた2024年度の完成、供用開始を目指すことが明らかになりました。

この記事には完成目標に加え、いろいろ新しい情報が書かれているのでそのあたりもまとめてご紹介します。

過去の記事です。

広島市は広島駅南口広場の再整備事業について、 路面電車を高架乗り入れとすることなどを盛り込んだ基本方針を、関連するJR西日本・広島電鉄・広島市の3者で合意し決定しました。 【広
6月9日に中国新聞に久々に駅前大橋線の文字が踊りました。 その内容は非常に驚くべきものでした。 広島電鉄は駅前大橋線の区間を、架線を使用しない運転、いわゆる「架線レス」方式を検

【日本経済新聞】:広島駅南口の再開発、24年度完成目指す 広島電、路線再編

広島市とJR西日本、広島電鉄の3者が進める広島駅南口の再開発は2024年度に完成、供用開始を目指すことが明らかになった。当初の計画より1年遅れる。一方、広島電鉄はJRの再開発に伴う新駅ビルの2階に乗り入れる路線の系統を見直す。広島駅周辺の景観に配慮し、路面電車に電気を送る架線を張らず、蓄電池を搭載した新しい方式を採用する。

(上記HPより一部引用)

中身を要約します。

  • 広島駅南口の再開発は、当初の計画より1年遅れ2024年度完成、供用開始を目指すことに (NEW)
    • 2018年度中に広場の空間づくりについて整備方針をまとめ、2019年度実施設計へ (NEW)
    • 2019年春にも広場や新駅ビルのイメージを公開 (NEW)
    • 完成後は、南北自由通路からそのまま2階レベルで南口再開発ビルのエールエールA館やエキシティ広島(エディオン蔦屋家電)までそのまま移動可能に
  • 広島電鉄は駅ビル2階に乗り入れる路線の系統を見直し
    • 発着が同じで紙屋町・八丁堀を経由する路線は、新たに設ける市内循環線との重複区間が多いため見直し  (NEW)
    • 広島駅~広島港の路線は残すが、他の路線の再編も検討 (NEW)
  • 広島駅周辺の景観に配慮し、電力供給のための架線を張らず路面電車にバッテリーを搭載し自走
    • 超低床車両を生産する三菱重工業や近畿車輛、東洋電機と開発を進める
    • 車両の屋根に搭載する小型で軽量な蓄電池の開発急ぐ (NEW)
    • 椋田社長「新駅ビルに乗り入れるのに、景観を損なわないように」

 

  • 2017年度のJR広島駅乗降客数は、一日当たり15万4,348人で過去20年で最多
    • 広島カープのセリーグ連覇、オバマ大統領(当時)の来広による認知度の向上、駅の自由通路とエキナカ商業施設「ekie(エキエ)」の開業
  • 広島駅北口から京橋町に移転した中国ジェイアールバスの本社跡地には、JR西日本系のホテルを建設予定 (NEW)

 

広島市のホームページです。

【広島市】:広島駅南口広場の再整備等に係る基本方針の決定について

hiroshimaeki_minami-image1.jpg
駅前大橋線イメージ図(上記広島市資料より)

 


(2016年9月撮影)

 

色々と新しい情報が報じられています。

完成時期について、当初より遅れた2024年度になると書かれています。
これはそもそも「平成30年代半ば」という記述しかされていなかったので、個人的にあまり「遅れた」という感覚は無く、むしろ2024年という具体的な年度が明示されたことに驚いています

順調に進めば、今年度広島駅南口広場の整備方針をまとめ、2019年春にも新しい駅ビルのイメージ図を公表できるそうです。
そこでおそらく大まかな駅ビルの規模も明かされると思われます。

2019年度からは実施設計に入るとのことなので、その後の流れを予想すると、
2020~2022年解体開始、2022~2023年着工、2025年3月竣工というイメージでしょうか。

 

様々な情報や期待が飛び交うこの”新駅ビル建設”
50年に一度の大改修で、紛れもなく広島の玄関、広島の顔となる一大事業です。
規模はもとより、日々の利用者が誇らしく思えるような細部までこだわったつくりにしてほしいです。
南口再開発ブロックへのペデストリアンデッキも整備されるため、メインの動線は2階に移ります。
デッキ上のスペースはとにかく広くとって、シンボル的な広場にしてほしいと思います。

路面電車が2階に乗り入れるという時点で、他に例を見ない大胆な構造になります。
これを活かすも殺すも、プランナーに掛かっていますね。

商業の規模については、過去のJR西日本広島支社の論調からすると、現状より大幅に広がる可能性はそれほどありません。
供給過多により紙屋町・八丁堀と共倒れになるのも避けたいので、現駅ビルとほぼ同等の商業施設と、
郊外SCに完全に奪われてしまった映画館(シネコン)を構えた駅ビルになるのが私の中の理想です。

 

 

そしてさらに驚いたことは、広島電鉄路面電車の「路線系統見直し」

駅前大橋線の新設に伴い廃止になるはずだった「的場町」、「段原一丁目」電停沿線の住民からの要望を受け、
広島駅を経由しない、都心部循環系統が設定されることはすでに明らかになっていましたが、
その循環線と重複区間が多い既存の系統についても、再編が検討されるようです。

私は以前から、すでに電車同士が渋滞する団子状態にある中に循環線を加えることは、
路線容量の圧迫に拍車をかけ速達性・定時性がますます悪化することになるため、新調に検討すべきだと申しておりました。
日経新聞によると、この循環線と重複する系統は系統ごとに割り振った番号ごと根本的に見直すようなので、根本的な改善に少し期待が持てます。

循環線は広島駅を経由しない路線なので利用者は限られます。
円滑な運行のためには、やはり以前から書いているように循環線の本数は抑えラッシュ時には運行しない、
もしくは経由地が重複する3号線や6号線、7号線など、
西広島、江波、横川から都心に流入する系統を循環させるといった策を検討してほしいです。

 

車両にバッテリーを搭載し、駅前大橋線を「架線レス」とするのは以前伝えられていた通りです。

6月9日に中国新聞に久々に駅前大橋線の文字が踊りました。 その内容は非常に驚くべきものでした。 広島電鉄は駅前大橋線の区間を、架線を使用しない運転、いわゆる「架線レス」方式を検

日経新聞によると、バッテリーは屋根に搭載することで検討しているようです。
バッテリー搭載により乗車定員が削られるのを心配していたのでこれは朗報です。

架線レス化については、社長の言うように景観面を考慮して、ということももちろんあるのでしょうが、
それ以外の技術的な面、つまり勾配で非常に面積の広い駅前大橋南詰交差点に架線を張らなければならないことや、高架橋となる広島駅乗り入れ部分での電気設備の保守など、
様々な面を考慮して「架線レス化」の結論に至ったと思われます。

開発が順調に進むことを願いたいです。

 

 

 

最後に一点、駅前大橋線とは直接関係のない、北口二葉の里地区に関する情報が、サラリと書かれていました。

ホテルグランヴィア広島の西側、元の中国ジェイアールバス本社跡地にJR西日本グループがホテルを建設する予定であることが分かりました。

 

今年5月下旬、中国ジェイアールバスがここから京橋町に本社を移転させ、跡地活用が注目されていました。

広島駅周辺の最後の一等地として区画整理された二葉の里地区”5街区”は、 2014年5月、一般競争入札により大和ハウス工業・広島テレビ放送・エネルギア・コミュニケーションズ(以下エ

広島駅南口広場の再整備に伴い駅ビルが建て替えられますが、計画では駅ビルに隣接するビジネスホテルの
「ホテルヴィアイン広島」も開発の対象になっています。

これの代替ホテルを利便性の高い自社の敷地に建てておく、というJRの意向も十分考えられます。

 

まだまだ広島駅と周辺は大変貌の途中にあります。

今後も引き続き注目していきます。

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