Bブロック地区の取材のついでにCブロックの様子を見て来ました。
Cブロックは再開発組合と進め方に反対する一部の住民との間で意見が衝突していることから権利変換計画の提出が遅れています。
再開発組合はそういった意見も聞いた上で内容をすり合わし今年中の事業着手を現在目指している状況です。
まず全景から(この画像だけ昨年撮影したもの)
完成予想図と同じ構図で撮っています。
左側が広島駅、正面に地上11階の商業棟が建ちます。地上46階の住宅棟は画像のちょうど中央辺りの奥になります。
Cブロックの中で有名な愛友市場をまず見ていきます。
マツダスタジアムができて市民の多くがこの近くを通る機会が増えたのではないかと思います。
私もそういった1人ですが、こうやってじっくり見ながら通るのは初めてでした。
あらゆるお店を凝縮したような一帯で一時期は本当に市民の台所として賑わったことを感じさせます。
ところがあまりにも時間が経ちすぎているせいで建物の傷みが激しいですね。
再開発が行われることもありすでに閉店しているお店も少なくありませんでした。
シャッターを閉めたとあるお店にはこのような張り紙も。
Cブロック地区の皆が皆反対しているというわけではないことがよく分かります。
その他にも。
いわゆる”愛友市場”として知られた所以外でもこのように細い路地に商店などが並んでいます。
そんな中歩いているとこのような少しショッキングな張り紙をするお店が。
載せようかどうか結構迷いました。。
これらは張り紙をしていたお店の方に直接許可を取ってここに掲載しています。
お話も少し伺ってみると、色々なことをお話してくださいました。
その主張をまとめてみます。
一番懸念していることは、
再開発建物内の店舗の位置が決まっていないこと
だそうで「大型店や有名店を優先させ、既存店を希望しない位置に追いやり組合の思い通りに進めようとしている」とのこと。
現在はこの借家人の方の地主となる地権者の方が組合側と交渉も行なっているそうです。
次回の権利変換計画縦覧時に提出する意見書は「もしかすると認められるかもしれない」という状況だとおっしゃっていました。
また再開発後の既存店舗については、再開発組合が“再開発を期に権利を手放す場合”に比べて、“一度やめて再び再開発建物で権利を残す場合”の方が補償金が高くなる状態になったため、(経緯や詳細は聞いていません。)
店舗面積に対して希望する地権者の方が多くなってしまっている状態だそうです。
今年の2月に商業棟・住宅棟の規模が変更されたのもこういった影響からだったと思われます。
地区内の入り組んだ場所に立地する愛友市場などはこのままでは将来にも期待が持てないので再開発に賛成する方が多いが、
駅や通りに面し現在も人通りが多い地区は、先述の店舗位置の問題もあり反対する方が多い
とのことでした。
3月には再開発組合の方ともお話をしているので今回両方の立場の意見を聞くことができました。
補償金の問題をはじめ、なぜそのような経緯に至ったかが分からないですし当事者でもないのであまり多くのことを言うのもどうかとは思いますが、難しいですね。
エディオンは再開発組合が提示し公式な手続きに則って取得したまでですから、批判するなら組合の方を批判した方するべきではないかとは思います。
そして再開発組合の事業の進め方に関しては以前もコメントにて、問題があると情報を頂いております。
地権者も多いのでそれをひとまとめにするのは一筋縄では行かないとは思うのですが、双方が妥協できる点を見つけられることを願いたいものです。
(個人的には賛成する地権者の意向をもう少し尊重すべきではないかと思います。)
そしてちょうど昨日の新聞に折り込まれていた、「第247号ひろしま市議会だより」にCブロックに関する答弁が載っていました。
広島市は相変わらず直接介入はせずに組合へさらなる説明・対話を働きかけていくという立場のようです。
民主的な手続きをとる上でなるべく介入は避けたほうが良い、というは確かにそうなのですが
私はここまで来ると中本議員がおっしゃるように広島市が介入して強力に指導・監督するべきではないかと思いますね。
それは組合に妥協しろというのではなく、お互い100%納得できなくてもとにかくイーブンになるよう客観的に判断を下す存在が必要ではないかと。
これでは事業完成がどんどん遅れるばかりです。
広島駅の周辺が、そしてマツダスタジアムの通り道ともなるCブロックが、
都市に相応しい姿に再開発されるのは多くの市民の願いでもあるはずです。
当面の予定である、2016年12月の事業完成をどうか実現していただきたいものです。
【URBAN HIROSHIMA 街づくりデータベース】:広島駅南口Cブロック市街地再開発事業