広島空港 霧による着陸断念、解消せず

標高の高い山間部に位置する広島空港は、年間30日程度霧が発生しています。
2008年には濃霧の中でも安全に滑走路に誘導できる設備「CAT-Ⅲa」を空港へ導入しました。(2009年6月に「CAT-Ⅲb」に移行)
ところが、今日でもなお、着陸できずに空港を変更したり引き返したりする事態が相次いでいるそうです。
 
【中国新聞】:広島空港 晴れぬ霧対応
 
20140615airport_chugoku-np.jpg
(2014年6月15日付 中国新聞朝刊紙面より)
 
 
着陸を断念している背景には、
航空機側が「CAT-Ⅲb」に未対応であること
パイロットに「CAT-Ⅲb」の資格が無いこと

があるようです。
 
広島空港に乗り入れる国内線を運航するのは全日空、日本航空、アイベックスの3社があります。
アイベックスが保有する全10機が未対応
全日空と日本航空の保有機は大半が対応機種であるものの、資格を持たないパイロットの割合は全日空が約1割、日本航空が約4割であるとのこと。
 
 
これは困りました。いくら空港側がお金をかけて施設を整備しても航空会社側が対応できなければ意味がありません。
今後国内においてもLCC(格安航空会社)が普及していく流れになっています。
 
【MSN産経ニュース】:中国系LCCの「春秋航空日本」も就航延期 パイロット不足で8月まで
 
広島空港でも、中国系ですが春秋航空が成田線に就航することになっています。
ところがこの通り、就航開始は当初の5月から8月1日に延期になったそうです。
格安を売りにする航空会社です。全日空、日本航空に比べて対応機種は少ないでしょうし、
ましてやパイロット不足で就航が遅れている現状を見るに有資格者も多くはないことが予想されます。
今後、着陸を断念するケースはますます表面化してくるのではないでしょうか。
 
 
つくづく、重ね重ね、なぜそんな所に重要な空港をつくってしまったのか。
リムジンバスで片道45分、帰省ラッシュや事故が起これば予定通り着かないし運休もする。
そもそも霧で着陸できないケースも有る。
本当に、こんな所に移転させたのは大失態だと思います。
政治的な力が見え隠れしていたとはいえ、広島と福山の人口比をもっと考えて欲しかった…。
 
 
まあ、今さらこの点をどうこう行っても空港がズリズリ移動する訳ではないので、こういった環境をどう克服するかを考えなくてはなりません。
渋滞対策としては当面は西条バイパスから安芸バイパス、東広島バイパスを通る、山陽自動車道の代替ルートが挙げられます。
東広島バイパスはこの春、瀬野西まで伸びました
そこから先の安芸バイパスの開通が待たれます。
 
 
JR駅までバスで移動しそこから鉄道で広島へ向かうのも一つの手。
白市駅~広島空港間は現在でもバスの定期運行が行われています。(約15分)
先日の中国新聞には、西条駅も駅前ロータリーを整備し空港バスの結節点を目指すという記事もありました。
乗り換えの手間は増えても、時間が読めるようになるのは大きなメリットです。
ただ、駅ごと(市町ごと)にバラバラに行っているのがなんとも…。
 
広島県はJR山陽本線を通る空港までのアクセス鉄道を、「利用者数が350万人に達したら再検討する」と言ったことがありました。
現状は260万人程度だそうです。
 
とにかく現状維持が一番駄目です。アクセス鉄道を再検討するならJRと協議を。
バスで改善を目指すのなら責任をもって西条なら西条を、白市なら白市をターミナルとして整備していくべきです。
 
もちろん行政として見えないところで努力はされているのだと思います。(思いたい…)
6年後には東京オリンピックも控えていますから、段階的でも良いので根本的な改善が図られることを願いたいです。
 
 
 
お知らせです。以前広島駅の再開発などでも紹介したことのある、RCCのラジオ番組「勝手にトークひろしま!」で次回、広島空港につて取り上げられます。
国内でも議論が活発になっている空港民営化についても、3名のゲストと語られるようです。
6月27日金曜日の22時から放送開始です。
【RCCラジオ】:勝手にトークひろしま!


 

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