激変する広島駅南口。課題を考える 【駅ビル編】

広島市は2日、広島電鉄及びJR西日本と合意した、広島駅南口広場の改良に関わる基本方針を明らかにしました。
広島駅南口広場の基本方針!広電の高架と駅ビル建て替え、デッキ計画などまとまる
 
【広島市】:広島駅南口広場の再整備等に係る基本方針の決定について
 
路面電車の駅前大橋線移設と高架での広島駅乗り入れや、広島駅駅ビルの建て替え、歩行者空間の整備などがまとめられています。
一昨日の記事で皆様からたくさんのコメントを頂いたので、駅ビル編と駅前大橋線編に分けて改めて考えてみたり課題を探してみたりしようと思います。
今回は建設中の広島駅南北自由通路と直結するJR西日本の駅ビル編です。
 
まずはこの基本方針決定を伝えた3日の中国新聞の記事から紹介させていただきます。
 
【中国新聞】:アクセス向上 経済界期待
 
20140903minamiguchi_chugoku-np.jpg
(2014年9月3日付 中国新聞朝刊紙面より)
 
この新聞記事の一番最後の段落になりますが、JR西日本広島支社の真鍋支社長JR西日本の真鍋社長は新しい駅ビルの規模について
「現在のような大きさが必要なのか検討したい」と発言されたようです。
 
 
言葉通り受け止めるならば、必要なければ現在のビルより縮小した規模になる可能性もあるということになります。
“隣の芝生”ではないですが、博多駅が同じような規模だった旧駅ビルから立派な巨大商業ビルに生まれ変わったのを見てしまっているので、もし小さくなるのであれば少し残念。
ところが、このブログでも何度も取り上げているように広島駅ではホームの上空と新幹線口に新たな店舗スペースを増築する工事を行っています。
増床される広島駅商業施設の出店計画書公表!
これまでは1万平方メートル程度だった広島駅の店舗面積は、およそ2倍の1万9600平方メートルにまで拡大されます。(この数字は現在の駅ビル「ASSE」の床面積も含みます。)
駅が新しくなるからといって利用者がとてつもない割合で増えるわけではありませんから、建設するJR西日本にとって慎重になるのは当然でしょう。
 
似たり寄ったりな店舗ばかりで採算が取れないのであれば、今の時点で広島駅や中心部では満たせないニーズやシンボリックなデザインを取り込んで欲しいですね。
例えばシネマコンプレックス(シネコン)。
残念ながら今広島市内で映画を見に行くといえば郊外の大型SCに大半の人が流れています。
もともとこの駅ビルに「広島ステーションシネマ」という映画館がかつてあったのですから、都心部へ映画館を戻すとすればこの広島駅しか無いと思います。
 
コメントでは観光客の方々が立ち寄れる飲食店をもっと増やしてほしいという声もありました。
もちろん今でも無いことは無いのでしょうが、駅ビル内に分散してどこに何があるのかわからないイメージは確かにあります。
ちょっとした軽食からお好み焼きだけではない広島の味を楽しめるまとまったレストラン街に期待したいです。
 
もちろん担当者の方は綿密に需要を予測されてこれから店舗計画を立てていくのでしょうから、規模も含めて今後注目しておきたいですね。
 
 
 
続いて歩行者デッキに関して。
計画では新しくなる駅ビルの2階に路面電車が乗り入れますが、同じ2階レベルに歩行者デッキも設けられます。
するとデッキは中央で路面電車のホームによって分断されることになります。
 
hiroshimaeki_minami-image1.jpg
 
イメージ図でもデッキと電車の軌道との境には何か柵が設けてあるように見えますね。
これは確かに安全面からも列車の運行面からも、通れなくしておいたほうがいいと思います。
 
この点、北九州市の小倉駅では同じ駅ビルに軌道が突っ込む形ながら、2階のデッキの更に上にモノレールが乗り入れているので駅ビルの前を横断する歩行者の支障にはなっていないんですよね。
 
kita-kyusyu_kokura-5.jpg
 
 
 
計画の平面図です。
 
hiroshimaeki-minami_kihon.jpg
 
路面電車のホームは自由通路の手前まで食い込むため迂回するのは大変になりますが、デッキ上で線路をまたぐハの字状にエスカレーターを設置して対応できないものでしょうか。
3階(ハの字の頂点)ではもちろん駅ビルと接続するので、お客の呼び込みにも繋がります。
 
 
今回は路面電車の乗り入れによって建て替えが決まったJR西日本の駅ビルを中心に考えてみました。
明日は駅前大橋線や環状線についてまた更新してみたいです。


 

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