53階建て!?広大跡地事業案が決定も発表は延期。

何があったのでしょうか。
広島市は今年6月から再公募していた中区千田町の広島大学本部跡地「知の拠点」の再開発事業者を先月選定し終えました。
本日広島市と広島大学が共同で記者会見し概要が発表される予定でしたが、
議会への説明が不十分などとして一部の市議会議員から声が上がり、急遽中止となりました。
 
再開発事業計画は学生向けの賃貸住宅や就職支援窓口に、スポーツクラブ、病院、さらには地上53階建ての分譲マンションも盛り込まれた案になっています。
 
 
【TSSテレビ新広島】:松井広島市長へ一部市議反発 広大跡地の事業計画発表を中止 (以下転載)

広島市は市内中心部の未利用地・広島大学本部跡地について、きょう、広島大学と共同で再開発案を発表する予定でしたが、一部の市議会議員から指摘を受け、急きょ、発表を取りやめることになりました。
広島市中区に広がる3.8ヘクタールもの大規模未利用地『広島大学本部跡地』。広島市と広島大学は、その再開発プロジェクトについて、きょう、計画案と事業予定者を発表する予定でした。広島大学本部跡地を巡っては、教育や研究などの機能を担う『知の拠点』として再開発するため、これまでに、4つの民間事業者が計画を提出。学識経験者などが非公開で選考を進めてきました。広島市が、きょう公表する予定だった計画書には、地上53階建ての高層マンションを中心に、周辺には、学生の就職活動やベンチャー企業を支援する施設をおき、また、病院やイベントステージの建設も予定していました。しかし、この計画決定に対し、一部の議員から『知の拠点』構想に沿っておらず、事前の説明が不足しているなどの声が出たため、広島市と広島大学は、けさ、予定していた共同会見を急きょ、中止しました。自民党保守クラブ・都市活力向上特別委の三宅正明委員長は「今までいろいろな経緯があるし、議会の中でも広島市の今後の活性化を担う1つの重要な土地であるから、公募の形でやって(理念に)沿った形になっているかどうかについては議論する余地があるやもしれません」と話し、これに対し、松井市長は「誤解に基づく見解であると思うし、議会の審議をへる性格のものではない。報告するのはわかりますが、リーダーシップの問題ではなくて、議会と行政の手続きをきちっと踏んでやる中で、お互いに理解を深めながらやっていく、そういう性格のものです。リーダーシップうんぬんとは違う気がする」と話しました。
市長と議会との『対立の構図』が繰り返される中、1月末から予定していた事業開始への影響が懸念されています。

 
【NNNニュース】:「広大跡地」に53階建ての分譲マンション
(数日間動画が見られます)
【広島ホームテレビ】:広大本部跡地開発 市長「内容は問題ない」
 
 
hirodai-kubun.jpg
広大跡地所有区分広島市ホームページPDF資料より
 
 
今回公募されているのは上の図の赤い部分、国立大学財務・経営センターが所有する3.8haの土地です。
先日”広大の医療系学部が千田町に移転する”と話題になったのは図の広大東千田キャンパスの北側青い部分です。
2016年4月にも「知的人材育成センター(仮称)」として開館を目指しています。詳しくはこちら。
広大、16年に跡地に人材育成センターを建設。医療系学部の一部も移転へ。
 
広島市と学識経験者などから公募にて選定再開発案は、超高層分譲マンションを中心とし、学生・留学生向け賃貸住宅や就職活動支援窓口、スポーツクラブ、医療機関、研究機関、イベントスペースなどが提案されています。
 
 
201312hirodai_htv.jpg
(2013年12月3日放送、広島テレビ「テレビ派」より)
 
 
分譲マンションは三菱地所レジデンスが事業者となる地上53階地下1階建てで、供給戸数は665戸にも上るそうです。
全体の完成は2018年の予定になるとのこと。
 
 
これに対し、”医療機関などに対し研究施設が狭い”などの点を挙げ、議会での審議・説明を求めるよう抗議が挙がり、今日の記者発表は中止に至ったとのこと。
 
 
 
一度事業計画が決まるも事業者=アーバンコーポレイションの民事再生手続きにより頓挫し、はや5年。
ひとまずまた新たな大手デベロッパーによる再開発案が示されたのは安心したいです。
 
三菱地所レジデンスの超高層マンションの規模は凄いですね。
地上52階のBブロック西棟が514戸、Cブロックが480戸ですから、これまでの広島の分譲マンションにおいて類を見ない大規模な住宅となります。
高さは200m前後になるでしょう。
 
しかしまだ課題は多いです。
予算の他、広大跡地への適格性という点で超高層マンションは必要なのかとご指摘をされる方もいらっしゃると思います。
私も個人的に高層ビル好きでおそらく広島最高層となるであろうマンションが建つのは非常に見てみたいところではありますが(笑)、
ここ広島大学本部跡地に「知の拠点再生プロジェクト」として広島市が高層マンションを建てることに対してはいささか疑問が残ります。
思い起こせば5年前の計画案でも50~60階建ての分譲マンションなどが提案されていました。
仮に床面積で考えると分譲マンション>>>研究・教育機関となるのは明らかで、
これを「知の拠点」と名乗るのはどうも違和感がありますね。
中心部、中でも千田・鷹野橋周辺は広島大学の東広島移転以降、街の衰退が叫ばれています。
そのような中でこの計画案自体に反対というわけではありませんが、「知の拠点」という看板を大きくし過ぎているような気がします。
広島市はこの点をもう少しよく市民に説明していくべきではないかと思います。
 
 
今回の発表延期を松井市長は「手続き上の問題」としていますが、2014年1月末から予定していた事業着手(設計など)に影響が出る可能性もあります。
なんとか今年中の発表を待ちたいです。
 
 
201305hirodai_ato-6.jpg
 
旧広大跡地へ。旧理学部1号館の様子など…


 

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