広大跡地関連のニュースを記事にするときにいつも思っていました。
跡地の使える適当な写真が無いんですよね。
その素材集めと保存されている旧理学部1号館の様子なども確認するため、先日行って参りました。
広大跡地の近況としては今年に入って、広島市が旧1号館を無償取得したり、2016年に広大が医療系学部を移転させる発表など動きがいくつかありました。
広大、16年に跡地に人材育成センターを建設。医療系学部の一部も移転へ。
広大跡地、5月から再開発事業社を再公募。
広島市が旧理学部1号館を無償取得へ
まずは電車通りに面する南側の公園の入り口から。
有名なイチョウ並木ですね。
左手はトータテが取得し2棟の高層マンションが建てられた「広島ガーデン・ガーデン」。
そして右手には広島大学が建設する医療系学部の講義棟兼人材育成センターの予定地となります。
奥は夜間学科などが入る建物ですね。
イチョウ並木を抜け広場に出ます。
左奥に広がる空間が東千田公園。右手正面の建物が旧理学部1号館ですね。
どちらも広島市が所有します。
右側には独立行政法人国立大学財務経営センターが所有する空き地が広がっています。
東千田公園のような芝生ではなく、ただの雑草ですね。。
いわゆる「広大跡地」、いわゆる「知の拠点構想」の中心はこれらの土地を使うことになります。
画像には入っていませんが、この並木の右側にも同じくらいの敷地があり、かなり広大(こうだい)です。
さて、旧1号館を正面から見てみます。
こう見ると、レンガ張りで入り口も重厚なつくりになっているためちょっとした感激がありました。
しかし…。
よくみてみるとヒビ割れや割れた窓ガラスなど傷みが進んでいることが分かります。
ここから普段人の目にあまり触れない裏側へと廻ります。
建物の傷みは変わらず激しいです。割れたガラス窓の奥に暗い通路や部屋が見えたりして、夜に来たくはないなと思いましたね…(笑)
雑草や木も生え放題伸び放題です。
建物にこのような案内が貼ってあるのがみえました。
「理学部」と書いてあるのが意外です。大学が存在していた当時から劣化が進んでいたのでしょうか。
旧理学部1号館は、”被爆建物”として現在でも保存はされていますが、これでは”放置”と変わりないですね。
今年度広島市はこの建物の耐震調査と具体的な保存活用策の検討を行う、とされています。
個人的には正直、「これを保存活用するの!?」と思ってしまうような状態でした。
一部はオブジェとして保存し解体、全く同じ物を復元させるという選択肢も加えるべきではないかと思います。
耐震調査をするにしてもどちらにしろ耐震補強工事を行わなくてはなりません。
外装・内装工事にもかなりの作業が必要です。
古い建物でどのくらい維持費がかかるかも分からず、保存活用は相当な費用がかかるのではないでしょうか。
コメントでも先日頂きましたが、広大跡地に残された基準値を超える鉛の問題もあります。
とは言え、この重厚なレンガ造りの建物は非常によくこの場所にマッチしていると思うんですよね。
特にこの新緑の木々との相性が凄く良く感じました。
建て替えで外壁を復元し、新たなスポットとなればかなり魅力的な場所になるのではないかと思います。
中身としては集客性のある自然史や歴史博物館などが想定されますが、もちろんそれ自体の必要性なども十分議論していかなくてはなりません。
平和公園や本通りなど観光客が立ち寄りそうな場所から少し離れたところにあるのが広大跡地です。
周りにそれほどのスポットもありません。
旧1号館はどのような活用法が取られるにしろ実際に生まれ変わるのは、残念ながらまだまだ掛かりそうですね。。
それこそ私が以前から主張しているように本通りでぶつ切りになっているアストラムを南へ延伸し広大跡地前に駅を建設することができれば、
開発の起爆剤ともなりえるのでしょうが、広島市が意欲を見せているのは西風新都線のみという状況でこちらも厳しいです。。
見守るしか無いですが、この広大跡地の開発によって賑わいを取り戻したいですね。
【広島市】:広島大学本部跡地の有効活用の促進について