「スタートラム広島」は、日本生命と広島電鉄がそれぞれ所有する2棟のビルを取り壊し、
一つのオフィスビルに再開発する共同プロジェクトです。
相生通りの立町電停前に2018年1月、地上16階建て、高さ約80mの複合オフィスビルが竣工します。
【URBAN HIROSHIMA 街づくりデータベース】:(仮称)広島八丁堀共同プロジェクト
【広島電鉄】:(仮称)広島八丁堀共同プロジェクト新築工事着工 新ビル名称は「スタートラム広島」に決定
3月に撮影した前回の様子です。
今回は少し距離をおいた紙屋町交差点から撮影したスタートラム広島。
路面電車の網の目のような架線が鬱陶しいですが、他に撮影ポイントがなくこれがベターな写真でした。
鉄骨建方がかなり進み、遠目でもこのように目立つ存在になりました。
階数を数えると建物はすでに最上階の地上16階に到達しているようです。
画像奥、方角では建物東側に一部飛び出たところがありますが、これは機械室などのPH階になるようです。
いつものポジションから。
80mという高さはこの界隈では圧倒的な高さですが、このビルの場合幅が広いので、
まず「大きい」という印象を与えます。
手前の朝日会館跡地が平面駐車場のままであるため、建物全体が見えてしまうのも、その一因かと思います。
ビルが完成すれば駐車場内の仮店舗は元に戻りますから、次なる朝日会館跡地の開発に期待したいところです。ぜひオフィスで。
低層部の様子です。
窓ガラスと御影石のようなカーテンウォールの質感がお分かりいただけるかと思います。
ビルの北側です。
タワーパーキングは銀色の鋼板より右手に設置されます。
低層部分や東急ハンズに接する東面の壁面も整いつつありますね。
最後に、南東側から。
東急ハンズとの高さはこのような感じです。
「高さ80m」は先程の塔屋(PH)を含めた高さなので、ビルの軒高は想像していたほどではないです。
とは言え、延床面積約2万6,000平方メートルという大規模なオフィスは、大型の新規オフィス案件は約5年ぶりの待望の存在です。
少し遡りますが、3月に放送されたローカル情報番組「E-タウン」で、中心部のオフィス不足とその背景について取り上げられていました。
2棟のビルを解体して整備するスタートラム広島は活性化のカギ。
広島電鉄の担当者がインタビューを受けており、
“最近新しいビルがなかなか建っていない状況なのでいろいろと問い合わせがある。かなり好評をいただいている”
と述べていました。
民間調査会社「CBRE」によると最新である2016年度第4四半期の広島市のオフィス空室率は、3.3%。
新規供給が乏しく、ハイグレードな空きオフィスの不足が深刻な状態が続いています。
【CBRE 事業用不動産レポート】:京都・神戸・広島・高松・福岡-2016年第4四半期(要会員登録)
今年このスタートラム広島が竣工することから、対前期横ばいで推移する様子見が続いているようです。
新規オフィスに対する需要が高い状態が続く中、自社の業務機能を集約する広島銀行本店建て替え計画を除き、スタートラム以降のオフィス建設はなかなか続きません。
背景には、中心部へのホテル建設が先行していることがあるようです。
白島から八丁堀にかけての白島通り沿道を始め、市内では中規模ホテルの建設ラッシュが起きています。
旺盛なインバウンド消費を背景に、広島市内では確実な収益を得やすいホテルの建設が先行しているとのこと。
オフィスはやはり景気に左右される面が多く順番は後回しになる傾向があるようですね。
株価を見ても、景気はリーマンショック以前の状態に戻っているように思いますので、
機会を逃して他都市に人やカネが流出するのを防ぎたいところです。
広島三越向かいの「新広島ビルディング」や、紙屋町トランヴェールビル2件東側の「HK計画」等、
開発に向け動き出している物もありますから、注目したいです。
まだ動きはないJR広島駅周辺の郵便局開発や北口JR支社ビル開発にも期待したいですね。
「スタートラム広島」は2017年11月末完成予定です。
白島通りのホテルもチェックしてきたので、近々更新します。