世界遺産の島「宮島」は、毎年約400万人が訪れる広島を代表する観光地ですが、
その宮島に渡るための玄関となる広島県廿日市市(本州側)の宮島口では現在、
手狭になった旅客ターミナル一帯を再整備する「厳島港宮島口地区港湾整備事業」が行われています。
前回お知らせしたように、港湾の一部を埋め立てて整備する新旅客ターミナルが、2020年2月29日に開業しました!
今回は動画とともに、新しいターミナルの状況をご紹介します。
【広島県 / 厳島港宮島口地区港湾整備事業について】:
平成31年1月更新 パンフレット(厳島港港湾整備事業 宮島口地区) (PDFファイル)(29.05MB)
前回の状況です。
2月7日には、ターミナルビルに入る新しい商業施設の名称や概要も発表されました。
更新が遅くなってしまいました。
今回も動画ダイジェストからどうぞ!
かつてない開放的な結節点が開業!
さっそく参ります!
見慣れた宮島口のターミナルビルの背後に、新しいターミナルが建設されました。
画像のJRフェリーターミナルも新しいターミナル開業によりお役御免となります。
ここに入っていた「おみやげ街道」も3月2日で閉店しました。
既存ターミナルの建屋を抜け、かつての桟橋が始まっていた辺りから、新ターミナル内へ歩を進めます。
おおおおおおおお!!
前回外から見た時の倍くらいの感動がありました。
大きな切妻の上屋に覆われた内部は非常に天井が高く、ガラス屋根になっているのでとにかくとにかく明るい!
この上屋の下は、特に入口等で仕切られているわけではなく、雨は完全にしのげつつ風は通り抜ける、かつてない開放的な交通の結節点になっています。
木材を用いた温かみのある色使いとこの明るさ。まるでリゾート地の別荘のような感覚です。
内部の様子をもう少し。
本当にこれは凄い…
上屋の木材が僅かに”反り”をもって処理されていることや、わずかにカーブしていることで、なんとも言えない安心感のようなものがあります。
画像の通り、まだ2階のテラスや建物内に入ることはできないようになっています。
中はまだ空っぽの状態です。
4月2日には、このターミナル内に新たなみやげ物・飲食施設「etto(エット)」が開業する予定で、イベントスペースなども合わせて設けられる予定となっています。
2階も早く行ってみたい。
ここが凄いのは、内装に使われている木材の量です。
宮島のある廿日市市は古くから木材港としての歴史があります。
ということで内装には広島県産の”本物の”木材が多様されています。
天井一面に張り巡らされたものも、色合いや質感が同じように見え、固定したビスも確認できるので、本物の木材と思われます。
潮風が直接当たるという悪条件でも本物の木材を採用したのは頭が下がります。
どうかこの美しさはいつまでも維持していただきたいですね。
ひとつ屋根の下に統合された乗船場
宮島口フェリーターミナルはこれまで、JRフェリーと宮島松大汽船の2社がそれぞれのターミナルで、それぞれの桟橋から船を出していました。
これがこの新ターミナルの屋根の下に統合され、わかりやすくなりました。
このように、JRフェリーが赤、宮島松大汽船が青というように色分けがされ、別会社のフェリーが2社あるということは確実にわかりやすくなりました。
ただ、、、
JRフェリーはそのまま乗船して宮島到着後に精算(後払い)、
松大汽船は改札口で精算後したあと乗船(前払い)
というシステムはこれまでと変わらず、統一感のなさは感じます。
まあ、そう感じるのは両者の存在と違いを知っているからこそであり、
観光として広島を訪れ、何らかのチケットを持って最初から乗るフェリー会社が決まっていれば特に困らないのかもしれません。
統合桟橋へ向かいます。
統合桟橋への連絡橋も新造されたものです。
上屋は明かりを通す膜素材になっており最近の流行を取り入れていますが、それで終わらせずここにも木材が多様されていて素晴らしいです。
JRフェリーと松大汽船、それぞれの連絡橋で同じデザインとなっています。
統合桟橋です。
ここも2社が同じ桟橋を供用します。
これだけ広大な上屋一面にも、全面木材が取り付けられています。
みやげ物施設は新商業施設『etto』に引き継ぐ
宮島松大汽船のチケット売り場から振り返ると、広島電鉄株式会社及び株式会社広電宮島ガーデンが営業する新しい商業施設「etto(エット)」のエントランスが面しています。
広島・宮島のおみやげや雑貨、飲食店など計16店が4月2日に開業する予定となっています。
そこまで開業すると、宮島観光における全く新しい時代の始まりですね。
新商業施設「etto」の開業準備の影で、これまでのみやげ物の販売を担っていた「もみじ本陣」は解体工事が進められていました。
解体した場所に、広電宮島口駅が移設する予定となっています。
JRフェリーの旧ターミナルビルなども解体し、現在のターミナル前のロータリーは大幅に拡大される予定となっています。
(平成31年1月更新 パンフレット(厳島港港湾整備事業 宮島口地区) (PDFファイル)(29.05MB))
- 廿日市市
- 普通車200台、観光バス40台を収容する立体駐車場を、平成31年度=2019年度(今年度)着工。
- 2020年春の完成を目指す?(遅れの可能性)
- 立体駐車場には展望スペースを設けるほか、敷地内に地元コミュニティ施設も整備。
- 建設から運営まで民間に委託し貸付借地料を徴収。候補には広島電鉄が挙がる
- 広島電鉄
- もみじ本陣の駐車場として300台を収容する立体駐車場を建設。
- 広電の立体駐車場と宮島口駅移設は東京五輪後(2020年夏以降)から始め、2026年までの完成を目指す。
取材時は、いつもの週末に比べると確実に観光客が少ない状況でした。
言うまでもなく、新型コロナウィルスの懸念によるものと思われます。
早期に収束して、4月のエット開業、5月の大型連休では再び国内外多くの方々で賑わう空間になっていることを切に願います。