地元ベーカリー企業のアンデルセンが、本通商店街で建て替え工事を進めていた旗艦店「広島アンデルセン」が完成し、8月1日にオープンしました!
現地での営業は実に4年ぶりとなります。
被爆建築だった従来の建物の外壁を一部、新しい建物の2階に使用し、帝国銀行広島支店として建設され、原爆の爆風に耐えた歴史を継承します。
建物は地上5階で、1階のベーカリーの他、2階は多種多様な食事を提供するレストラン、
3階より上はパンや花の教室等が開催できるカルチャーフロアやパーティー会場となっています。
ただし、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、当面は1・2階のみで営業を始める事となりました。
ベーカリーやレストランについても、出入口を指定するなどあらゆる感染対策が取られています。
ホームページをご確認ください。
【公式】:広島アンデルセン
前回の状況です。
メディアでも取り上げられ、この週末はかなり話題になりましたね。
私も足を運んでみましたのでご紹介します。
12回に渡るレポートの最終回です。
歴史を伝え現代と調和する外観が素晴らしい
まずは工事に着手する前、ちょうど2年前の記事をご紹介しておきます。
先にご覧頂いた方が、変化がより分かるかと思います。
私自身も、ほんの2年前ですが「以前はこんな感じだったか…」と感慨深くなりました。
2年前のトップ画像と全く同じ角度から。
2階部分の意匠は大部分が引き継がれていることが分かるでしょうか。
商店街に面する、北側の外観です。
凄い・・・。なんと品格のあることか。
4本の列柱は、竣工当初にあったものを再現しました。被爆により失われていたものです。
そして1階のベーカリー。名称は「ジャン=ポール・エヴァン」。
2階の格式高い外観とは対象的に、全面ガラス張りで中と外をあまり意識させないデザインとなっています。
■訂正(2020/08/07)
「ジャン=ポール・エヴァン」はベーカリーの名称ではなく、1階に入る高級チョコレート店の名称でした。
お詫びして訂正いたします。ご指摘ありがとうございました。
私は以前、「ベーカリーのショールームのような存在になる」と書いたことがありますが、
それは少し違いました。
ベーカリーだけでなく、それをつくる人、販売する人、そしてお客さんの顔が見え、アンデルセンが考えるパンを中心とした文化や賑わいが伝わってくるんですよね。
ガラス張りのファサードは、多くの人が行き交う本通とを結ぶテラスのような役割を果たしていて、都心に似合い非常に良いなと思いました。
いわゆる「腰巻きビル」ですが、ナチュラルに調和していて好感を持っています。
商店街側、北西の角にはモニュメントが新たに設置。
以前まで北東の角にあった「帝国銀行広島支店」のパネルに加え、2020年建替工事に伴う外壁の保存・再現」のパネルが追加されました。
モニュメント自体も新しくセメントで造られています。
多くの人が足を止めて読んでいました。
東側の路地に回ります。
ガラス張りの南東側にも出入口があります。当面はこちらを入口、先程の商店街側を出口として運用されていました。
オープンした8/1と8/2については、店内の密を避けるため入場制限がかけられており、入場券を配布し決められた時間帯に来店するという手法が取られていました。
現地での再オープンを待ちわびたお客さんも多かったようで、かなりの待ち時間となっていました。
今回の取材での店内飲食・パン購入は諦めることに・・・
また次の機会の楽しみとしました。
なお、東側は建て替え前の状況と比べると電線が地中化されています。
南側の憩いのスペース『ヒュッゲパーク』
打って変わって南側です。
南側は、店内のパンはもちろんのこと、アンデルセンが新たに導入したキッチンカーでテイクアウトした軽食やドリンクも楽しめる広場を設けました。
名称はアンデルセンがお手本とするデンマークの言葉を用いて「ヒュッゲパーク」と名付けられました。
「ヒュッゲ」には、”人と人とのふれあいから生まれる、温かな居心地のよい雰囲気”という意味があるそう。
ヒュッゲパーク。
オープン直後ということもあり、店員さんや社員さんも総出で対応されています。
整理券を配布する列、入場を待つ列、そしてキッチンカーの食事を楽しむ人達が、きちんと誘導されていました。
端には、「広島アンデルセン」のオープンに合わせて導入されたキッチンカーが。
8月いっぱいはヒュッゲパークで営業し、9月からはコロナの状況も見ながら県内に営業範囲を広げるそうです。
【日本経済新聞】:広島アンデルセン、キッチンカーを8月開始
キッチンカーは利用できたので、ヒュッゲパークを体験しつつホットドッグを購入。
持ち帰っていただきました。ホットドッグが肉汁たっぷりで美味しかったです。
ということで、全国の旗艦店となる「広島アンデルセン」開業のレポートでした。
といっても、注目度の高さとコロナの影響で、中にも入れていないので
また近々密にならないタイミングで行ってみようと思います。
まずは、オープンし楽しみにしていたお客さんで賑わっている光景が見られてよかったです。
店内はもちろん、屋外のヒュッゲパークのキッチンカーもできれば定着し、
色んなスタイルで時間を過ごすことが、都心のステータスにもなればいいですね。(コト消費)