2021年の年末に九州を旅行してきました。久々の他都市探訪です。
これからしばらく、九州のレポートを挟みながら更新を続けていきますのでよろしくお願いします。
最初の舞台は熊本!
2018年7月に訪れたJR熊本駅に再び足を伸ばしてきました。
JR熊本駅は2011年の九州新幹線開通を契機とし、熊本駅一帯の改良工事および大規模な開発が行われました。
熊本県と共同で在来線の連続立体交差事業が進められ、2018年3月に高架駅としての熊本駅が供用開始。
その後、旧駅ビルを取り壊して生まれたスペースに白川口(東口)駅前広場を拡大して整備するとともに、
広場の南側に地上12階、延10万平方メートルを超える駅ビルが完成しました。
駅前広場の完成は2021年3月、新駅ビルの完成は2021年4月です。
ということで、今回は拡大された駅前広場と新しい駅ビルを中心に「視察」を行って参りましたのでご紹介します!
同じく駅の大改良工事を行う広島の何かの参考になれば…
在来線高架駅が開業した年に訪れた時の様子はこちらの記事から。
在来線高架駅舎と駅前広場
駅前広場です。
旧駅ビル跡地を使っておよそ1.6倍に拡大された駅前広場。そして巨大な駅ビル。
何もかもが前回から変わっていて驚きです!
高架駅の駅舎自体はいたってシンプル。
名城「熊本城」を擁する都市の玄関口には、お城の「武者返し」をイメージした外観になっています。
内部は通路になっており、高架下の店舗やコンビニなどが並びます。
この外壁の外側に、以前までの旧駅ビルがありました。
当時撮影した画像と並べて見てみましょう。
「武者返し」の目の前に、普通に線路が通っていました。
撤去された駅ビルと、拡大された駅前広場。
右端に写っている階段に注目。同じ階段です。
アミュプラザから俯瞰。
綺麗に生まれ変わるものですね。ここに駅ビルや線路があったことが信じられません。
植栽や路面電車のりばなどを覆う上屋も新たに整備され直しました。
路面電車の上屋は、前回訪れたときは大きなしゃもじの形をしていましたが、あれは「暫定形」。
最終的に、このような軽やかで立体感のある上屋が整備されました。
新しいJR熊本駅ビルを取り上げる前に、
広場を挟んでJR熊本駅ビルと向かい合う北側に「JR熊本白川ビル」が2020年12月に完成しました。
12階建てで4階以上がオフィス。
1~3階には熊本県初出店のビックカメラが入ります。
白川口(東口)にJRによるツインタワーが完成しました。
巨大複合商業施設!『アミュプラザくまもと』となるJR熊本駅ビル
駅前広場の南側に新築されたJR熊本駅ビルに移ります。
なんと都会的な!ボリューム感が凄いです。
奥の方ではタワーマンションの建設も行われているようで、熊本駅の開発が人の流れにも大きく影響を与えています。
【JR九州】:熊本駅ビルの開発概要について
【JR熊本駅ビル】
階数 | 地上12階・地下1階 |
用途 | ホテル(200室)、結婚式場、商業施設(シネマコンプレックス含む)、駐輪場 |
構造 | 鉄骨造 |
敷地面積 | 19,000平方メートル |
延床面積 | 107,000平方メートル |
商業店舗面積 | 37,000平方メートル |
着工 | 2019年春 |
開業 | 2021年4月23日 |
フロア構成は以下の通り。
規模は違えど、用途やフロア構成は新広島駅ビルとよく似ています。
店舗面積は驚きの37,000平方メートル。
広島駅の既存の「ekie」と新駅ビルの商業施設の店舗面積を足した面積とほぼ同じです。
既存の市街地を吹き飛ばす勢いで駅の不動産開発を積極的に行うJR九州とはいえ、
この規模の駅ビルを本当に完成させるのですから凄い。
まだ開業したばかりで、コロナ禍の中なので判断し難い状況かと思いますが、中心市街地とともにこれが維持できたら熊本の購買力はかなりのものかと思います。
大屋根によって濡れずに駅から入る事ができますし、イベントも開けそうです。
ガラス張りの中央部分は商業フロアを全て貫く吹き抜けになっており、滝も流れている豪華な仕様。
大屋根の上は広場として開放されています。
天気が良ければ気持ちよさそうです。
暗くなってからのビルも美しかった…。
あとがき
人口約74万人の政令指定都市。にしてこの規模の駅前に大変驚きました。
印象的だったのが、この駅ビルをバックに「自撮り」をしている若者の姿や、吹き抜け部分のカフェから駅前を眺めながらコーヒーを飲む人々の姿です。
こうしたシンボリックな建物は、まず話題性で人が集まりますし、「我が街」を改めてじっくり見つめ直すきっかけにもなりますよね。
この場所に来たことが一つのステータスになるというか、そこで時間を過ごす事自体に価値を生み出すことが、今後の郊外大型店等の競争に打ち勝つために必要なことであることを改めて実感しました。
熊本市は広島市と同じく、繁華街が中心駅からは離れた都市構造。
繁華街の桜町でも大型開発(後日紹介)が行われていますが、広島と同じようにお互いのエリアが深く連携して切磋琢磨、時に棲み分けを行って都市としての求心力を維持していくのが今後の課題であり注目点ですね。