京急蒲田駅 2022.05 鉄道2層高架が2方面に分岐する要塞のような駅

先日このブログで、JR山陽本線の高架化を行う広島市東部地区連続立体交差事業を取り上げました。
この事業により、山陽本線と呉線が分岐する海田市駅は2階に山陽本線、3階に呉線が入る鉄道2層の高架駅となる予定です。

鉄道が2層に重なる高架駅は全国にいくつか存在しています。

東京都大田区の京急蒲田駅はその一つで、「京急蒲田駅総合改善事業」として2012年に全ての高架化が完了しました。

2022年4月に東京に行った際、以前から見たかったこの駅に立ち寄ってみました。
JR海田市駅の姿を想像しながら、取りまとめてみたのでご紹介します。

 

 

京急蒲田駅の概要

【東京都建設局】:京浜急行電鉄本線及び同空港線(京急蒲田駅付近)
連続立体交差事業

(上記サイト『事業パンフレット』より)

京急本線から羽田空港に向かう空港線が分岐するため

 

一方、広島の「広島市東部地区連続立体交差事業」における、JR海田市駅の高架駅の断面イメージはこちら。

【広島市公式ホームページ】:鉄道と道路の立体交差化の推進…JR山陽本線・呉線(広島市東部地区連続立体交差事業)

(広島市『パネル展示資料(15MB)(PDF文書)』より ※旧案時点の説明パネル。「当初計画」の断面イメージとして紹介されているが、現「見直し修正案」と構造は同じ。)

 

広島市東部地区連続立体交差事業 2022.05(Vol.2)<海田市駅周辺>

 

 

まるで要塞!歩行者・自動車・列車が立体交差する駅舎

今回は飛行機での移動だったので、羽田空港から京急線に乗って、途中の京急本線との合流駅でもある京急蒲田駅に降り立ちました。
早速、駅舎の外観です。

 

ようやく見ることができました。
電車がありえない高さを走行している非日常感…。

2層の鉄道高架橋が駅の途中から分岐し、羽田空港方面に線路が伸びていきます。

 

現在立っている場所は、地上駅時代の線路だった部分ですね。

 

特に駅前広場が整備されることもなく、残置として残っています。
将来的な活用計画はあるのでしょうか。

 

上の画像で見えていたペデストリアンデッキ。そのまま駅舎の2階に繋がり自由通路を経て、反対の西口に行くことができます。

 

西口の状況。
ご覧の通り高架駅でありながら自由通路は2階レベルにあり、そこからペデストリアンデッキが延びている大規模な構造となっています。実質4階建てですね。

 

西口は大きな通りがなく、路地を挟んで住宅などが隣接します。

4階建ての駅舎は、これこそ要塞ですね。

 

 

2層構造ののりば

改札に入り、京急ののりばへ向かいます。まずは2層高架の上の階です。

 

非常に広い幅のホームは横浜方面側で切り欠き状になっており、ここにも電車を止めることができます。
2層構造でタテにも、縦列でヨコにも広い駅舎です。

 

羽田空港方面の分岐。

 

羽田空港方面はこのような順番で列車が出ています。
意外にも階が固定されていないんですね。

階の違うホームへの案内はフルカラーLEDを用いて視覚的にも分かりやすく表示されています。
広島で高架化される海田市駅の場合、山陽線は2階ホーム、呉線は3階ホームといったように方面ではなく路線で階が分けられるようなので、
広島駅方面へ向かう場合は、このような違う階への案内が必要となってくるかと思います。

それにしても、路線の分岐駅で横浜方面、品川方面にも多数の列車が発着しながら、
オフピークの12時台でこれだけの列車をさばけることにおどろきです。
2層高架の恩恵もあるのでしょう。

 

2階ホームへ降りてみましょう。

 

エスカレーターを降りてまたホームが出現するのは不思議な感覚です。

 

以上、京急蒲田駅に降り立った感想でした。
京浜間の大動脈の輸送を担いながら、国内外の航空客を都心に導く巨大な結節点である京急蒲田駅。
限られた土地の中で、それらを円滑に安全に捌くための東京都の力技には感服です。

 

 

ここまで書いておきながらではありますが、広島県内には福山駅というすでに鉄道2層高架が実現されている駅があるんですよね。
こちらは在来線と新幹線が2層になっているので、ホーム上から直接乗り換えることはできませんが、改めて思えばこちらも大胆な構造をしていますね。

6 comments

  1. くさにょん Reply

    10年近く京急ユーザーだった身からいくつか補足させていただきます。

    >特に駅前広場が整備されることもなく、残置として残っています。
    将来的な活用計画はあるのでしょうか。

    京急蒲田東口の目の前には国道15号線(年始恒例の箱根駅伝で都内~横浜駅前付近まで選手が走っている道、と説明したら分かりやすいでしょうか)が走っていて、拡幅の計画があります。ただ優先度的には他が高いため事業着工できていません。でも将来的なことを考えて何も設置せずに置いているわけです。

    >羽田空港方面はこのような順番で列車が出ています。
    以外にも階が固定されていないんですね。

    これは運行方向別に階を分けたことが関係しています。
    上階の方は品川方面から横浜方面への階となります。
    下階は逆に横浜方面からは品川方面の階です。
    横浜方面から羽田空港に向かう電車は都内では珍しいスイッチバックをここで行います。

    なお羽田空港からの電車も同じホームを使用します。
    羽田空港から横浜方面に向かう電車は上階(こちらもここでスイッチバックします)、
    品川方面(その先都営浅草線や京成線、北総線直通)に向かう電車は下階を使用します。

    京急蒲田駅の概要の図でホーム右側が上下線表記なのに対してホーム左側が空港線表記なのは、空港線は上下階とも両方向への電車が入線するからです。
    なぜそうなっているかというと、羽田空港へ品川からも横浜からも向かわせたい、そして羽田空港からは品川(都心)へも横浜へも向かわせたいという京急の思惑の結果です。(品川(都心)方面は東京モノレールと競合しており、逆に横浜方面はほぼ独占できる。でも東京モノレールやJRがカバーしにくい都心(浅草)やその先(成田空港)も一本で行けることを考えると品川方面もある程度あった方が良い)

    土地勘のない人にはさっぱりだと思うので、京急蒲田を海田に、品川を広島(その先、宮島口(浅草)や岩国(成田空港)、みたいな)に、横浜を西条に、羽田空港を呉に置き換えてもらえると理解しやすいかと(あくまでも行先として置き換えた場合としての私個人のイメージです)

    京急蒲田駅の複雑さに対して海田駅は路線別(山陽線と呉線)で階を分けるようなので、京急蒲田のようなことにはならないと思います。
    なお、海田駅と同じような配線の駅としては京急の乗り入れ先である京成線の青砥駅があります。

    かなりの長文になってしまい申し訳ありません。
    出身地広島の話題を近年よく利用していた駅を題材としていたのでハッスルしてしまいました。

  2. チャム Reply

    くさにょん様
    初めましてチャムと申します。
    土地勘がない私としては管理人様の大まかななご紹介+くさにょん様の京急蒲田駅現地の詳細説明及び広島地区で例えご説明を頂きとてもありがたくわかりやすかったです。

    もし仮に海田市駅が東西のJR路線以外に延長線上に南北線が存在してたら、京急蒲田駅のようにスイッチバックの起点駅として機能したかも知れないですね。
    あくまで個人的なイメージですが、海田市駅から北へ第二の芸備線か北東へ本郷方面に広島空港線、南へ呉線経由の阿賀港口駅ー倉橋駅ー四国松山駅など仮にあればスイッチバックの起点駅として起点駅として機能しただろうとイメージが膨らみました。本当に参考になりました。ありがとうございます

  3. 蒲蒲早期実現希望人 Reply

    京急蒲田、もう一つ面白いところがあります。それは“番線”が同じホームに横並びになっています。待避線側はホームの内側に食い込んでいます。2編成が前後に並ぶ感じです。
    なので、前方の退避ホームに停車した各席停車のお客は、追い越される早い電車が後ろに着くので同じホームを駆け足で移ります。殺気に似た迫力がありますよ(笑)。お陰で横(長さ方向)にも巨大な駅です。

  4. 現在西宮市民 Reply

    蒲田駅の話題が出たのでコメントします。東急多摩川線を延伸し、東急蒲田と京急蒲田を結ぶ蒲蒲線の事業の計画が発表去れましたが、東京に在住していた身としても、事業の意味が分かりかねます。東急と京急の線路の幅は違うそうで、乗り入れは実現しないでしょう。多摩川線はローカルな路線で広域での空港アクセスを担う事もなく、沿線住民がたまたま羽田に行くときにちょっと便利という程度の効果です。意味の薄い事業を民間企業がするのは勝手です。百歩譲って都や区が公費負担するのも分かりますが、国税も投入されるそうで、こんな事業に国税するくらいなら、地方創生のために地方の路線の改善に回すべきです。

  5. MT Reply

    件の記事で要塞云々とコメントした者です。
    まさか蒲田要塞を取り上げるとは想像すらしませんでした。
    あの駅の工事中の記事を見ましたが、用地が厳しい為か直上工事方式なんですよね。
    運行密度も相当高いでしょうに、すごい工事だなと感心しながら読みました。
    阪急淡路駅周辺の立体交差工事も部分的に直上工事方式を採用しているそうです。
    もっとも、広島の今回の工事に関しては用地は既に取得済みですから関係ないですね。
    福山駅も重層ですが、ご指摘の通り全く別の路線が重なってるだけだから上下全く別ですね。
    福山があの様な重層構造になった理由はわかりませんが、用地の問題だったのでしょうか。
    あの駅は見てて格好いいのですが、構造的に当然ですが在来線ホームが暗いんですよね。
    広島駅も巨大な人工地盤が被さっているので今は暗くなりました。
    もっとも小倉はもっと暗かったですが…海田市は面数が少ないので多分大丈夫でしょう。

  6. ハニービー Reply

    この工法を可部線でやったら複線化も可能なのかなと思ってます。

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