世界遺産の島「宮島」の玄関口となる対岸の宮島口地区では、広島県・廿日市市・広島電鉄が共同で「厳島港宮島口地区港湾整備事業」を進めています。
港湾を新たに埋め立て、2020年2月に新しいフェリーターミナルと商業施設「etto(エット)」がオープンしました。
広電宮島口駅の移設はこの事業の一環として行われているもので、
新フェリーターミナル近くに広電の駅舎を移設することで、観光客の利便性を向上させるとともに、宮島街道から駐車場にアクセスする踏切を解消します。
2022年7月の開業予定です。
前回の状況です。
計画の概要
【広島県】:厳島港宮島口地区港湾整備事業について
駅舎の仮囲いが一部撤去!完成近づく
ターミナル前のロータリーから。
新しい駅舎正面の仮囲いが外されました!
低いフェンスになったので、内部がよく見えるようになりましたね。
フェリーターミナルと多くの人が往来する正面出口です。
天井が高くてかなり開放的な駅舎であるのが伝わってきます。
見ていただいて分かるように、現在の駅のような改札方式は取られないようです。運賃収受に関してはこれから全扉での乗り降りがすべての車両で可能になるので、改札は不要と判断されたのでしょう。
前回紹介した通り、正面には駅のサインとともに大型のLCDモニターが備わります。
その下には黒地の新しいデザインの路線図が確認できます。駅前大橋線に変わる広島駅でも採用されるデザインと思われますので、早く見てみたいですね。
駅舎に隣接する駅事務室。
ガラス張りで開放的です。
物販や観光案内も兼ねるのでしょうか。
フェリーターミナルから。
柱には上屋を照らすための照明が付いています。
完成近づく駐車場棟 付近には踏切も
フェリーターミナルから見る駐車場棟です。
手前のスペースでも基礎工事が行われ、何らかの建物が立つ予定です。
ところで、上の画像を撮影しているフェリーターミナルの2階デッキ。
ぶつ切りになった”いかにも”な形をしていますが、将来的に駐車場棟からデッキで直接繋がったりする構想があるのでしょうか・・・?
北側、広電の現駅舎側から見た駐車場棟です。
駐車場棟に向けて線路を横断する跨線橋に並行して、踏切が新たに設けられています。
広電職員が利用する構内踏切かとも思いましたが、遮断器や路盤がきちんと整備されており、ここも一般利用者向けに利用することを想定しているのでしょうか。大型車専用?
国は原則として、鉄道における踏切の新設を認めていないので、どういった扱いのものになるのか気になります。
フェリーターミナルにエレベーター新設
前回まで着目していた、フェリーターミナル西側へのエレベーター棟新設工事が完了し、供用が開始されていました。
現状、あまり利用されていない2階のこのスペースが、休憩やイートインスペースとして賑わうことに期待したいですね。
移設する広電宮島口駅は、最新の資料によると2022年7月の開業予定です。
さて、余談ですが、
先日、宮島口~宮島航路に3社目の事業者が参入することが明らかになりました。
参入するのは「アクアネット広島」。
【アクアネット広島】:宮島口-宮島航路新設について
料金は片道400円になるとのことです。
既存のJRフェリー、松代汽船両社とも180円ですから、価格での競争力は無いですが、
平和公園~宮島~宮島口という航路設定も可能になることで、広島市内との直通利用にニーズを見出したようです。
2022年5月21日から運航を開始します。