広島市中区中央公園に計画する市のサッカースタジアムが、
2022年1月26日に安全祈願祭を終え、2月1日から建設工事を開始しました。
2024年のJリーグ開業に向けて、今後急ピッチで工事が進められます。
スタジアムは3万人収容で、マツダスタジアムのように多種多様なバラエティシート、VIPルーム等が設けられます。
広場および西側の河川敷エリアと、スタジアム内それぞれの回遊性を高める2層のコンコースも特徴の一つです。
広場と一体となり、旧広島市民球場跡地エリア、広島城エリアともデッキで接続し、
「まちなか」に開かれた新たなシンボルとなります。
前回の状況です。
事業概要
【広島市公式ホームページ】:サッカースタジアム等整備事業の基本設計
- サッカースタジアム等整備事業の基本設計の概要 [PDFファイル/7MB]
- (参考)用語の解説 [PDFファイル/296KB]
- サッカースタジアム等整備事業 基本設計説明書【概要版】 [PDFファイル/29.23MB]
杭基礎の施工はほぼ終了
本川を挟んで建設地を眺めてみます。
川沿いの桜がほぼ満開になった日の取材でした。桜と穏やかな河川、そしてスタジアム建設にあたる大型クレーンの対比がとても印象的です。
桜の景色も素晴らしかったので、この記事の後半で改めて紹介します。
変わって、スタジアムの正面に廻ります。
城南通りから。
ここにスタジアムのスタンドが立ち上がってくると思うと感慨深いですね。
上の写真の位置まで、ファミリープールの方向からペデストリアンデッキが設けられます。
デッキの基礎が立つ位置が一部閉鎖され、試掘調査が始まっていました。
こういったものでも、スタジアムの事業化を改めて実感します。
南東側の仮囲いから、スタジアム全体を。
前回はスタジアムの基礎となるコンクリート製の杭が確認され、杭打ち機が何機も鎮座する光景でした。
工程が非常にシビアであるため、基礎は場所打ち食いではなく、工場で製作された杭基礎を埋め込んでいく方法が取られました。
報道によると着工から2ヶ月で全ての基礎の打ち終わるとのことでしたので、既にスタジアムの基本的な基礎工事は完了しているものと思われます。
重機たちの顔ぶれも杭打機から、地上部工事を行うためのクローラークレーンに変わりました。
空鞘橋から。
広島を象徴する河川、そして基町環境護岸の背後に何本もそびえるクローラークレーンは壮観です。
基町環境護岸へ。
たくさんの方々がお花見に訪れ、賑わいに溢れた空間になっていました。
都市ならではの魅力が注目され、こちらまで嬉しくなります。
なお、この基町環境護岸が隣接するスタジアム西側を含む、中央公園の広場エリアのにぎわいづくりについて、
Park-PFI事業として整備・管理運営者にNTT都市開発を代表企業とする企業グループが選定されました。
NTTは4月7日、NTTファシリティーズのホームページを通じて、
街なかのスタジアムに隣接する新たな賑わいと憩いの場の整備を目指す「ACTIVE COMMUNITY PARK」の概要を公表しました。
【NTTファシリティーズ】:街なかスタジアムに隣接する新たな賑わいと憩いの場「ACTIVE COMMUNITY PARK」創出へ
基町環境護岸に面する公園施設も整備されるようです。
広場エリアの整備は2023年8月に着工し、2024年8月に供用開始を迎える予定とのことです。
北西側から。
桜の季節のみならず、川に面したこの素晴らしいロケーションをいろいろな角度から楽しめるようにして、都市の価値を高めていくことが必要ですね。
本川の対岸から桜とともに眺めるスタジアム
さて、お待たせしました。
本川の右岸に移動し、寺町からスタジアムを眺めます。
都市と自然がこんなにも近くにあるロケーションのスタジアムも珍しいのではないでしょうか。
護岸でピクニックをする人もいれば、川でSUP(スタンドアップパドル)を楽しむ人もあり、見ているだけでも心にゆとりが生まれます。
さらに北上して、横川橋までやってきました。
中区の寺町との境界とは言え、「横川」エリアからこれほど近くに見えるんですね。
丹下健三氏のプランにあった、基町と寺町を結ぶ人道橋が実現していれば、賑わいの面的な広がりの効果は計り知れないほどあると思います。
広島市サッカースタジアムは2023年12月末の完成予定です。
東側の広場エリアも並行して整備を進め、2024年8月の全面開業を見込みます。
都市×河川×桜
以下は、スタジアムは写っていませんが、川沿いの桜並木が織りなす素晴らしい都市景観を。
ひろぎんホールディングス本社ビルはここからでも目立ちますね。
寺町から。
この景観は広島の誇りです。
横川から。