広島駅北口二葉の里地区の元イケア出店予定地で新たな大型開発案件が明らかになりました。
開発を断念したイケアから土地を取得した住友不動産は、
2027年の完成を目指し、高さ約120m、地上34階の複合施設を核として建設します。
ビルは分譲住宅の他、温浴施設やホテルなどと一体となった複合施設となる模様です。
敷地内には合わせて大和ハウスが地上10階のオフィスビルを建設することも明らかになりました。
国有地だった9年前の一般競争入札で、イケアが取得したこの土地。
長らくコインパークのまま出店の実現には至りませんでしたが、新たな事業者の元で計画が再び進み始めます!
コメントで教えていただいた、TOMさん、yjsさん、俗物さん、むーばすさん、ちょっとさん、林檎さん、ありがとうございます。
過去の情報はこちら。
住友不動産が提示した計画内容に関する報道
【中国新聞デジタル】:イケア跡地、マンションや温浴施設の34階ビル計画 広島駅北
【広島テレビ放送】:【独自】イケア出店断念後 用地に温浴施設など備えた複合型高層ビル建設計画
いずれの報道も、30日に開かれた住民説明会を取材したもののようです。
住友不動産はこの件について、「協議中のためコメントできない」としていますので、あくまで現在の報道ベースであり、今後変更される可能性は十分高いものとして見ていきたいところです。
その上で、より詳しい中国新聞の記事を要約すると、
- 住友不動産と大和ハウス工業がそれぞれビルを建設
- 住友不動産が計画する複合施設は地上34階、高さは約120m。
- マンション、温浴施設、レストラン、ホテル、オフィス等で構成。
- 2024年着工、2027年完成予定。
- 大和ハウス工業が計画するオフィスビルは地上10階。
- 1階は飲食店などが入る商業施設となる。
- 2024年着工、2025年完成予定。
図にしました。
(2022年8月、管理人作成)
国有地売却から10年、ようやくまちづくりが動き出す
オフィス、ホテル、レジデンスの複合ビルはこれまでの広島にはない物件ですね。
事業性を考えるとマンション建設は必須だと思っていましたが、思わぬ規模で驚きました。
それもただのマンションではなく、オフィスやホテルといった機能を含む超複合型のタワーになりそうです。
ホテルは4~9階までの6層で200室ということで、どちらかというと宿泊主体のビジネスホテルに近いものを想定しているのでしょうか。
コメントでいただいた内容と重複しますが、施設構成としては、
東京の「有明ガーデン」から劇場やホールを除いて小さくしたような計画に思えます。
広い敷地を贅沢に使いつつ、ノウハウを活かしていただいて、
外部の人も”プチ贅沢”が味わえる空間になればいいなと思います。
オフィス需要やMICEは、南口側やJR西日本広島支社跡地で機能を補えるはずです。
なお、広島市が定めた新幹線口エリアの地区計画で同エリアは
”都心居住等の機能を主体に、広島駅に近接した利便性を生かした業務・商業等の機能が複合した土地利用とする”と定められており、これにど真ん中に合致します。
(広島市 再開発等促進区を定める地区計画)
二葉の里地区は、戦時中の練兵場や旧陸軍の施設、国鉄の宿舎を経て、昨今に至るまで有休国有地でした。
都市再生緊急整備地域に指定された広島駅周辺地区の高度利用を図るため2010年前後で土地区画整理が行われ、売却のため一般競争入札にかけられたのが2013年6月のこと。
来年で10年となるのですね。
イケア出店となるはずが、事業計画の見直しにより結局コインパーキングのまま白紙に。
土地を取得した住友不動産による新たなまちづくりがようやくスタートします。
現状は住民説明を行って、関係各所への調整の時期でしょうから、
焦らず正式発表を待ちたいです。