4月28日、商工センター地区に、新しい大型商業施設「LECT」が開業しました。
「ゆめタウン」などを手がける地場流通大手のイズミが、広島市から取得した西区扇の「海と島の博覧会」跡地に建設したものです。
「知、食、住」をテーマに、”イズミ”と対等な2つのキーテナント“広島T-SITE(蔦屋書店)”、“カインズ広島”
を迎え入れた新しい業態でのオープンです。
混雑をかき分け、行ってきました。
建設中に取材した時の状況です。
全体の外観です。
北側から撮っています。店舗は1階と2階のみですが、店舗面積は3フロア構成の「ゆめタウン広島」とほぼ同じ3万9000平方メートル。
全長がかなり長い施設です。
「ゆめタウン」の名称は使わない新しいコンセプトですから、アドバルーンなんて懐かしいものは使わなくても良かったのではと思います^^;
施設前面の様子。
すべてを駐車場として使うのではなく、このような広場と遊歩道が整備されていました。
順番に。まずはイズミです。
建物中央付近の吹き抜けです。
1階の多くは地区最大規模の1000席を備えるフードコートとなっています。
「知・食・住」というコンセプトを掲げるレクト。
ローカル番組の「E-タウン」によると、飲食に関するお店の割合は42%もあり、20%台が標準の他のゆめタウンに比べ非常に多くなっているそうです。
GWに入ったこともありとんでもない人の数でした。(画像はまだ午前11時頃の様子です)
このフードコートと接するキーテナントが、広島T-SITE。
ついに広島にも「T-SITE」ができましたね。「知・食・住」の知です。
DVDレンタルのTSUTAYAなどを手がけるカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)による独自の商業施設で、
「T-SITE」を名乗るのは代官山、湘南、柏、枚方に次ぐ全国5店舗目です。
ライフスタイル提案をコンセプトとする「蔦屋書店」を中心に、T-SITE内にも飲食や雑貨・衣料品を扱う専門店がおよそ30店入ります。
飲食店の屋外テラスはいい雰囲気ですね。
【公式】:広島T-SITE | 蔦屋書店を中核とした生活提案型商業施設
「Mercedes-Benz × 広島 蔦屋書店 Discover Lifestyle」と題して、メルセデス・ベンツの車の展示も行われていました。
店の入口に当たるプロムナードですが、こういった使い方ができるんですね。
こちらはスターバックスコーヒー等がある別の入口。
吹き抜け空間に適度に緑があって、かなりメチャクチャいい雰囲気ではないですか!
頭上には外側に張り出した施設内の各ブロック間を結ぶブリッジが設けられています。
背後の山の緑を感じられていい景色でした。可能ならここにもベンチを置いてほしいです。
蔦屋書店の様子を少しだけ。
これはスゴイ!
蔦屋ワールド全開の圧巻のディスプレイです。
この吹き抜け本棚が2箇所あることにも驚きました。是非来店してご覧ください。
店内は広島駅前「エキシティ広島」にオープンした“エディオン蔦屋家電”と同じく、
本と雑貨、それにお店が緩やかに融合した落ち着いた雰囲気がライフスタイルを提案してくれる独特の構成。
ソファーに座ってコーヒーと一緒に楽しむことができます。
ファミリー層も意識しており、キッズスペースや子供向けの本のコーナーも充実していました。
来店者に体験してもらうイベントを開くのも、蔦屋家電と同様、大きな特徴です。
【広島T-SITE】:イベント一覧
施設東側一帯を占めるのは、こちらも中国地方初進出となるホームセンターの“カインズ”です。
「知・食・住」の住を担うお店ですね。
既存のホームセンターと比べ、DIYに関するコーナーを充実させ、木材等を加工できるよう店内で専門的な工具も使用することができます。
【LECT】:CAINZ / カインズ
【店舗情報】:カインズ広島LECT店
店に入ります。
こちらはこちらで、吹き抜けは凄いことになっています。
明るく緑あふれる空間です。
カインズ内のカフェ「カフェブリッコ」は安くて美味しいと各地の店舗で有名なのだそうです。
この日は別のベーカリーで済ませてしまったため味わうことはできませんでした。
やはりこれだけの大きさがあるので1日では回りきれません(笑)
ただ言えるのは、これまでの大型商業施設とは明らかに違う場所に仕上がっていることです。
背景にあるのはやはりネット通販の存在です。
「エディオン蔦屋家電」しかり、流通業はこのような時代の中でもわざわざ来店したいと思ってもらう店づくりを探ってきました。
居心地の良さやライフスタイル提案による新たな発見が、その答えなのですね。
すでに飽和状態にある郊外型巨大SCが新たに誕生することに、100%の万歳をすることはできませんが、
このような今までに無かった新しいコンセプトのお店ができたのは面白くて良いと思います。
紙屋町・八丁堀の都心部店舗とこういった郊外型店舗の対峙は当然ありながら、
郊外型店舗同士がお客の取り合いをする構図も見えてくるのではないかと思います。
皮肉なことに、レクトとを結ぶシャトルバスは新井口駅に隣接する大型商業施設「アルパーク」内のバスセンターから発着するそうです。
郊外型も、今後は「普通のショッピングモール」では生き残れない時代になりそうです。
佐伯区石内東団地に来年春、イオンが商業施設をオープンさせることが明らかになっています。
イオンはどう出てくるのでしょう。
郊外VS郊外が激化するとは言え、市街地周辺部にこれほどの数の大型SCが進出するのは明らかに過剰です。
広島市は街づくりの方針を明らかにしながら、これ以上のSC建設には何らかの対応をしていただきたいです。