以前お伝えしているように、先日のゴールデンウィークを利用して、東日本へ行ってきました。
第一の目的地は東京で、既にいくつか記事を更新しております。
もう一つの目的地は東北の杜の都、仙台市です。
仙台市は人口およそ108万人の政令指定都市で、
ブロックの中枢都市として広島と比較的都市規模が近い仙台市は以前からとても興味があり行ってみたいと思っていました。
ということで、どちらかといえばこちらがメインになります。約1日半を過ごしてきました。
JR仙台駅は、言わずもがな宮城県、ひいては東北地方の交通の要衝であり、
1日の利用客数は約18万人に上る巨大ターミナルです。
地下鉄も先に開通した南北線と2015年に開通した東西線が乗り入れ、仙台駅を中心に東西南北を結んでいます。
新幹線駅舎側で、繁華街に面する西口です。仙台といえばこの光景ですね。
西口の大きな特徴は大規模なペデストリアンデッキです。
超高層のオフィスビルやパルコなどの商業施設が2階レベルで繋がっています。
岡山駅などではタクシーが2階に乗り入れていますが、完全に車と歩行者は分離された状態です。
それにしても、駅前広場の広さに驚かされます。札幌も博多も…。他所が広いのではなく広島が狭いのでしょうね…。北には山が迫り、南には川が横切る。都市の構造として仕方ありません。
繁華街に隣接する仙台駅。
西口にはLOFTを始め商業施設やオフィスが集まります。別記事でまたご紹介します。
さて、西口ペデストリアンデッキから駅舎内に入りました!
自由通路にも見えますが、ここは新幹線高架橋の下部。天井高が高く巨大なコンコースが広がっています。
天井の木目で格子状の化粧板が圧巻ですが、最近リニューアルしてこの姿になったようですね。
広場内では、店がなくてもこうしたシーズンを狙って物産展を開催することができます。
柔軟に活用でき賑わいも生まれるのでこういったものはいいですね。
先程のコンコースの端から、東口に抜けられる東西自由通路へ。
仙台駅東西自由通路 「杜の陽だまりガレリア」
これが見たかった!
仙台駅東西自由通路は、JR仙台駅の東西を連絡する通路です。1978年から供用されています。
利用客の増加と老朽化により2013年から拡幅工事が行われ、
2016年3月に、幅16m・長さ120mの新しい通路が開業しました。
通路は公募により「杜の陽だまりガレリア」と名付けられており、仙台駅の新たな賑わいスポットとなっています。
通路の両側には仙台駅の商業施設「S-PAL(エスパル)東館」がオープンしており、
「ガレリア」の名の付くとおり、自由通路上空の連絡通路で回遊性を高めているのが特徴です。
天井はガラス張りになっており、自然光がふんだんに降り注ぎます。
在来線改札口への通路。
繁華街の西口利用者は、先程の新幹線駅舎下コンコースに面する「中央口改札」を通るのでしょうが、
東口方面にはこちらの「東口改札」がメインの改札口になります。
「S-PAL東館」4階から見下ろしてみました。
なんという明るさ…。開放感、商業集積が素晴らしいです。
この空中通路「ガレリア」を見ると、広島人なら大型商業施設「アルパーク」を連想してしまいますね。
東口に行く前に、屋上広場があるというので登ってみました。
ここに写っている範囲が全てで、それほど広くありません。
眺めもそんなに良いわけではなかったですが、晴れていればちょっと休憩するには気持ちのいいスペースでした。
東西自由通路から東口に出てみました。
東口にもここに写っているようなペデストリアンデッキが広がっています。
西口もそうでしたが、基本的に上屋はありません。
サイン類。
東口には「S-PAL東館」と一体化した、地上14階建て・282室の「ホテルメトロポリタン仙台イースト」が、2017年6月に開業しています。
白を貴重とした綺麗な外観です。
自由通路、商業施設、駅ビル、ホテル、ペデストリアンデッキという構成は、これからゴッソリ作り替えられる広島駅南口に近いものがありますね。
「ホテルメトロポリタン仙台イースト」の北側に空き地が確認できます。
かつてライブハウスの「Zepp仙台」があった場所です。2012年に閉館し現在では更地になっています。
こんな駅前というか、駅に隣接した場所にあったんですね。
跡地ではJR東日本がオフィスビルを建設するようです。
【JR東日本仙台支社】:仙台駅東口開発におけるオフィスビルの建設着手について
【(仮称)仙台駅東口オフィス】
高さ約60m、地上13階・地下1階
敷地面積:約29,000平方メートル
延床面積:約25,600平方メートル
着工:2019年2月
開業予定:2021年度冬
仙台市のオフィス空室率は5%程度だそうです。一般的に見れば低くオフィス不足に差し掛かろうかという水準であり、それに応えるようにこうした大型物件が定期的に浮上するところに超「支店経済都市」の勢いを感じます。
東口駅前広場越しに見る、仙台駅です。
オフィスビルはこのホテル棟とほぼ同じ高さになる予定です。
繁華街とは反対の東口の変化は今後も続きそうですね。
生まれ変わった仙台駅には圧倒されまくりでした。
広島駅2017年に南北自由通路が開業し大きく生まれ変わりましたが、
大きく違うと思ったのは多重に用意された動線と、それによりもたらされる回遊性です。
良く言えば広島駅のほうが「線」で構成されており分かりやすい。
その反面、人々の動線はほとんど自由通路や新幹線改札付近に集中し賑わいに偏りを感じることもあります。
仙台駅はまさに大型商業施設の中に駅の改札がある感覚で、多面的に賑わいが広がっているのが印象的でした。
”展示場”の機能も持った新幹線コンコースも良かったです。
こうした仕掛けはぜひ広島駅南口開発でも見習いたいですね。
駅ビルが建て替えられ、人々が集中する自由通路と路面電車のりばが直結されれば、そこを中心として
今の分かりやすさを保持したまま、面的に賑わいを拡散できる気がしています。
そういったことも考えながら巡った仙台駅は本当に面白かったです。