広島高速5号線は、高速1号と2号が接続する東区温品の「温品ジャンクション」から、広島駅北口の二葉の里地区を結ぶ約4.0kmの都市高速道路で、
開通すれば、広島高速1号を介して広島駅と山陽自動車道が専用道路で繋がり、
空港リムジンバスをはじめ、広域アクセスの利便性が大きく向上することが期待されています。
1.8kmがトンネル区間となっており、中山地区側から0.4kmは山岳トンネルでは一般的な「NATM工法」が用いられますが、
広島駅側から1.4kmはトンネル直上への住宅の地盤沈下防止のため、都市部などで採用される「シールド工法」が用いられます。
2021年3月の完成を目指していましたが、掘削中のシールドマシンが破損する事故があり、開通は遅れる見込みです。
【広島高速道路公社】:広島高速5号線及び関連道路路線図
前回の状況です。
ツイッターで告知をしておりましたが、
11月3日、シールドトンネル掘削の工事現場見学会が行われました。
トンネル掘削の現場、ましてやシールドマシンを間近で見ることができる貴重な機会です。
トンネル見学会は定期的に行われており、ちょうど1年前にも参加していました。
そこからどのくらい変わったのか、再び参加して見てきたのでレポートします!
広島駅北口地区
いわゆる「エキキタ」。イズミ本社ビルやオフィス・ホテル複合の「グラノード広島」などが面する、駅西高架橋北詰交差点から。
ランプ部分は随分前に造成されました。
画像の奥にトンネルの抗口が見えていますが、あそこにこれから足を踏み入れます!
本線の横を進みます。
トンネル手前の区間はこのように高架橋です。
左手の二葉山の麓にある現場事務所で受付を済ませます。
係員の方の説明を聞きながら現場の階段を登り、トンネルと同じ高さまでやってきました。
この時点でかなりの興奮度!
近くで見ると断面の大きさに驚かされます。
マシンの直径は約13mあります。
地山を最初に掘り始める際に、反力を確保するためにここに大きなストッパーがありましたが、
掘削の進捗によりセグメント自体の重さで反力が必要なくなったため、つい先日撤去されたそうです。
おかげでこのように大きな抗口を目の当たりにすることができました。
トンネル内部へ
いよいよトンネル内部に足を踏み入れます!!
入口付近で見れたのは、円筒のトンネルを形作る「セグメント」と呼ばれるコンクリートのピースです。
セグメント一つあたりの長さは、曲線区間で1.1m、直線区間で1.7mで、画像は曲線部分のセグメントです。
少し進みました。
はっきりとトンネルを進んでいると分かるまでになっています。
見えている設備はシールドマシンとともに進む、電気設備と掘削岩石の破砕装置です。
先程書いたとおり現在は曲線区間です。
図面で見るとあまり実感がありませんが、こうして内部に立ってみるとカーブしているのがよく分かりますね。
シールドマシンに最も近づける場所まで進んできました。
この光景は2度目ですが、それでも感動します。
2枚目のように少し斜めから見ると「円筒」であることがよく分かると思います。
現在トンネルは、約140mまで掘り進めたそうです。シールドトンネル区間は1.4kmなのでちょうど1/10ですね。
現状は1日で2セグメントリング分進む工程ですが、もう少し掘り進めると周辺への騒音や振動の影響が無くなるため、夜間も掘削が可能になりペースが上がるとのことです。
トンネルの底の部分には、これから設置されるセグメントが置かれています。
円筒のちょうど中央あたりに立っているので、あの底は6m下ということになります。
これが凄い不思議な感覚です。
茶色の「エレクター」と呼ばれる器具がセグメントを持ち上げ、必要な場所まで回転してセグメントを設置します。
奥には青いシールドジャッキが確認できます。
構築してきたセグメントを足がかりに、このジャッキで前進します。
最新の土木テクノロジーを間近に見ることができ、感動しました。
さて、折り返して出口を目指します。
トンネル出口にかけての光景はかなりワクワクするものがありますね。
2枚目の画像の赤白のブロックがある辺りが料金所になります。
料金所を過ぎるとビルが立ち並ぶ大都会に降りていく感覚は、高速4号西風トンネル以上のものがありそうですね。
とてもいい機会でした。
高速5号に関しては発注ミスやシールドマシンの損傷などマイナスの出来事も起きていますが、
この路線が「必要か、必要でないか」でいうと間違いなく必要なものだと思っていますので、
これからは今以上に透明感をもって確実に事業を進めていただきたいですね。
開通は2021年3月を目指しますが、掘削中のシールドマシンが破損する事故があり、開通は遅れる見込みです。