広島高速5号線は、高速1号と2号が接続する東区温品の「温品ジャンクション」から、広島駅北口の二葉の里地区を結ぶ約4.0kmの都市高速道路です。
開通すれば、広島高速1号を介して広島駅と山陽自動車道が専用道路で繋がり、
空港リムジンバスをはじめ、広域アクセスの利便性が大きく向上することが期待されています。
【広島高速道路公社】:広島高速5号線及び関連道路路線図
この高速5号線については、昨年末の今年1年間、様々なニュースがありました。
年末ですし、簡単な振り返りと、
今年9月に打ち出された「高速2号と5号の接続計画の復活」に関して、
現地を見てきたのでご紹介します。
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シールドマシンの破損で迎えた2019年
高速5号線は全長約4kmで、そのうち1.8kmは二葉山を貫くトンネルで整備します。
さらにそのうち1.4kmは地盤沈下対策として地下水位低下を最も抑えられるシールド工法が採用され、
2018年8月頃から掘削工事が始まりました。
ところが、およそ75mを掘り進めた2018年12月、
掘削機の前方で地山を砕くカッターが破損していることが分かり工事が中断しました。
その後、原因究明と復旧作業が行われ、工事が再開されたのは2019年5月。
開通予定も当初の2020年度から2022年度に変更されています。
シールドマシンの破損の前から、道路公社の工事の契約金額に関する不備が指摘されており、
それについても今年進展がありました。
当初の契約の中に、トンネルの主要部材が含まれておらず、金額増額の措置が必要であることが発覚しました。
この増額単体で、事業費が87億2千万円増える他、
この後紹介する高速2号と5号の接続のための費用や人件費・資材価格の高騰も踏まえ、
高速5号線の全体事業費は当初の1.3倍となる1,471億円に膨れました。
【中国新聞】:広島高速5号347億円増 総事業費、2号連結・二葉山で
高速道路公社は広島県と広島市が50%ずつ出資して作る組織であり、
今年は議会でたびたび質問・追求がなされたため、高速5号が報道される機会も多くなりました。
最終的に、両議会で金額変更は可決され工事は進む事にはなりました。
【中国新聞】:二葉山トンネル増額決定 変更案、広島県議会も可決
なお、今日の中国新聞で報じられた記事によると、
広島高速道路公社の理事長は、責任を取り31日付で辞任されるとのことです。
【中国新聞】:広島高速理事長「けじめつける」
なんとも後味の悪い結果ですね。
トンネル問題もあり注目度の高い事業です。
私を含めこの道路に期待する市民県民は多いと思いますが、それを背景に完全究明が蔑ろになっているとしたら問題です。
開通までの円滑な進捗、そして将来開通後の未事業化路線への検討着手のためにも、信頼回復していかなくてはなりません。
理事長もけじめをつけられたとのことなので、今後は透明性確保を徹底し、再発防止に努めてほしいです。
高速2号と高速5号の連結 整備へ
先程も書いたように、需要見込み増と、少しでも整備効果を高め事業性を担保するため、
凍結されていた高速2号と5号の接続路の整備が行われる事になりました。
個人的には、これが今急いで整備すべきものなのか、疑問に思っています。
詳しくは以前のこちらの記事で書いています。
条件を挙げるとすれば、広島呉道路(クレアライン)を広島高速道路に組み入れ、上限料金を設定することです。
(国が管轄する呉道路の組み入れが現実的でないなら、上限料金だけでも…)
高速2号方面から高速5号の終点である広島駅に向かうには、
手前の大州ICで降りた方が距離が短く
料金も安いのです。(仁保JCTを基準)
大州通りの混雑を避けてなにがなんでも定時性を確保するためにしか、利用のメリットがありません。デルタ内の移動ならそもそも高速は使わず一般道利用でしょうし。
もし、広島呉道路と広島高速の料金が統合され上限料金が設定されれば、
呉・広から広島駅までアクセスするのに大州で降りても5号を経由して駅北で降りても料金が変わらない状態となり、定時性が見込める5号利用が促進されます。
【呉市】:クレアライン(広島呉道路)4車線化が新規事業として決まりました!
2020年度中に広島呉道路⇔広島高速の乗り継ぎ割引が開始されることも明らかになっていますが、将来の高速5号の利用の後押しにはまだ弱く、大州までと5号駅北までの料金を近づけてあげなければあまり意味はありません。
■呉から広島駅までアクセスする普通車の場合
・大州まで:940円(クレアラインの料金)+360円-150円(割引)=1,150円
・5号を経由し駅北まで:940円(クレアラインの料金)+720円-150円(割引)=1,510円
広島高速道路料金(広島高速道路公社より)
今後検討されることを願いたいです。
かなり前置きが長くなりましたが、その2号と5号の接続路が取り付く場所を見てきた画像があるのでご紹介します。
その他、現地レポートはこちら。
今回の記事の写真は、上記のリンクの温品・中山地区を撮影した時に、合わせて撮影したものですので、10月に撮影した画像になります。
温品ジャンクション側から、高速2号府中・仁保方面を望む。
もうまもなく進むと矢賀ICがあります。
その手前で、この画像の様な幅員が大きく変わる「イカの耳」となっている部分が、
将来完全なジャンクション構造にするために準備されたものです。
振り返って、温品ジャンクション方面を。
本線は、右手の高速1号方面に向けてカーブしていきます。
鋼製の橋脚は新しく橋桁を架けられるよう、継ぎ足しができる構造になっているのが分かります。
ジャンクションは、ここで高速1・2・5号を連結させるだけではなく、
下のイメージ図のように左上(北西)方面に伸びる広島市の都市計画道路「中筋温品線」との連結も想定しているため、かなり複雑な構造になります。
「中筋温品線」は中筋側では短い区間で供用開始していたりしますが、全線開通の目処はまだ立っていないので、「イカの耳」は2号と5号を繋いだ後にもまだ残りそうです。
2号と1号の接続部分から、府中・仁保方面を振り返ります。
現状でも2本に別れた本線が頭上をカーブしながら通過しており、迫力はなかなかのものです。
今度は、計画される2号から5号の接続路が通る地点に移動しました。
途中までは既存の橋脚を拡張して使用しますが、3枚目の画像あたりから先は新たに橋脚を立てる必要があります。
接続路は、マンションとパチンコ横の用地を進み高速5号線の本線につながっていきます。
以上、接続路が整備される予定の箇所の事前レポートでした。
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5号と2号の接続よりも、海田大橋(東広島バイパス)とクレアラインを繋げるべき!
広島は、都市高速が後から計画されたので、高速道路が統一されていないのでしょう。
他大都市では、初期段階から都市高速として建設が進められていて、
山陽道一部、西広島バイパス・広島岩国道路、広島呉道路、広島道は都市高速に相当します。
具体的には、
山陽道廿日市JCT~西条IC(広島高速6号)、西広島バイパス・広島岩国道路(広島高速7号)
広島呉道路(広島高速8号)、広島道(広島高速9号)といったようになり、
これらが統一料金なので、高速料も割安となっていて、利用しやすいのです。
都市高速に編入した道路としては、温品バイパスがあり、これが広島高速1号になっており、
今後、このような都市高速の統一が進められると、利用が促進されるのではないでしょうか。
社会系様
長年広島を離れていて、帰省した時に、温品バイパスが都市高速道路になっていたことは衝撃的でした。
広島呉道路(クレアライン)の都市高速への移管については、帰省する時には必ず利用しており常々私も思っていました。
クレアラインは片側1車線から2車線への拡幅工事が決定しているので、現時点での移管は無理かもしれませんが、都市高速との乗継割引料金にての対応や、将来的には移管も視野に検討していただきたいと思います。
広島道は都市高速4号線の延長と考える方が自然かも?です。
西広島バイパスや東広島・安芸バイパスの都市高速への移管の件については、有料化となると思うと微妙な感じがします。
これからの都市高速及びバイパス等の自動車専用道路の整備は広島広域都市圏の最重要課題であり、利用者ファーストで対応していただきたいと願っています。
大州まで:940円(クレアラインの料金)+360円-150円(割引)=1,100円
とありますが、1,150円ですよ。
ご指摘ありがとうございます。
そのとおりですね。修正いたしました。
呉方面から広島駅方面へのアクセスが向上します。
しかし、実際に呉~広島駅を車で利用する人は多いのでしょうか?
それならなぜJR呉線の利用を促進しないのか。
甚だ疑問です。
呉線を促進させたいならば、先に複線化でしょうね。
せめて広島呉間でも。
現状、走らせる本数に限界が有り、乗客を増やしたいならばダイヤの増便化が必要でしょう。
車両を増やすだけでも乗客は増えますよ。
3両編成をもう3両繋ぐだけでも単純に2倍の乗客数が見込めます。
そもそも2号線接続はバス会社の要望ではないかと思います。
広島駅~中広~観音の西側の南北のルートをいち早く確立させないと・・・
物理的に2号と5号を接続しないと、料金云々以前の話ですので、接続に賛成。
というか、本来通行可能でないとむしろ道路としておかしい。
トンネル等の問題があったので、費用に関しては正直やっぱりという感じですね。しかし、正直なところ空港に行くのに便利になるので嬉しいです。
しかし、2号線との接続は必要かと言われると、非常に疑問ですね。
付近に住む者にとって、特に私のようにイオンモールの近くに住む者にとっては、二葉山トンネルを通って広島駅北側に行く、あるいはその逆は結構利用価値はあります。と言いますのも、高速2号の府中、大州出口を出て広島駅方面に行くには曙通りを通る事になりますが、この曙通りは、朝夕は広島駅方面が、夕方は府中方面行きが結構混みます。24日夜は府中のKFCでチキンを購入する車で1車線が塞がって、もう広島駅北口のゆめマート辺りから府中方面は渋滞でした。大渋滞と言っても良いでしょう。しかもそれは決して珍しいことではありません。いったいリムジンバスはどうしたのかと気になります。ですので、早期開通を望みますね。
先程のコメントで、大州出口から広島駅方面は曙通りと書きましたが、その場合は大州通りですね。間違えました。しかし、大州通りもやはり西蟹屋交差点辺りは混みますし、右折して荒神陸橋に向かう車線は割と終日混んでるのでは?夕方は高速2号大州出口は「混雑」となっていることも多いですし、カープの試合のある日は私は遠回りをしてでも大州通りには近づかない事にしてます。
オリンピック特需や資材・人件費の高騰
都市高速は10年前に完成して欲しかった
広島高速2号と広島高速5号の接続で効果を発揮するのは、
宇品の花火大会の時のシャトルバスかもしれませんね
ただ、花火大会のためだけに5号と2号を繋げるのは
経済効果からいうと無駄で済んでしまいますが(笑)
クレアラインの高速バスで
広島駅行きが新設されるかもしれませんね
普通列車との比較ならJRとも勝負できますから
単純に2号と5号の接続は必要だと思いますよ。
大州ランプがあるからいらない…それで後悔してきたのが広島な気がします。本当に先を見据えてではなく、目先のことだけで物申すのが何事も中途半端になる原因だと思います。
大州ランプから広島駅方面、拡幅も困難な片側一車線な道がズムスタ近くまで続くのですが、それでも要らないですか?広島駅北口直結の道は必要です。呉だけじゃなくて海田・瀬野・西条方面も考えたら尚更。
それと、トンネルは掘らないと分からないところもあるので、時期が悪すぎたとしか言えません。
若い頃から思っているのですが広島駅北口から府中町を突抜け海田町へのトンネルを利用した道路を何故作らないのか?この道路はかなり広島の経済に寄与すると思うが。府中町海田町共に広島市編入を拒んできたからか?
正確には合併を拒んだせいで合併特例債等の財源を失い、計画が全てオジャンになったと言うべきでしょう。
JRの連続立体交差も、県道151号の4車線区間を延長して海田町に抜ける道路計画も存在はしましたが、全て台無しになってしまいました。
両町の尻拭いのための巨額の財源を広島市民が全額負担すれば作れるでしょうが、果たして広島市民の理解を得られるでしょうか?
特に府中町は、周り全部が広島市なので合併すべきだと思います。
鯉党さんが2号と5号の接続には今の段階では効果ないとお思いとはびっくりです。
本来都市高速道路はネットワークが完成して初めて真の効果を発揮するものでしょう。blkさんの仰る通り2号と5号は接続しない方が物理的にも効率的にも不自然で接続は当然のことと思います・・・
将来的には都市高速を利用した広島駅から宇品港への直通特急リムジンバス等により定時制が確保され、より定時性や快適性を求める層の為には必須の路線だと思います。新幹線利用で広島駅から松山へ渡るビジネスマンにも恩恵を被る路線となります。将来的に宇品や出島に大型のテーマパークなどが出来ればなおさら直通リムジンバスは大盛況となるでしょう。