いきなりですがコメントで牛蛙さんにこんな記事を教えていただきました。ありがとうございます。
【朝日新聞デジタル】:33.路面電車の電停、間隔が短すぎる? (以下一部転載)
東京からヒロシマ国にきて1年足らず。街の中を走る路面電車が楽しくてよく利用するが、いつも気になるのが「電停の間隔が短すぎるのでは?」。特に市中心部の八丁堀付近。胡町―八丁堀の電停が1ブロックしか離れておらず、電車同士が「渋滞」していることもある。広島の人たちは気にならないの?
私がせっかちなのか。県外出身のほかの記者たちに聞くと、「確かに銀山町から紙屋町まで、駅の数が多いなあ」「歩いた方が速いかも」と同意してくれた。
広島電鉄によると、本線(広島駅~広電西広島)で電停間の距離が最も短いのは胡町―八丁堀の123メートル。次いで広島駅―猿猴橋町の196メートル、土橋―小網町の197メートルと続く。
胡町―八丁堀はどうしてこんなに短いの? 広電の担当者に尋ねると、大正7(1918)年当時の路線図を見せてくれた。八丁堀から北に延びる白島線はかつて一本西の通りにあり、八丁堀電停は今よりも西側にあった。
「推測ですが、中心部の銀山町、胡町、八丁堀間の間隔が均等になるように作ったのでは」
たしかに当時の地図では、中心部の3駅間はほぼ均等に見える。白島線は原爆で壊滅し、1952年に再建した際、東側にずらした。そのとき、八丁堀電停も東に移動。八丁堀と紙屋町間が遠くなったため、新たに立町電停が作られたと考えられるという。
でも、やっぱり駅は近いと思う。広電の担当者は「短いと思う人もいるかもしれないが、行き先に合わせて利用していただいていると思っている」と説明する。広島の人たちは満足しているのか。
街で聞いてみた。
中区の会社員女性(35)は「普通は歩く距離だけど、広島の人は歩く感覚で路面電車を使っていると思う。雨が降ると特に利用する人は多い」と話す。急ぐときはバス、と使い分けるという。さらに「距離が短いと思うのは県外から来た人じゃないですか」と記者の感覚も一蹴された。
農業を営む安芸区の男性(83)も「確かに間隔は短いけど不便を感じたことはないよ」。なんでそんなことを聞くのかと、逆に困惑した表情。路面電車は料金がほぼ均一で、バスより分かりやすいのもいいという。
全国路面電車ネットワーク運営委員長の岡将男さん(59)=岡山市北区=によると、大正元(1912)年に広島市に路面電車ができたころは、まだバスがなく、路面電車が唯一の公共交通機関だった。車内からウインドーショッピングのような感覚で街を眺め、「ちょっとあそこに寄ろう」と気軽に乗り降りするものだった。
その感覚が今も受け継がれているという。「路面電車は動く歩道代わりなんです」。街の人の意見を裏付ける話だった。
ちなみに駅間が短いのは広電に限らないこともわかった。日本で一番電停間の距離が短いのは高知県の土佐電鉄、清和学園前―一条橋の63メートル。ほかにも熊本市交通局の二本木口―田崎橋は126メートル、長崎電気軌道の千歳町―昭和町通りは約140メートル。路面電車は各地で街を歩く感覚で使われているのかもしれない。
(ここまで)
よくぞ、よくぞ問題提起していただきました。
まさに私がひと月ほど前に書いたこの記事と同じ点を指摘されています。
広電のLRT化に向けて 胡町・八丁堀電停統合の提案
東京から広島に来て、この電停間隔の短さ、所要時間の長さに疑問を持たれているようです。
やはり誰がどう見てもあれは短すぎるということですね。
元々白島線は現在の白島通りではなく一本西側の通りを走っていたということは知りませんでした。
今より東側にあった八丁堀、胡町、銀山町がほぼ等間隔に並んでいたものを、
戦後1952年に白島線の移設とともに八丁堀電停も移設され間隔が広くなってしまった八丁堀と紙屋町の間を補完するように立町電停が設置され今の形になったとのこと。
つまり、広島駅~紙屋町間は戦前に比べて電停が一つ増えているということになります。
当時から広島の人口は3倍近くまで増加しています。
代わりとなる新しい交通が広島駅紙屋町間でできたわけではありませんから、
この電停のは位置は明らかに時代にそぐわないものになっています。
ところがこの記事を読んで一番残念に感じたのは、我が地元広島市民の意見ですね。
「確かに間隔は短いけど不便を感じたことはないよ」
「距離が短いと思うのは県外から来た人じゃないですか」
「車内からウインドーショッピングのような感覚で街を眺め…」
「路面電車は動く歩道代わりなんです」
もちろんこう思う方しかいないとは思いませんが、もうすぐ120万都市の広島に相応しくない交通体系にあまり不満を持っていない市民が多い事にショックを受けました。。
軌道系交通がありながら「急ぐときはバス、と使い分ける」
この文章には、これが本当に30年以上前から政令指定都市の交通事情かと情けなくなると同時に、
市民がこう感じていているようでは発展に繋がらないなという危機感も感じました。
専用の通り道があり安定的な大量輸送が可能な路面電車と、自家用車と路線を共用し道路とバス停があれば自由に路線を設定できる(法律・認可等の問題はあれど)路線バス。
本来どちらが速達性の確保するのに適しているでしょうか。明らかです。専用の軌道を走るトラムです。(路面電車とはあえて言いません。)
断っておくと、不満を持たない市民が悪いと言っているのではなくて、
「広電は動く歩道代わり」という認識が定着してしまうほど長い間スピードアップできなかった行政や広電は反省しないといけないということです。
先月広電のLRT化に向けてという記事を書きまして、「シリーズ化してほしい」というありがたいコメントをいただきました。
電停の間隔以外にも改善すべき点はまだまだありますので、これからも色々提案して皆様と意見交換をしていきたいと思います。
せっかく日本一のLRV(=車両)が広島にはあるのですから。