カープの本拠地「マツダスタジアム」は、2009年の開業当時から
JR広島駅とを結ぶ歩行者デッキ(ペデストリアンデッキ)の建設が検討されてきました。
ペデストリアンデッキは広島駅からJR山陽線の線路に沿って西に伸びる、通称「カープロード」に検討されています。
長らく着手できずにいましたが、ついに一部で工事が始まったという情報を得たので、現地に行ってみました。
前回の状況です。
2016年10月時点で報じられていた情報は以下の通りです。
- 赤:Cブロック再開発施設内デッキ(2016年内完成)
- 青:Cブロック~愛宕踏切渡線橋間連絡橋(2017年度着工→遅れ)
- 黄:愛宕踏切渡線橋(既設)
- 緑:愛宕踏切並行部高架橋(2018年度着工)
- 灰:愛宕踏切東側~スタジアム(未定・縮小検討)
「エディオン蔦屋家電」などが入るCブロック再開発の「エキシティ広島」内のデッキから、マツダスタジアム方面を。
将来、広島駅~マツダスタジアム方面への立体的な歩行者動線を確保することを見越し、
「エキシティ広島」の2階にはこうした歩行者用デッキが設けられています。
最も東側に当たる終端部と、その先の状況です。
ようやく、この「エキシティ広島」⇔「愛宕跨線橋」を接続する工事が始まっていました。
Twitterでも教えていただいておりました。ありがとうございます。
踏切側から、エキシティ方面を振り返ります。
跨線橋への階段の手すりが取り払われていますね。
当然この階段は使用できず、エレベーターでのみ跨線橋に上がれるようになっています。
現地の看板です。
平面図とイメージ図が載っていました。「カープロード」らしく赤いラインが入るのですね。
工事範囲はこのエキシティ終端部から、跨線橋の桁に繋がる部分までです。階段部分までではありません。
踏切上空を東西に横切るには階段部分では高さが足らないのですね。
少し球場方面に登りの傾斜がついたデッキになりそうです。
これで工事費は約3.9億円。1~2億円程度かと想像していましたが、案外高いですね…。
北口のように上屋を設置するわけでもないのに、何がそんなに高いのでしょう。
エレベーターから、跨線橋に上ってみました。
この通り階段は使用できません。
この跨線橋から踏切を越えてマツダスタジアム方面は、当初2018年度着工と報じられていましたが、
17年度着工とされていたものが今着工したので、こちらも遅れると考えておいたほうがいいでしょう。
踏切を越えた後から球場までの区間については、線路内の旧宇品線線路跡をJRに提供してもらいペデストリアンデッキを整備する構想でしたが、
予算的な面と沿道の賑わいを踏まえ、縮小される方向で再検討されています。
目的は歩車分離による安全の確保(と自動車の円滑な走行)にあるはずなので、
どちらになるにしても、できるだけ早くこのポールが立っただけの歩行環境は改善してほしいです。
まず、今回の工事である「エキシティ広島」と「愛宕跨線橋」を接続する工事は、2019年3月の完了予定です。
とはいえ、”大元”である広島駅とこのデッキが接続しなければほとんど利用者はいないと思われます。
広島駅ビルは2024年度、広島電鉄路面電車の高架乗り入れなどと合わせ、建て替えられる予定になっています。
少なくともそれまでは、デッキと広島駅が直結することはありません。
さて、カープロード周辺でいろいろ変化が起きているようなので、少し足を伸ばしてみました。
荒神陸橋のあるあけぼの通りと大州通りが交わる「荒神交差点」北側の角です。
以前駐車場だった敷地が更地になっています。
看板等は掲示されておらず詳細は不明です。
こちらは同じブロックでニッポンレンタカーを挟んだ西側の角の敷地です。
現地看板によると、5階建ての飲食ビルが2019年6月に完成予定とのことです。
その敷地から路地を挟んだ西側の様子です。
昨年10月、「ふるさと」という5階建の焼肉専門店がオープンしました。
その隣で、2棟の建物の新築工事が始まるようです。
1つ目(向かって左)は、これもまたほぼ同規模の5階建ての飲食ビルで、2019年5月完成予定。
2つ目(向かって右)は、8階建て店舗付き賃貸マンションで、2019年8月完成予定となっていました。
Cブロック「エキシティ広島」とBブロック「ビッグフロント広島」に挟まれた街区では、
昨年、既存ビルを大幅改修して居酒屋などが入るビルとして開業していますね。
B・Cブロックに隣接し、国の都市再生緊急整備地域にも指定されたエリアなので、新たな市街地再開発を期待するエリアでしたが、
個別にこうした開発が進むということは地権者にそういった意思はなかったということでしょうね。確かに、マツダスタジアムができて人通りは一気に増えたので、再開発に頼らなくとも商売できる環境になりつつあります。
「愛友市場」が賑わっていた頃の老朽化した建物はまだ残っています。
今後もこうした案件は出てきそうです。