国土交通省(赤羽国土交通大臣)は、広島市中心部を東西に貫く国道2号線「西広島バイパス」について、
2020年度にも未整備となっている都心部区間の延伸事業を再開させる方針を明らかにしました。
広島市の財政難を理由に凍結されていましたが、2016年から事業再開に向けて改めて検証が行われし、松井市長が大臣に要望を行いました。
現在の基準での費用対効果(B/C)は、「1.1」となり、目安の1を上回ります。
中心部の混雑の解消に大きな期待が持たれます。
【中国新聞】:西広島バイパス延伸20年度再開へ
【広島市】:西広島バイパス都心部延伸事業整備効果検討会
現状を改めて確認すると上記の図になります。
本来、中区平野町までの計画となっている西広島バイパスは、現在舟入までの整備にとどまっています。
再開される延伸事業は、本来の計画通り平野町までの約2.3㎞を高架橋で整備するものです。
西広島バイパスの現状は、特に都心方面に流入する上り方向で、
庚午出口や舟入出口に交通が集中して日常的に渋滞が発生しています。
平野町まで延伸されれば、出口がそれぞれ分散されるので、そうした渋滞が大きく改善されることになります。
また、現状では舟入で乗り降りするために平面部分を走行している車両が高架橋に移るので、
沿線の大気・騒音等の環境改善も期待される事業です。
都心デルタの中心をまっすぐ東西に貫く路線であり、
高架橋による交通分散の効果は言わずもがな。事業再開は大いに歓迎したいです。
ただ、国と市はこの一方で、もう一つのバイパス「広島南道路」の整備も続けています。
【国土交通省 広島国道事務所】:広島南道路
広島南道路は、都心部では暫定2車線ながら吉島以西は整備済み。(吉島~出島間の橋梁が未整備)
商工センターも高規格の道路が続きますが、終点の廿日市ICに接続する部分は、用地買収もまだで開通は見通せません。
一方の「西広島バイパス」も、平野町以東は平面(現状のまま)で、予定される高架部も”完成”2車線です。(4車線化される予定なし)
- 都心を出入りする「放射道路」がR2バイパスとその以東。(新広島バイパスとも呼びます)
- 都心に流入させたくない通過交通を捌く「環状道路」が広島南道路
位置づけはこのようであるはずですが、実施主体も国だったり県だったり市だったりとバラバラで、
南道路は上記の通り未整備区間も残ります。「環状道路」として見るなら整備状況はまだまだです。
どうもチグハグ感が否めませんが、費用や用地取得の問題などありますので、こうして地道に進めていくしかないのでしょうね。
開通時期はまだ未定のようですが、建設が始まれば追いかけて行きたいです。