広島市中心部、都市再生緊急整備地域にも指定されている「紙屋町・八丁堀地区」で、
パブリックスペースを中心としたにぎわいづくりの社会実験が始まります。
地元商店や大学生、行政も入った官民で作る「紙屋町八丁堀公共空間活用社会実験実行委員」が主催する
#カミハチキテル -URBAN TRANSIT BAY-
のプロジェクトが公表されました。
一番の目玉は、広島の目抜き通りである相生通りのバスベイを利用した「パークレット」。
歩道上にベンチや植栽、駐輪場などのパブリックスペースを設けるもので、全長は約53Mとなり国内最大規模となるようです。
【FAAVO広島】:都心のパブリックスペースをひとの居場所に改造する!カミハチプロジェクト!
今回の社会実験では、紙屋町と八丁堀のちょうど中間地点にあたる立町電停付近の3タイプの公共空間にウッドデッキやコンテナ店舗、キッチンカー、アクティビティスペースなどを1か月間設置。
オフィスワーカーや買い物客が集まり、憩うことができる滞留空間を設けることで、来街者の行動特性にどのような変化が生じるかを検証します。
大学生チームが中心となって調査を行い、結果はこれからのビジョンのブラッシュアップや行政施策に反映されることを期待しています。
(中略)
社会実験の実施エリアは以下の3エリア。タイプの異なる公共空間でそれぞれの使いこなし方を提案します。
【Aエリア】八丁堀バス停(東急ハンズ前)バスベイ+トラックベイ+タクシーベイ
【Bエリア】スタートラム広島敷地内の一部スペース
【Cエリア】リパーク広島基町駐車場の一部スペース
3エリアの中でも八丁堀バス停(東急ハンズ前)のバスベイを転用したパークレットは国内最大クラスの全長53メートル。大きなスケールのパブリックプレイスが都心に出現します。
(中略)
社会実験名称は「#カミハチキテル -URBAN TRANSIT BAY-」。
紙屋町・八丁堀地区を一体的に表現したカミハチ。そして、そのカミハチに「来てる(もうそこに居る)」し、カミハチって「キテルよね(いい感じだよね)」という意味を込めてネーミングしました。
また、空間としての意図を補足するため、URBAN (都市で)TRANSIT(ひとびとが気持ちやアクティビティを切り替える) BAY(バスベイ・トラックベイ・タクシーベイ)を添えています。
(画像・文章は上記サイトより一部使用)
都心パブリックスペース ”ヒト”による賑わい創出に期待
この大胆なプロジェクトには驚きました!
今回設けられる「パークレット」は、歩道をパブリックスペースとして開放し、カフェやくつろぎの場、また駐輪スペースとして活用するもので、
国内でも都心活性化のツールとして、名古屋市栄南地区や、大阪市御堂筋などで社会実験が行われています。
【ソトノバ】:路上駐車場で休憩、エリアマネジメントの財源にも! 栄ミナミ「パークレット」社会実験
【Lmaga.jp】:大阪市、御堂筋で休憩スペースの社会実験
まさかこうしたものが広島の、しかも自動車やバスが絶え間なく走る目抜き通りである相生通りでやっちゃうとは!
パークレットは相生通りのオフィスビル「スタートラム広島」から、「東急ハンズ」前にかけて、
ビルの敷地や公開空地、バス・トラックベイに設置します。
車線数自体は変わらないですが、自動車やバスの運転への影響はゼロではないでしょうね。
しかしこの取組には大いに期待しています。
普段、都心部の公共交通のスピードアップを訴えている鯉党αなので、矛盾していると言われそうですが、
大きな目的は「都心への自動車の流入台数の抑制」です。
都心への自動車の流入が多すぎる現状は、相対的にバス・路面電車の公共交通の優位性を下げることになる他、
市場原理から駐車場ニーズが高まり、虫食いのようなただの低密度の空間が広がり求心力を失うばかりでいいことはありません。
今回対象になっている「朝日会館跡地」が良い例ですね…
とはいえ、あまりドラスティックにやり過ぎると、都心に来る人そのものを減らすことになるので難しいところですが、
「カミハチ」が、中(長)期的に”ヒト”中心に賑わい全国に誇れる都心のブランドになるきっかけになることに期待したいです。
まさにこの場所です。言うまでもなく周辺にはオフィスや商業施設が集積する広島の都心ですから、
平日はオフィスで働く人、週末は買い物客や流行に敏感な若者で賑わうといいですね。
車道間際に座ってもらうことになるので、安全面だけは万全を期してほしいところ。
どうやらハンズ前の八丁堀バス停は、パークレットと一体となる構造のようで、
排ガスが直接利用者に当たらないような配慮もぜひお願いしたいです。(^_^;)
社会実験を行うエリアは、西側の「朝日会館跡地」、
現在のリパーク広島基町駐車場を敷地の一部も含まれます。
こちらのリンクに、追加のイメージパースもあるのでご覧ください。
【FAAVO広島 】:Cエリアのパース完成!
駐車場の区画の一部をパブリックスペースに開放します。
土地管理者の協力があってこその取り組みです。
ウッドデッキと合わせて、大きな看板も設置されます。企業広告で収入を得て取り組みを回していくのも、「エリアマネジメント」の代表的な例です。
そしてこの場所は何より、商工会議所の移転を目論む「市営基町駐車場」と合わせて、一体再開発が予定されている場所に当たります。
今回の社会実験が、賑わい機能導入の事例として再開発に生かされてほしいですね。
さて、最後になりましたが、
この社会実験には対象エリアにウッドデッキや休憩・賑わいスペースを設置することを目的とした、クラウドファンディングが行われています。
都心「カミハチ」のブランド化、ヒトを中心とした賑わいと円滑な公共交通体系の実現は、まさに本望です。
そして、この大きなプロジェクトに名前を残したかったので、
鯉党αとしてブログの収益から私も協力させていただきました。
【FAAVO広島】:都心のパブリックスペースをひとの居場所に改造する!カミハチプロジェクト!
都心にパブリックスペースを設ける社会実験「カミハチキテル」は、以下のようなスケジュールとなっています。
2020年3月1日(日)プレオープン(駐車場エリアのぞく)
2020年3月6日(金)グランドオープン(全エリア)
3/29(日)社会実験終了