広島銀行が建て替えを進めていた本店及びひろぎんホールディングスの本社ビルが完成し、
5月6日に1階の店舗などがオープンしました。
新本店ビルは紙屋町の現在地での建て替えとなり、地上19階・地下1階、高さ約95m、延約4万8,000平方メートルを誇る巨大な免震ビルで、広島銀行の本店のほか、グループ企業のオフィスなどが入居します。
1階には銀行に用事のない人や休日でも地域の賑わいを創出できるよう、アンデルセンが運営するカフェやイベントスペースが設けられました。
国土交通省が定める、業務・商業を中心とした都市機能の強化を目的とした「民間都市再生事業計画」に認定され、金融・税制の支援措置が適用される事になっています。
(本来1ha以上の大規模開発に対し認定するもの。近接特例を活用し、比較的小規模であっても優良な民間都市開発事業を認定した全国初の案件。)
建物四方に配した風の塔により自然換気効果を高めた「エコボイド」といった環境技術が採用されていることも特徴です。
前回の状況です。
プロジェクトの概要はこちらをご覧ください。
ダイジェスト動画を作成しました。
詳細画像は下に続きます。
鯉城通りに面した紙屋町の新たなランドマークへ
前回取材時(2月)で工事は外構を残すのみという状況でした。
改めて完成・開業したビルの外観をご覧いただきましょう。
本通交差点からも目立つこの大きさは圧倒的です。
紙屋町の新たなランドマークと言っても過言ではないでしょう。
以前は閉鎖されていた1階外構部分です。
基礎免震構造なので、地震の際は足元のブロックが動きます。
地下街への階段も復旧されました。
以前は鯉城通りに対して並行に上がる階段でしたが、
向きを変え垂直に上がるような構造に変わりました。この景色も新鮮ですね。
地下からの連絡通路。
あくまで地下街の出口の一部で、ビルと地下で繋がるようにはなっていません。
この通路、明るさが抑えられ荘厳な雰囲気です(笑)
休日にも賑わいを。アンデルセンカフェなどもオープン!
このビルのオープンで大きな話題はこちらでしょう。
銀行に用事のない人や、店休日となる休日にも地域の賑わいを創出しようと、
1階を「トゥモロウ スクエア」と名付け、アンデルセンが運営するカフェやイベントスペースが
ATMと並んで設けられました。
一人ずつ入場し手指の消毒と検温を行っていたので、入口に列ができています。
入れないほど混雑しているわけではありません。
内部の様子は撮影していませんが、
明るく、天井が高い空間の中心にアンデルセンカフェのキッチンがあり、
とても銀行とは思えない雰囲気で改めて驚きました。
席のタイプ、数もそこそこ用意されており、私もコーヒーと軽食をいただきました。
安心と信頼のアンデルセンです(笑)
また、コロナウイルス対策の一環として、目の特性を利用した「空中ディスプレイ」を用いた
非接触ATMが試験導入されています。
【広島銀行】:タッチレスATMの実証実験開始について
初見でしたが、これは面白かったです。
確かに画面が斜めに浮いて見えます。
これと同じ技術が店内のデジタルサイネージにも活用されており、
壁に設置された縦配置の液晶画面の映像が斜めに浮かび上がって見えてくる仕掛けでした。
ビルの外から。
程よく中が窺えるようになっています。
こちらはビルの北東角です。
物故者慰霊碑と被爆当時の建物の柱頭が保存展示されています。
こちらにもエントランスがあり、一般の人も入る事ができます。
南側の自走式駐車場。
右手前には地下駐車場に降りるスロープがあります。
医療従事者に向けた感謝 『エコボイド』ライトアップ
ひろぎんホールディングスは、コロナに対応される医療従事者への感謝を込め、
6日の開業から11日まで、ビルのライトアップを行っています。
四隅に設けられた自然換気用の風の塔「エコボイド」がライトアップされています。
以前、全館点灯の際に光っているように見えたのは偶然ではありませんでしたね。
光り方はかなり控えめです。
よく見ないとライトアップしていることに気づかないかもしれません。
とはいえ、テストの際は白色、今回は青色と、色のコントロールもできることが分かりました。
昼間や休日の賑わいは、1階のアンデルセンカフェや小さなイベント実施に期待したいところですし、
夜間もなにかの際にはテーマに沿ったライトアップをしていただければ、上品な華やかさが紙屋町にプラスされて、とてもいいと思います。
今はただ、コロナの早期収束を願うばかりです。
以上、開業したひろぎんホールディングス本社ビルの様子でした。
28回に及んだ建て替え定期レポートもこれが最終回となります。ありがとうございました。