広島県は廿日市市・広島電鉄と共同で「厳島港宮島口地区港湾整備事業」を進めています。
手狭かつ、JRと宮島松大汽船で分散し不便だった既存のターミナルに代わる新しい共同ターミナルが完成し、2020年2月に供用を開始しました。
新ターミナルには、飲食店やみやげ物店などが入る商業施設「etto(エット)」がオープンしており、「宮島観光のプロローグ・エピローグ」として快適に利用できる場所へと生まれ変わりました。
ターミナルは完成しましたが、2023年春の供用開始を目指し、
「広電宮島口駅」の移設工事が行われています。
現地の工事の状況をご紹介します。
前回の状況です。
計画の概要
【広島県】:厳島港宮島口地区港湾整備事業について
海側に姿を現した立体駐車場
フェリーターミナル前のロータリーからです。
新フェリーターミナルに隣接するように、新しい広電宮島口駅の駅舎が建設中です。
フェリーターミナルから。
現在は目の前をフェリーに乗船する自家用車の導線が横切っていますが、
完成すればもちろん付け替えられ、完全な歩行者空間となります。
新駅舎の北側を通って、近づいていきます。
ターミナルとは反対側から駅舎を見た様子です。
イメージパースに見られるアーチ状の梁が確認できます。
阿品側。
手前には広電駅舎に隣接する事務所のようなものが、
奥には早くも立体駐車場が姿を現しました!
線路越しに撮影。
約300台収容可能な立体駐車場です。
この立体駐車場は以前、「建築計画のお知らせ」をご紹介した広島電鉄が整備する施設です。
駅舎の移設や市道の付替などにより減少している駐車場の代替施設として整備されます。
立体駐車場に行くための踏切は設けず、宮島線をまたぐ跨線橋を整備して経路を確保します。
あたりを見渡すと、スロープの基礎の一部となりそうな構造物がいくつか確認できます。
なお、廿日市市としても立体駐車場の整備を計画しており、
少し西に離れた敷地に200台を収容する立体駐車場を建設します。
当初の計画では展望スペースも設けられるとのことです。
【中国新聞】:広電駅移設、乗船スムーズ 立体駐車場も
【西広島タイムス】:廿日市市宮島口地区 市営駐車場立体化へ 平成32年完成目指す
廿日市市施工棟 |
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広島電鉄施工棟 |
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付け替える軌道が浮かび上がる
ボートレース宮島まで移動しました。
かなり景色が変わってきました…。
立体駐車場の大きさもさることながら、手前には新しい駅舎へと伸びる軌道を敷設するスペースが縁石の設置によってはっきりと浮かび上がってきています。
駅舎に近い場所では線路やバラストがすでに施工されています。
立体駐車場。
駐車台数を確保するためにはここしか無いことは理解できますが、
国際デザインコンペを行ったフェリーターミナルの目の前に立つと少し複雑ですね。。
対岸の厳島神社。
大鳥居がかすかに見えます。現在は修繕工事中のため、足場とシートで覆われています。
さて、近くに目を移します。
線路の付け替えの影響で、広電の臨時停車場「競艇場前」の下りホームが移設されました。
このように、上りホームの向かい側に移りました。
旧電停付近。
コンクリートのかつての電停はすでに姿を消しています。
線路はここから左にもう少し小さなカーブを描いて、新しい駅舎の方に伸びていくことになります。
移設する広電宮島口駅は、最新の資料によると2023年春の完成予定です。
【広島電鉄】:2021年5月13日 広電グループ経営総合3カ年計画2022の見直し(PDF, 約2.8MB)