広島県は廿日市市・広島電鉄と共同で「厳島港宮島口地区港湾整備事業」を進めています。
手狭かつ、JRと宮島松大汽船で分散し不便だった既存のターミナルに代わる新しい共同ターミナルが完成し、2020年2月に供用を開始しました。
新ターミナルには、飲食店やみやげ物店などが入る商業施設「etto(エット)」がオープンしており、「宮島観光のプロローグ・エピローグ」として快適に利用できる場所へと生まれ変わりました。
ターミナルは完成しましたが、2022年度の供用開始を目指し、
「広電宮島口駅」の移設工事が行われています。
現地の工事の状況をご紹介します。
前回の状況です。
計画の概要
【広島県】:厳島港宮島口地区港湾整備事業について
新フェリーターミナルに隣接!広電宮島口の新駅舎
フェリーターミナル前のロータリーからです。
右の新フェリーターミナルビルの目の前に、移設される新しい広電宮島口駅の地上部が姿を表しました!
前回6月の更新では基礎がずらりと並んでいる光景はお届けしましたが、あっという間です。
フェリーターミナルから。
場所は広電系のみやげ物店「もみじ本陣」の跡地です。まさに同じ場所に新駅舎が建てられようとしています。
フェリーを下船した観光客の目線から。
少しずつ観光客が戻りつつある時でしたが、広島県は再び集中対策期間に。コロナいい加減にしてほしいです…
下船してみやげ物店を横目に、まっすぐターミナル内を抜けると、正面に広電宮島口駅が見えてきます。
元々の広電宮島口駅もJR宮島口駅に行くよりは近かったですが、
移設後は横断歩道すら渡る必要がなくなります。
より一体的な運用が可能になります。
フェリーターミナルの店舗「etto(エット)」前から。
鉄骨が見えます。後ほどじっくり見ていただきます。
現在の広電宮島口駅から。
現在の位置より約70mほど海の方に移設されます。
現在の駅舎も残り2年足らずとなりました。
70m沖へ移る駅舎と軌道
現在の駅舎のとなりから、新駅舎を。
新フェリーターミナルと意匠を合わせた切妻の屋根をアーチ状の梁が支えます。
広電の結節駅は、横川しかり広島港しかり西広島しかり、
全てののりばを大屋根が覆うダイナミックな構造で素晴らしいです。
宮島口、そして広島駅もまた大胆な構造になります。
駅舎の西側には駅事務室か観光案内か、何らかの建屋もできるようです。
フェンスの向こうに目を向けると、鉄道駅らしくバラストとレールがしっかり設置されいました。
宮島口駅を出て最初の踏切から。
国道2号宮島街道から、この付近の駐車場に停める際に通らなければならない踏切です。
移設される駅舎はこれより海側になるので、この踏切は廃止されます。
さて、臨時停車場の競艇場前駅まで移動しました。
上りホーム(広島駅方面)の向かい側に下りホーム(宮島口駅方面)が新設されようとしています。
従来は上下でホームがズレており、下りホームは更に宮島口に近い方にありました。
新旧の下りホームです。
ここから見ると分かりやすいですね!
駅の踏切を過ぎた後、線路は現状よりも更に左にカーブし、左奥の新駅舎に伸びていきます。
下りホームはそれの支障になるため、こちらに移設されるようです。
上から見てみましょう。陸橋に上りました。
右から、現広電宮島口駅、新広電宮島口駅、新フェリーターミナル、新桟橋と並びます。
新駅舎の方向。
上屋の鉄骨がはっきり見えます。単なる切妻にせず、アーチ状の梁を用いることで、
和だけではない少しモダンな雰囲気を醸し出しますね。
ここから新フェリーターミナルビルを隠すようにして、自走式の立体駐車場も新たに建設される予定です。
新駅舎方面。
手前にはガードレールがカーブして置いてあるところは、軌道変更に伴い地盤改良された部分です。
再び地上へ。今度は競艇場前駅の下りホームから見てみます。
ここを新しい軌道が通っていくんだと言うのがはっきり分かりますね。
広島駅と規模は違えど、こちらも数十年に一度レベルの改良の真っ只中です。
移設する広電宮島口駅は、最新の資料によると2023年春の完成予定です。
【広島電鉄】:2021年5月13日 広電グループ経営総合3カ年計画2022の見直し(PDF, 約2.8MB)