関東マツダ 板橋本店 2022.04 首都圏のマツダブランド発信拠点

マツダは全国の販売店で、今後のブランド戦略にふさわしい「新世代店舗」へのリニューアルを進めています。
東京都を中心に首都圏に販売店を持つ関東マツダでは、
同社の本社を兼ねた「板橋本店」についても建て替えを実施。
2019年8月3日、ショールーム、整備場、会議室・本社オフィスが一体となったビル型の「関東マツダ板橋本店」がリニューアルオープンしました。

店舗は、広島出身の建築デザイナーである谷尻誠氏、吉田愛氏が率いるサポーズデザインオフィスがデザインを担当。
首都圏における洗足店、目黒碑文谷店、高田馬場店に続く情報発信拠点として位置づけられました。

 

今回、そんな関東マツダ板橋本店さまに多大にご協力いただき、
ショールームを取材させて頂くことができました。

管理人の興味に振ったトピックになりますが、少しお付き合いください。

 

 

このショールームに注目する理由

2022年4月中旬、東京に行く機会がありました。

 

このブログでも何度か紹介しましたが、私自身クルマ好きでこれまでロードスター、MAZDA3とマツダ車を乗り継いでいます。

 

マツダは数年前から、同社のブランド戦略に基づきこれまでの店舗のイメージを一新し黒を基調とした「新世代店舗」へのリニューアルを全国の販売店に促しており、
既に全国の100を超える店舗が新世代店舗に生まれ変わりました。

広島においては、広島マツダが南区の「広島マツダ大州本店」の建て替えが検討されていますが、
未だ具体的なことは明らかにされておらず、県内全体を見ても新世代店舗に変わったのは3店舗程度にとどまります。

 

同じく販売会社の旗艦となる「本店」の建て替えを完了した、関東マツダ板橋本店。
以前、関東マツダ目黒碑文谷店、高田馬場店の外観だけ記録したことがありましたが、
今回は、今後の様々な参考にすべく、依頼して内部も見せていただくことにしました。

地元広島のマツダ車を販売する株式会社広島マツダの松田哲也会長兼CEOは、 2021年元旦の中国新聞のインタビューで、 ”今年、広島マツダ大州本店の建て替えに着手する”と明らかに

 

なお、本店の建物は、広島出身の建築家、谷尻誠氏、吉田愛氏が率いる「サポーズデザインオフィス」が担当しました。
同社は、現在建設中の新しい広島駅ビルの広場デザインを担当することになっており、
将来の広島駅のテイストも一部想像できるのではないかという期待もありました。

そのような視点でもご覧いただけたら面白いと思います。

JR西日本は2月18日、建て替えを進めている新しい広島駅ビルのデザインを公式ホームページで公表しました! デザインは「”穏やかな川の水面や雁木、「水の都ひろしま」を表現する広

 

角度によって見た目が変わる 機能的な外観

池袋駅から東武東上線で3駅、大山駅からすぐの場所にあります。

 

 

関東マツダ板橋本店

都内にショールームを持っていないマツダが、顧客に対してブランド発信を行う「首都圏ブランド旗艦店」として、2019年8月3日オープン。
マツダのデザイン本部も監修しクルマを引き立てる内装を追求した他、
広島出身の建築家、谷尻誠氏、吉田愛氏が率いる「サポーズデザインオフィス」が建築デザインを担当しました。

1階:来店者用の駐車スペースと整備受付
2階:ショールーム・商談スペース
3階:納車施設
4階:整備工場
5階:駐車場
6階:会議室
7階:本社オフィス
8階:  〃

 

日射を遮りつつ開放的なオフィスを実現するため、屏風のような形状で交互に窓ガラスが設けられたファサード。

 

これにより、見る角度によって全く違う印象を与えます。

 

1階に設けられたショーケース。

通行人の目を引いていましたね。夜間はライトアップされてさらに美しく見えるようです。

 

ビル型の店舗ながら要所には木材が使用されています。

 

フォントも、最新のマツダ車で用いられるものと同じこだわり。かっこいいですね。

 

1階は、先程のショーケースのほか、お客さんがクルマを止めるスペースとエントランスがあります。

 

ホテルの車寄せのような高級感です。

それではエントランスから中に入っていきましょう。

 

 

木材を多用した開放的な受付

エントランスを入った1階部分です。

 

 

整備や点検でクルマを預けるような短時間の場合はここで手続きを済ませることが可能です。

既存店からは考えられないほど木材と黒のモノトーンで統一された店内。
全面ウィンドウになっているので非常に開放的です。

 

2階のショールームへは、エレベーターと階段が使えます。

 

階段も谷尻氏のこだわり。
鉄の板を加工した手すりや壁が重厚さを演出します。

 

 

2階ショールームはクルマを引き立たせる特別感ある空間

2階のショールームに上がりました。

 

クルマを引き立たせるため、全体は明るさをグッと抑え、いくつものスポットライトがそれぞれの車両を照らします。
マツダは「車体色もデザインの一部」という理念で、光の反射や陰影までをクルマの表現に取り入れたデザインが、世界でも高く評価されています。
ソウルレッドやマシーングレーなどの新しい色も定番になりましたね。

そうしたクルマが、明るさを抑えた店内で強調されます。素晴らしいコントラストです。

 

愛車のMAZDA3。

 

1枚目の画像の右奥は商談スペースとなっており、
じっくりお話や検討ができるよう天井の高さが抑えられ、半個室のようになっています。

 

開放的な窓辺に配置されたクルマも美しく映えます。

 

日が沈んでからはライトアップされたクルマが沿道からも美しく見えそうです。

 

飲み物を提供するカフェカウンター。

ちなみにショールームのテーブルやイスにもこだわり、ほぼ全て「arflex」で統一されているとのこと。
こんなお店でクルマ選びができたらと思うと羨ましい…

 

 

3階と4階は驚きの設備

ショールームのひとつ上のフロアは、新たにクルマを手にする人のためだけの「納車スペース」となっています。

納車される新車を目の前に見ながら、最後の手続きや説明をしていただくスペースです。凄い…。

商談スペースとは別のエリアに納車室を備えたディーラーもありますが、
別のフロアで完全に別の空間になっているのも都心らしいです。

なおここでは、手前のスペースを使って
乗り換える前のクルマと並べて記念撮影ができるようになっているようです。

 

4階は整備工場です。

 

写っていませんが、洗車機もあって驚きました。
土地の限られた都心の店舗ならではですね。

上下のフロアに音が漏れ伝わらないよう、壁面はクッション状の吸音材が全面に貼られていました。

 

あとがき

日本最大のマツダ販売台数を誇る関東マツダの中でも、ブランド発信の先頭に立つ旗艦店を見せていただきました。
拝見させていただきながら、何度「凄い」と言ったことか…。
未改良のお店ユーザーからするとカルチャーショックすら感じる設えです。
首都圏のブランド発信拠点ですからね。フラッグシップとはこういうこと、というのを目の当たりにしました。

 

マツダは先日、ラージ商品群の第1弾となる「CX-60」を発表しました。
後輪駆動かつ直列6気筒エンジンも一部グレードで採用するSUVで、
これまで取りこぼしていた上級な商品を求めるユーザーをターゲットにした、全く新しい車種です。

【マツダ公式ブログ】:新型クロスオーバーSUV「MAZDA CX-60」の日本仕様を初公開!今年初秋に発売予定

CX-5の上級グレードがCX-60のボトムになるようなイメージの価格帯。
数値上のスペックや内装の質感はもはやプレミアムブランドもライバルになりますから、
そういったクルマを選んでもらうに相応しい空間、ホスピタリティを用意するのは喫緊の課題です。

可能な限りこうしたものを全国で足並みを揃えて、マツダのブランドイメージを確立することが重要になってくると思います。
まだ時間はかかりそうですが、クルマに乗る価値、マツダに乗る価値を伝える現場づくりに、今後も期待したいです。

 

【公式】:関東マツダ

【マツダ公式ブログ】:「新世代店舗」関東マツダ板橋本店リニューアル ~新たなブランド発信・体感拠点に~

【SUPPOSE DESIGN OFFICE】:関東マツダ板橋本社

Car Watch】:マツダの東京でのブランド発信拠点、「首都圏ブランド旗艦店」が完成

 

最後になりますが、店舗の方々には取材にご協力いただきましたこと、改めて御礼申し上げます。
ありがとうございました。

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