3月4日、JRのダイヤ改正が行われ、
広島地区では可部線「可部駅」からかつて廃止された区間の約1.6kmが電化延伸開業。
また山陽線「西条」~「八本松」間に新駅「寺家(じけ)駅」が開業しました。
昨日可部駅の延伸開業について更新したので、今回は「寺家駅」についてお伝えします。
寺家駅は、地元の要望を受けJR山陽線・西条~八本松駅間に新設されました。
2014年8月、東広島市とJR西日本の間で基本合意を交わし、
2017年3月の開業に至りました。
【JR西日本】:山陽線 西条~八本松駅間新駅設置について
駅の構造は、既存の線路には手を加えず相対式2面2線のシンプルな橋上駅舎となっています。
オーソドックスな構造ですが、近年の新駅では見られなかった変わった機能もあったので、そのあたりに注目してご覧いただければと思います。
国道2号線に並行する国道486号線から、新設された駅南口広場に向かいます。
クリーム色の外壁に赤瓦のような屋根。
近頃では珍しい色の使い方ですね。
ドーム状の屋根は、背後にそびえる龍王山を、赤瓦は伝統的な民家の屋根をモチーフにしているそうです。
駅舎の1階ピロティーには公共交通機関の待合スペースが設けられています。
左手に見えるエレベーターから2階自由通路までアクセス可能です。
寺家駅の大きな特徴の一つはこちら。自由通路に自転車が乗り入れ可能となっています。
東側に大きな庇を持った自転車用スロープが併設されています。
2階自由通路に上がりました。
この通り自転車用通路と歩行者用通路が完全にセパレートで分割されています。
近辺で自転車も通行できる自由通路といえば五日市駅がありますが、このように完全に分割されているのはかなり珍しいですね。
画像左手が改札口になりますが、後ほど紹介します。
南口広場の方を振り返ります。
外観からもお分かりいただけたように、大きな窓ガラスから広場を一望できます。
駅の開業に合わせ、周辺ではマンションや金融機関の建設が進められていました。
路線バスも乗り入れるようになれば利便性は更に高まりますね。
改札口は一旦置いておき、自由通路を北口の方に進みます。
自転車用通路を隔てるフェンスは、人が座れるような形状になっています。面白い駅です。
自由通路北端から眺める北口広場です。
大規模に区画整理が進められており、今後住宅地としての賑わいを期待させます。
駅前ロータリーに入る交差点の雰囲気が、廿日市駅北口に似ていました。
北口から眺める駅舎。
南口と同じデザインです。自転車は画像左手の方にスロープを使い降りていきます。
その先には駐輪場も整備されていました。
自由通路を再び南口方向に引き返し、改札付近まで戻りました。
新規に開業したばかりで、住宅開発もこれからという周辺環境。
駅の設備としては簡易自動券売機に簡易改札機が一つずつの最小限に抑えられています。
将来的に「簡易」でないものに置き換えることができる構造になっています。
エレベーターが見えています。
帰宅して編集しながら気がついたのですが、このエレベーター、
冒頭で触れた南口広場⇔2階自由通路間のエレベーターと同じエレベーターです。
どういうことかというと、入り口が2箇所あるエレベーターで、南口広場から乗ると自由通路側が開き、
下りホームから乗ると、改札内にのみ出られる扉が開扉する構造。
一つのエレベーターが、改札内と改札外のエレベーターを兼用しています。
コストダウンのための非常に面白い構造です。
改札内通路。
下り・八本松、広島方面です。
画像右手に造成地が広がります。
ホームの様子。
やはりなんとなく、雰囲気は橋上化した廿日市駅に似ていますね。
異なるのは、やはりコストダウンのため、ホーム上のLED発車標や列車案内の自動放送は見送られていました。
駅周辺の開発はこれから本格化します。
現状はまだ利用者も少なく設備も最小限ですが、大いに将来性はある駅だと感じました。
バス路線の整備次第では広島大学へのアクセスの新たな選択肢にもなり得ます。
「東広島医療センター」の最寄り駅にもなります。
周辺開発と合わせて、この駅とをフィーダー的に結ぶバス路線の設定も重要ですね。