紙屋町交差点北側で客待ちをするタクシーの違法停車の列が再び現れているようです。
【中国新聞】:タクシーまた列
(2014年5月25日付 中国新聞朝刊紙面より)
指導員がいなくなった途端に車列が復活したということで、情けないですね。
ドライバーのお気持ちも分かりますが、違法行為な上車線を潰して渋滞発生の要因にもなっていますから、本当にやめていただきたいです。
現状できる対応策としては、記事にもある「ショットガン方式」の導入が最も効果が期待できると思います。
今年の秋にも実証実験を計画しているそうです。
「ショットガン方式」とは、タクシー乗り場とは別の待機場を近くに設け、乗り場に空きができるたびに待機場からタクシーを送り込む方式を言います。
記事には基町クレドの9台分の乗り場に対して、“近くの市道2ヶ所に計25台分の待機場を設ける”とあります。
具体的な場所は書かれていませんが、昨年あった報道では本川小学校東側の市道が候補として挙がっていました。(Google Maps)
この時付近の住民や学校から、「児童の安全が確保できない」と反発を受けていたと記憶しているのですが、理解は得られたのでしょうか?
小学校の目の前の道路が待機場になるわけですから、これは慎重に議論する必要がありますね。
ただ、この「ショットガン方式」を実施するには、乗り場の状況を待機場で常に把握する必要があり
そのための設備やシステムの構築に多額の費用がかかります。
「ショットガン方式」を維持すること、そもそもこの方式を導入するにも費用面でハードルは低くないようです。
このようなデータを見つけました。
【国土交通省】:広島県のタクシー事業の概要(PDF, 約2MB)
ここ10年で広島交通圏においては事業者数と車両台数は増えているにもかかわらず、1台当たりの平均営業収入は大きく減っていることが分かります。
全国的にも、「一台当たりの営業収入が減少すれば、代わりに台数を増やしてそのタクシー会社としての利益を確保する」
という流れが多く見られ、タクシーの過剰な供給につながっているそうです。
増えることはあっても減ることは滅多にないということですね。
中でも広島市は、きちんとしたデータを持っているわけではありませんが、特にタクシーは多いように感じます。
今営業しているタクシー運転手に対して「失業してください」とは言えません。
しかしこうした違法行為が多発している背景もありますから、新たに台数が増えていく事態に対しては何らかの制限を設ける必要があるのではないでしょうか。
事実、仙台では国土交通省からタクシー事業に係る緊急調整地域に指定されタクシー会社の増車や新規参入が禁止されました。
タクシーに一定の需要がある(重宝される)ということは、公共交通の脆弱さもあるはずです。
市中心部の中核をなす公共交通といえば広電の路面電車ですが、やはり終電が早すぎます。
紙屋町から各方面への終電は時刻表を見ると、一番遅い宮島口行きでも23時40分前後。
広島駅へは23時過ぎ、横川駅行きに至っては22時20分には電停に着いておかなければなりません。
120万都市の主要交通としてこれはあまりにも頼りありません。
タクシー業界と何らかの取引があるのではと勘ぐりたくなるほど…。
来年には白島新駅が開業しますから、0時を過ぎても何とかアストラムの終電で山陽本線に乗り継ぐことができるようになるので少しは良くなりますが。
“使えない公共交通”からの脱却を図ることも、自動車交通量の低減には必要なことですね。