『環状線』構想を残し、東西線・南北線計画を廃止に アストラムライン

広島市は1999年に立ち上げたアストラムラインの延伸計画について、
投資効果が薄いとされた東西線と南北線の一部を廃案にすることが分かりました。
 
【中国新聞】:アストラム延伸は一部廃止(以下一部転載)

 広島市が実現可能性を探っているアストラムラインの延伸計画で、東西線(JR広島駅―JR西広島駅)と南北線(本通―広島大本部跡地前)のうち、それぞれ一部区間の計画を廃止する方針を固めたことが22日、分かった。東西線のJR広島駅―白神社前交差点間と、南北線の白神社前交差点―広島大本部跡地前間の延長計3・6キロ。バスや路面電車の公共交通網が既にあり、投資効果が低いと判断したとみられる。

(ここまで)
 
 
グーグルマップに描いてみました。
 

 
 
左上のメニューボタンを押していただけると分かりますが、路線ごとに色分けしています。
紫と青がそれぞれ東西線と南北線の廃止対象部分です。
広島市は昨年度末からこの東西線と南北線の実現性について検証する作業を行っていましたが、やはり今回で計画は打ち切りになりました。
アストラム「東西線」・「南北線」再検証へ 交通体系の全体像は?
 
私は以前から「東西を広電が担い、南北をアストラムが担うべき」と申してきましたが、財政状況を考えると現実的な判断だと思います。
中心部には”バスや路面電車の公共交通網が既にある”というのはその通りですが、
それが120万都市の交通として十分に機能しているかと言えば、そうではありません。
2路線の廃案が「気を遣った」と思われないためにも市がリーダーシップを取って中心部交通の根本的な改善を進めてほしいです。
 
一方で市は、西風新都線に関しては変わらず実現に意欲を見せています。
「環状線」の可能性を残すため東西線の西広島~白神社交差点までは廃案にはしませんでした。
 
西風新都線を整備しても中心部に行く場合、西広島から広電ほか別の交通機関に乗り換えなくてはなりません。
西広島から白神社までの東西線を整備すれば乗り換えなく直接行くことができるようになりますが、2つの路線を合わせた事業費は1400億円超え。(広島市負担は700億円以上。)
建設期間についても西風新都線だけで「少なくとも13年後」とされ、環状化までしようとなるととてつもない時間が掛かります。
そこまでして行う事業なのでしょうか。
 
西風新都と中心部のアクセスについては高速4号を経由するバスの増強(必要に応じて)、
西風新都とJR沿線の間を行き来する需要に対しては、都計道己斐中央線を始めとする道路整備の上、西広島と西風新都を結ぶバス路線の設定で手を打つべきだと思います。
 
 
広島市は2015年度中にも西風新都線事業化の可否について判断します。


 

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