アストラム「東西線」・「南北線」再検証へ 交通体系の全体像は?

今朝の中国新聞にアストラムの延伸に関する記事が出ていました。
目に止まった方も多いのではないでしょうか。
 
広島市は現在凍結状態にあるアストラムラインの「南北線」と「東西線」について、
実現の可能性を改めて検証していくそうです。
 
【中国新聞】:凍結の2路線 実現性検証へ
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(2014年2月20日付 中国新聞朝刊紙面より)
 
 
この再検証は以前紹介した広島市の公共交通体系づくりを検討する都市機能向上対策特別委員会の、
「今後の取組及びスケジュール」に記載されていた通りですね。
【広島市】:公共交通体系づくりについて
 
凍結されている2路線の検証は結構なことですが、この2路線の延伸検討にあたっては
それこそ“広島の将来の「公共交通体系の全体像」をどうしていくか”
ということをセットで考えなければ意味が無いと思います。
もちろんそのための委員会であるとは思っていますが。
 
全体像という意味では私は以前より、
市内交通の東西を広島電鉄(路面電車)に、南北をアストラムにとこのブログを通して書いています。
もちろん速達性・定時性に優れたアストラムラインが広島駅から中心部を通り西広島駅まで通じているのが理想的なのは確かです。
しかし問題は建設費です。
技術の進歩で当時3000億円と言われた延伸費用は少しは抑えられるとは思いますが、
現在の市の財政状況を考えるとそれが現実的であるとは残念ながら思えません。
加えて広電は駅前大橋線が、アストラムはJRと接続する白島新駅が実現へ向けて動いています。
この二つの事業、それぞれ広島駅~中心部間の東西移動と、新駅~中心部間の南北移動の利便性向上が見込まれている事業です。
これらを最大限活用しながら交通体系を考えた時、
やはりアストラムは本通で途切れているより、もっと南へ繋がっていたほうが都市の成長に大いに寄与できると考えます。
 
広電はとにかくLRT化です。
広電のLRT化に向けて 胡町・八丁堀電停統合の提案
広電のLRT化に向けて 『急ぐ時はバス』?
広電のLRT化に向けて サイド/センターリザベーションの提案
 
本通り以南は広電と重複しているため必要ないというご意見もコメントでいただきましたが、
白島新駅ができることによって大量輸送機関であるJR山陽本線から一番早く紙屋町や本通りに行くことができるアクセス手段になります。
南北線延伸では”山陽本線から一番早い”というメリットを維持したまま南へ拡大できるはずなので、
「広電は東西」という交通体系のもと、大いに意味はあると思います。
 
ちなみに「広島駅から紙屋町はバスが“早い”」という声。
これについても私は疑問を感じます。
ブログで広電広電書いてますが、私もバスに乗ります。
先月広島駅から赤バスに乗って紙屋町まで乗りましたが、(その時は「急いでいた」ので)
銀山町あたりから流れが非常に悪くなり、15分以上かかって紙屋町のバス停に降りました。
結局バスが早いのも道が空いている時だけで、混雑し渋滞している状態では広電とほとんど変わらないのですよね。
市や交通事業者は本当にこのことを深刻に考えなければならないと思いますよ。
 
 
 
 
もちろん、単線整備などあらゆるコスト削減をしてでも市が建設したい西風新都線ですら本当にあと何年かかって実現するのか分からない状況なので、
東西線や南北線の事業化などとてつもなく厳しい道のりです。
(もしかしたら計画完全放棄という結論を出すための再検証だったりして…)
 
しかし広島市の交通体系が現状のまま(+西風新都線整備)でよろしいはずがありませんので、
この再検証と公共交通体系づくりの検討委員会によって、根本的な解決に繋がることを願いたいです。
先ほどのページからは公共交通体系づくりへのご意見が送信できるようになっていますので、
都市を良くしたいという思いを是非送ってみてください。
【広島市】:公共交通体系づくりについて


 

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