宇都宮市(栃木県)が中心部に計画しているLRT(次世代路面電車)に関して、東京急行電鉄、富山地方鉄道、そして広島電鉄の3社に技術的な協力を要請する以降であることが分かりました。
【日本経済新聞】:東急・広電・富山地鉄、宇都宮のLRTに技術協力(以下一部転載)
宇都宮市が導入を計画しているLRT(次世代型路面電車)について、東京急行電鉄、広島電鉄(広島市)、富山地方鉄道(富山市)の3社が技術協力する意向であることが分かった。宇都宮市から委託を受けて運転士を養成したり、線路や変電所の整備について助言したりもする。技術面のハードルを超えるめどがついたことで、今後は運営主体の選定に焦点が移る。
宇都宮市は中心部の東西基幹交通としてLRTの導入を計画しています。
かれこれ10年以上前から検討が行われているようで、最新の状況はJR宇都宮駅東口からテクノポリスセンター地区間の約12kmを優先的に整備する計画です。
新4号国道より内側は通常の路面を走る併用軌道ですが、鬼怒川を渡る部分は専用軌道としテクノポリスセンター手前の「野高谷町交差点」付近は高架化するなど、新設のLRTらしく大胆な計画がなされています。
表定速度は20km/hと想定されています。
LRTとバスが同じ平面で乗り継ぎ出来る「トランジットセンター」は5箇所計画されています。広電における「廿日市市役所前」や「広電廿日市」のようなイメージです。
車両についても「GREEN MOVER(グリーンムーバー)」シリーズとほぼ同じ30m級の連接車を18編成導入する予定です。
福井鉄道に導入されたF1000形を想定しているとのこと。(Wikipedia)
パークアンドライド・バスアンドライドを積極的に推進し、一日4万4900人の利用を見込むそうです。
事業費は400億円前後とされています。(まだ検討段階であり見るソースによって金額が異なるので正確な数字は各自お願いします。)
宇都宮市は2016年の着工、2019年の開業を目指しています。
【宇都宮市】:新交通システム(LRT) > 東西基幹公共交通(LRT)の実現に向けた取り組み
【Response】:宇都宮LRT構想、事業費は412億円…車両増加などで1.6倍に
【産経ニュース】:宇都宮のLRT計画、事業費450億円超に 西は大谷、東は芳賀へ延伸構想も
このような背景があり、広島電鉄にもお声がかかったわけですね。
調べれば調べるほど宇都宮LRTの本気度が伝わります。
以前テレビで見たことがありますが、宇都宮市は日本でも有数のバスの本数を誇る町だそうですね。
中心部の混雑も容易に想像できます。
事業費は450億円と高額ですが、それでも一キロあたり30億円程度と地下鉄やアストラムのような高架トラムを建設するより遥かに安いです。
改めてLRTはバス以上地下鉄未満の位置付けで、こういった中核都市に適した交通システムであることが分かります。
30m級車両を数分間隔で運行させて表定速度20km/hを達成できたら本当に大したものです。(広電は10km/h以下)
開業すれば一気に日本を代表するLRTになるのではないでしょうか。
LRTと呼ぶにはまだ程遠い広島電鉄も、役所と交通事業者で立場は違いますが今回の運転訓練士受け入れから何かを学び得てほしいです。
------------------------------—■追記(2015年2月9日)------------------------------—
追記になってしまいましたが、前回紹介したbobさんが新たな動画を公開されたようなので紹介します。
【YouTube】:近未来広島 広島駅前再開発 Near future Hiroshima Hiroshima station square redevelopment 駅ビル 東郵便局偏
また物凄いものを作られましたね!
広島駅が高層ビルに取り囲まれてます。
今回はbobさんのコメントにもあるように、駅ビルと郵便局跡の超高層ビルはまだ何も計画が明らかになっていませんので想像の姿ということになりますが、私のような開発マニアには垂涎モノです(笑)
駅ビルの規模も現実的かと思います。
そして広電のLRT化に向けた大きな一手となる駅前大橋線は、高架で駅ビルに突っ込んでいます。
このようなガラスの大屋根ができれば開放感も損なうことがないので、是非検討していただきたいですね。
南口広場の再整備に関する調査・測量作業は今年から行われるものと記憶しています。
電停そのものの構造に対して懸念もありますので、広島市がどのようにまとめるのか注目しておきたいところです。
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