毎年元旦の中国新聞朝刊は街づくりや広島にある企業のトップのインタビューが載るので楽しみにしているのですが、
今年も興味深い記事があったので紹介します。
広島電鉄代表取締役社長、越智秀信氏へのインタビューです。
路面電車の駅前大橋線計画は、という質問に対して
16~17年の運行開始を目指し広島市と協議している。
12年度中には工法(平面・高架・地下)を含めた設計計画が決定されればと思う。
乗り入れ方法について、あの場所で物理的・技術的に可能なのは地下ルート。
経費は120億円強ですが、国の補助事業のため地元負担は50億円強に抑えられます。
工期は3年なので、年約17億円の負担と見込んでいます。
また、現在広島駅から紙屋町までの所要時間はダイヤ上15分ですが、
雨の日には25分以上かかり、定時制と速達性の点で問題を抱えています。
駅前大橋線計画では広島駅から紙屋町間の軌道を直線にし問題を解消。
所要時間を約10分に短縮し、経済効率のアップと広島の拠点性を高めます。
(一部分を要約しました)
さてさて。
広電は当初、”勾配がきつ過ぎるので高架案は困難“という見解でした。
構造の容易さや事業費の問題からしても、悔しいけれど平面乗り入れの案に落ち着いてしまうのかと思っていたので、今回の発言には驚かされました。
自分は何度も書いていますが、これからJR広島駅が橋上化されて自由通路も建設されるのだから、そのまま市電に乗ることのできる高架案がいいと思っていました。
が、物理的・技術的に平面と高架は無理と社長に言われてしまえば仕方ないですね。
(これでいいのか、という思いは残りますが。)
それから建設費についても触れておかないといけません。
社長は地下案だと120億円強と言っています。
しかし広島市の検討委員会が見積もった地下ルートの建設費は250~300億円です。
広島市:広島駅南口広場再整備に係る基本方針検討委員会
(第2回の【資料4/6】より)
この大幅な差は何でしょう。掘削面積が普通の鉄道より小さいとはいえ、120億円で済むのでしょうか。
シャレオや田中町交差点を省みるに、どれだけ地下水が湧き出すかわかりませんし。
単なる数字の間違い?(だとしたら大変な勘違いですが・・・)
わかりません。。
もちろん地下が全くもってダメということは無いんですけどね。平面で乗り入れるよりはかなりマシです。
委員会の資料を見ると稲荷町交差点の手前まで遷移区間が続いているので、その間の信号をパスすることができます。
将来的には広島駅止まりではなく二葉の里のバスセンターもしくはイオンモール方面へ延伸もできますね。
一番のデメリットはJRとの乗り換えが不便になることと、コストでしょうか。
新しい大阪駅のような、コンコースから地下までの直通エスカレーターが欲しいです。
地元負担が本当に50億円程度で抑えられるなら、それはそれでいいと思います。
前にも書きましたが、最初から市の検討委員会に広電の職員を参加させることはできないんでしょうか。
今年度中に決めると言っているのにまだ建設費がはっきりしないのは残念です。
この問題は自由通路や駅ビルと密接に関係する議論なので、しっかりやってもらいたいです。