オランダ・ハーグの美しいトラム専用橋

今日はこれまた先日のJR西日本広島支社長がの「高架案条件に駅ビルの建て替えを検討」の記事に頂いたコメントで非常に興味深いものがありましたので紹介いたします。
観光客さん“にオランダはハーグを走るトラムの高架橋を教えていただきました。
公式サイトのご教示、さらには翻訳までしていただいて助かりました。本当にありがとうございます。

それではまずこちらの写真をご覧ください。

haguetram.jpg

ハーグ市営交通のトラム専用高架橋です。
同じくオランダ、アムステルダムにあるZwarts & Jansma Architects社により設計されたものです。
画像は公式サイトから拝借させていただきました。
Zwarts & Jansma Architects公式サイトのBeatrixkwartier, The Hague。(http://www.zwarts.jansma.nl/page/588/en)←こちらにまだたくさん写真があります。
日本の方によるギャラリーはこちら。
http://www.takara-sign.com/r_blog_2012/pages/2012-01-30-den-haag-001/2012-01-30-den-haag-001.html

【グーグル・マップ】

より大きな地図で ハーグのトラム専用高架橋 を表示

いや本当に素晴らしいの一言。
私達が想像するアストラムのような重々しい橋桁で景観を悪くするどころか、
特徴的なデザインで見事に街の風景の一部となっています。

観光客さん様様なのですが、公式サイトの説明の概要を書いていただいたのでそのまま紹介します。

(1) 高架橋の基本構造は、スチールフレーム製のtube状の外枠をコンクリート製橋脚で支持する構造。『外枠tube』は、内径10m の大きな円形のスチール製stripを数mおきに並べ、斜め方向に延びるスチール製tubeでそれらを結合して造られている。大きな内径のおかげで50mにもおよぶ長いスパンの外枠が実現可能となり、その結果必要な橋脚の本数を削減できる。

(2) まくら木軌道部( sleep )は単線毎に分離した(即ち、上り・下り線別々の)直線状のコンクリート製で、外枠tubeの内側に固定される。コンクリートが使われるのはこの細長いsleepと橋脚だけ?である。上り・下り線のsleepの間の隙間と側壁(手すり程度の高さ)部には、メタル製?のメッシュがsleepに直接取り付けられる形で張られているだけであり、開放的ですっきりした造りとなっている。

(3) 高架上に設置する構造物は全て(架線等を除いて)sleepに取り付ける形で実装できる、機能的な設計となっている。例えば、電停でさえもsleepに取り付ける形で外枠tube内に構築できる。実際、電停部分では外枠tubeの内径を少し大きくとり、上り・下り線のsleep間にメタルメッシュの代わりに床材を設置すれば中心島状プラットフォームとなる。また、電停部の側壁(風よけ)と天井(雨よけ)は、外枠tubeよりも小径のトラス状フレームtubeをsleepに支持されるように設置しておき、それに側壁ガラスと天井材を取り付けることで構築できる。

一見派手に見えるチューブ状のトラスですが、強度が増すことにより50mもの長いスパンが実現できたとのこと。
観光客さんもおっしゃっていますが、橋脚が少なくて済むと言うことは地上交通量の多い広島駅前には最適ですね。
加えて広島のような弱い地盤の土地では橋脚のために打つ杭ができるだけ少なくできるのは、より広島に向いていると言えるのではないでしょうか。
こんな建造物が広島の玄関口の目の前にあったら間違いなく広島のシンボルになり全国の注目を浴びますよ!

ただ日本では地震が多かったり(耐震/建築基準が厳)、広島の場合だと同時に通過する路面電車の数が日本一多い路線だったりします。
これ以外にも様々な面で条件が違うので全く同じものを造るのは難しいですが、
総合的な考え方は参考にしてこのハーグの例のような、見た目、機能面、そしてコスト面で優れたものを是非とも造っていただきたいですね。

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