広島電鉄、千田町本社『隣接地』の再開発を検討か

広島電鉄は5月13日、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を踏まえ見直された、
中期経営計画「広電グループ経営総合3カ年計画2022」を公表しました。
感染対策の基本となる人の移動の抑制は運輸業にとって死活問題であり、
見直しされたされた計画の中でも非常に厳しい現実が記載されています。

現在進行中で将来の事業活動に影響を与える大型事業の、
広島駅南口の再整備や広電宮島口駅の移設は予定通り実施することを目指し尽力されるとのことで一安心です。

その一方、既存事業の変革のための「固定費の削減」として
誰もが必要なものまで削減されようとしていることが報道され腰を抜かしたのですが、
それはまた別の記事で取り上げることとします。

今回は、公開された資料の中で気になるものを見つけたので、そちらからご紹介いたします。

 

【広島電鉄】:2021年5月13日 広電グループ経営総合3カ年計画2022の見直し(PDF, 約2.8MB)

「THE OUTLETS HIROSHIMA(ジ・アウトレット広島)」のある佐伯区石内東団地の開発「グリーンフォートそらの」にも代表されるように、
不動産開発は広島電鉄の収益を支える大きなファクターとなっています。
資料によると、広電グループの営業収益のうち、不動産業のセグメントは全体の約2割を占めているとのことです。

注目したいのは14ページ「暮らしを支えるビジネスへの挑戦」。
広島市中区千田町周辺地区の再開発について記載されています。

(上記資料より)

左側はマンション分譲などで携わった広島大学本部跡地「hitoto広島」ですが、
右側「千田町周辺地区再開発イメージ」というタイトルで初見のイメージ画像が掲載されています。

(上記資料より)

20階程度の高層住宅棟と低層住宅棟、それに左側には商業施設かクリニックモールのようなものが確認できますね。

 

広島電鉄は現在の中区千田町から、南区出島地区への本社および本社車庫の移転を計画しており、
跡地はマンション開発を行う構想を明らかにしておりました。

広島電鉄、出島に移転させる本社車庫跡地はマンション開発を想定

 

ついに明らかになったか!本社跡地の開発に違いない!
と思いながら見ていたのですが、どうも位置関係がしっくりこない…。

 

グーグルマップと照らし合わせながら探してみると、ピッタリはまる場所がありました。

本社の東側にある「広電ボウル」とバッティングセンターなどを備えたアミューズメント施設「ビバーチャ」

両方とも広電グループの施設です。
どうやら広島電鉄はこれら一帯の住宅開発を計画しているようです。なるほど。
どちらも建設からそれなりの年数が経っていますよね。広電ボウルは特に古いのではないでしょうか。

本社に隣接したマックスバリュ(旧マダムジョイ)も移転を想定しているのでしょうか。

 

資料には”既存施設の代替策も併せて一体的に検討”と記載されているので、「広電ボウル」と「ビバーチャ」は廃止されるわけではないようです。

”その他保有資産(都心部の車庫など)も積極的に有効活用策を検討”とも合わせて記載されています。

これは予想と希望ですが、出島に移転する本社と千田車庫の跡地を活用して、
路面電車の博物館とボウリング・バッティングセンター、公園などが一体となったアミューズメントパークができれば面白いのではないでしょうか。

比較的まだ需要のあるアミューズメント施設と抱き合わせることで、
小規模でもいいので路面電車ミュージアムの実現に期待したいです。

 

以前も書きましたが、広島が「動く路面電車の博物館」言われるのは、車両や設備の更新が追いつかずバリアフリー化も十分進んでいないことの裏返し。
その古い車両や歴史すら常設で展示、広報できる施設もありません。
公共交通としての高度化を進めるとともに、胸を張って「動く博物館」と言えるように、
こうした施設はまちなかに必要だと思います。

 

岡山の岡電を見習って、「広電ミュージアム+GKデザイン総研広島」できないかな…(笑)

グリーンムーバーシリーズやアストラムラインの新旧車両のデザインは、
広島にゆかりのあった故榮久庵憲司氏が創設したGKデザイングループ(GKデザイン総研広島)が手掛けました。

【岡山電気軌道】:おかでんミュージアム+水戸岡鋭治デザイン

 

工業デザインのパイオニア 『榮久庵憲司の世界展』に行ってきました

 

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