JR広島駅南口再整備 2024.08(Vol.75)<新駅ビル編>

広島市とJR西日本、広島電鉄の3者は、広島駅南口広場の再整備を進めています。
従来の駅ビル「ASSE」は建て替えのため、2020年3月に閉館しました。
建て替えられる新ビルは地上20階建てで、ホテルや商業施設、シネマコンプレックスを備える複合ビルになる予定です。

また、路面電車が現在の猿猴橋町を経由するルートから駅前大橋線を経由するルートに変更されるとともに、新駅ビルの2階に高架で乗り入れることで、JRとの乗り換えの利便性が向上するなど
賑わい創出と都心同士(紙屋町・八丁堀地区)のアクセス性向上に大きく貢献する存在になります。
2025年春の開業を目指します。

 

前回の状況です。

広島市とJR西日本、広島電鉄の3者は、広島駅南口広場の再整備を進めています。 従来の駅ビル「ASSE」は建て替えのため、2020年3月に閉館しました。 建て替えられる新ビルは地

 

 

事業の概要

【広島市】: 広島駅南口広場の再整備等

【建設中】JR広島駅南口ビル新築他工事(広島駅南口広場の再整備)

 

【東側工区】minamoaのロゴマークなど

EKI CITY HIROSHIMA側、「東棟」と呼ばれる部分です。

画像右端、ビルの壁面に商業施設名称である「minamoa」のロゴマークが設置されました。

 

EKI CITY HIROSHIMAに接続するペデストリアンデッキ。

 

 

6月ごろに架設された橋桁がEKI CITY HIROSHIMA2階のデッキに繋がります。
高欄の基礎のコンクリートを撤去していました。

ところで、当初から新駅ビルとの接続を考慮して設計されていたはずのEKI CITY HIROSHIMAですが、かなり後付け感の強い繋ぎ方ですよね。なぜ一直線で繋がるようにしなかったのでしょう。

 

EKI CITY HIROSHIMAのデッキ上から新駅ビル東棟を見上げました。

黒い外壁の上部にも「minamoa」のロゴマークが取り付けられているのを確認しました。
手前に見える青い掘削機は、「アパホテル&リゾート<広島駅前タワー>」。
起工式を終え、間もなく工事が本格化します。

 

駅前交差点から。

 

交差点上空には路面電車が走る高架橋が6月に施工されました。
その手前、駅前大橋側では長らく設置されていた仮囲いが撤去され、広くなった景色が見ることができました。
この区間は橋梁ではなく軽量盛土となります。囲いが撤去されたということは
近く、擁壁の設置が始まるかもしれません。

 

 

【中央工区】屋上広場と高架下部に大きな変化

路面電車が2階に乗り入れる中央工区。

 

既存の路面電車のりば付近は前回とそこまで変化はありませんが、
駅部の頭上:屋上広場と、下部:高架下部分で目を引く変化がありました。

 

屋上部分。

 

一般に開放される屋上広場がかなり形になってきました!
市内を流れる河川の「雁木」をモチーフとしたテラスを確認することができます。

 

サポーズデザインオフィスが手掛ける、アースカラーを基調とした空間です。

屋上広場イメージ
(JR西日本『広島新駅ビルの広場デザイン決定』(https://www.westjr.co.jp/press/article/items/210218_00_hiroshima_shinekibill.pdf)より)

 

凄すぎる!新広島駅ビルのデザインが発表!巨大吹き抜けや多層に繋がる屋上広場など

 

下から見上げた状況。

スリット部、東棟の屋上へ移動する部分はエスカレーターのように見えますね。

 

エスカレーターを上がった東棟屋上。

7階のシネマコンプレックスの屋上になります。
広島駅北口の「ekie エキキタパーク」(JR西日本広島支社跡地の暫定開発)は、広島新駅ビル屋上広場の展開に繋がるものであることが明言されています。

 

祝開業!JR西日本広島支社 旧社屋跡地『ekieエキキタパーク』 2022.09(Vol.6)

【JR西日本】:広島エキキタエリアに新たなコミュニティ広場誕生 (仮称)JR西日本広島支社跡地暫定開発について

 

変わって、こちらは広電の駅が設けられる場所の”高架下”です。

 

 

自由通路から電車・バスのりばや南口各方面を往来する利用客のメインルートです。
駅部の橋桁の底面に新たな鉄骨部材が設けられています。
化粧板を設置するための補助部材ですね。
6月に暫定利用を開始したバスのりばと比べると、天井の高さは抑えられるようです。

タクシーのりばとなる東棟1階部分はまだ鉄筋コンクリートむき出しの状態ですが、天井の化粧板を取り付ける準備など、少しずつ進んでいるようです。

 

こちらは先程の場所から階段を上がった自由通路。

階段横では線路上空部分の商業スペース「ekie」の増床区画が仮囲いの向こうで少し顔をのぞかせています。
将来は、東西の建物へ繋がるペデストリアンデッキへの通路と合わせて開放される予定です。

 

 

【西側工区】ビル内通路とペデストリアンデッキなど

先程の自由通路付近から、西側の広島JPビルディングへ繋がる通路が見えてきています。

 

 

「広島駅」のサインの下、2階レベルの通路が確認できます。
このあたりは広電の高架駅を丸ごと覆う「大屋根」が設けられる予定で、青空のもと見られるのは今だけです。

 

完成イメージ(広島市)

 

「西棟」と呼ばれる部分全体です。

 

 

 

7階~20階は「HOTEL GRANVIA HIROSHIMA SOUTH GATE|ホテルグランヴィア広島 サウスゲート」
商業部分の屋上広場に面して、エントランスとレストランが設けられます。

 

西棟とJPビルディングを結ぶペデストリアンデッキ。

 

 

通路とデッキの完成度がかなり上がっています。
JPビルの郵便局付近にいると、すでに供用していると間違えてエスカレーターを上がる方を数組見かけました
それほど完成に近い見た目をしているということですが、簡単でよいので何らかの案内はあった方がいいかもしれません。

来年春の開業を待たず、先行して供用させる可能性もあるのではないでしょうか。

 

JPビルディングから見る南口広場。

 

一部を残して地下通路への入口は埋められ、6月までバスのりばだった面影もなくなってきています。
交差点から駅ビルに繋がるまでの路面電車高架橋を施工するためのスペースとして使用される予定です。

 

 

北側から見る新駅ビル外観

最後に、新駅ビルを北側から望みます。

 

中央部分には北面も窓ガラスが多用されており、
かつての駅ビルでは味わえなかったトレインビューも楽しめそうです。

 

在来線9番線と新幹線高架橋の間に新築される「別棟駐車場」。

新幹線屋上駐車場とスロープで接続され、一体となりました。

 

延約13万平方メートル。路面電車「駅前大橋線」のターミナルと一体となった新広島駅ビルは2025年春の開業予定です。

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