広島市とJR西日本、広島電鉄の3者は、広島駅南口広場の再整備を進めています。
従来の駅ビル「ASSE」は建て替えのため、2020年3月に閉館しました。
建て替えられる新ビルは地上20階建てで、ホテルや商業施設、シネマコンプレックスを備える複合ビルになる予定です。
また、路面電車が現在の猿猴橋町を経由するルートから駅前大橋線を経由するルートに変更されるとともに、新駅ビルの2階に高架で乗り入れることで、JRとの乗り換えの利便性が向上するなど
賑わい創出と都心同士(紙屋町・八丁堀地区)のアクセス性向上に大きく貢献する存在になります。
電車の試運転等に時間を要することから、駅ビルの開業から数ヶ月遅れた
2025年夏頃の開業を目指します。
前回の状況です。
目次
事業の概要
【広島市】: 広島駅南口広場の再整備等
駅前大橋線計画図(上記HPより)
駅前大橋線断面図(上記HPより)
【広島電鉄】:広島駅南口広場再整備等について
のりば上屋を支える柱設置!折り鶴をモチーフにしたデザイン
路面電車が2階に乗り入れる駅ビルです。
おおー!!
路面電車ののりばとなる部分に「く」の字型の構造物が登場しています。
ホームを含め2階デッキ空間全体にかかる大屋根を支えるための柱ですね。
イメージパースのこの部分です。
ペデストリアンデッキイメージ
(広島市『広島駅南口広場再整備等 パンフレット』(https://www.city.hiroshima.lg.jp/uploaded/life/410069_922842_misc.pdf)より)
その他イメージや模型で確認する大屋根はこちらの記事から。
とにかく画像を見ていただきたい!
エールエールA館側から。
ホーム上に三角錐で構成された支柱が姿を現しています。
足場が2箇所設けられていますが、現在はもう片方の足場にも同じ支柱が建てられ、
2セット立ち上がった状態となっているようです。
広島市より提供されている最新の2階レイアウト図です。
2階レイアウト図
(広島市『広島駅南口広場再整備等 事業概要』(https://www.city.hiroshima.lg.jp/soshiki/1032/237218.html)より)
このように大屋根は路面電車のりばだけでなく、A・Bブロックへのデッキの起点となる賑わい広場も含めて覆う非常に大きな構造物になっています。
昨年11月に、物価高騰や工法の変更に伴い、
Aブロック接続デッキ及び賑わい広場は2028年春、
Bブロック接続デッキは2028年度末の完成見込みに改められました。
大屋根もデッキ上の広場の完成に合わせるものだと思い込んでいましたが、
電車のりば部分だけは先行して施工するようです。
よく考えれば、旅客営業を始めてしまうと施工時間が限られ
工事自体も難しいものになるので、今のうちにのりば上部だけでも仕上げてしまう意図があるものと思われます。
そのままでは雨に濡れてしまうので快適性にも関わりますし。
南口広場内、東側から。
新旧の路面電車のりばが交差します。
市のレイアウト図や現地の状況を見ても、この支柱を直接支える基礎はなく
ホームの桁で大屋根の荷重を受け持つものと見られます。凄い…
EKI CITY HIROSHIMA側から。
この支柱を優に上回る大きさの屋根が掛けられるわけですから、その大きさを今改めて知りました。
ワクワクが増すばかりですが、大屋根が登場すると地上は今ほど空が開けた空間ではなくなります。
いよいよ主動線が2階に移ることを実感しますね。
駅前大橋上に『ゲート型』の架線柱登場!
続いて駅前通りを南下します。
路面電車が2階に高さを上げる駅前大橋部です。
ゲート型の架線柱が登場しています!!
拡大。
凄い!
レールだけでなく、こうした運行に関わる設備が見えてくると本当にワクワクしますね。
駅前大橋部分の架線柱はあえてセンターポール式ではなく、デザインまで考えられたこのようなゲート型の架線柱となりました。
柱の形状も広島駅の「折り鶴」も意識しつつ洗練されたスタイリッシュなものとなっています。
別角度から。
駅前通り地上部分の架線柱は「光のみちしるべ」を意識した照明となっています。
このゲート型架線柱がどのような照明演出を行うかも非常に楽しみですね。
高架橋部分には落下防止用の高欄の設置が始まっています。
先程の架線柱と合わせて。
高架橋の高欄は路面電車が走る町並みに合わせて、ガラス高欄となる予定です。
センターポールに架線支持ブラケット設置
駅前大橋を更に稲荷町方面に進みます。
稲荷町交差点までのセンターポール式架線柱です。
ポールの上部に、架線を支持するためのブラケットが設置されました。
このあたりも小さな動きですが、車両がいよいよ走り出すんだという高揚感を感じさせてくれますね。
稲荷町交差点です。
ここからも、駅前大橋のゲート型架線柱や駅部の大屋根支柱が確認できます。
稲荷町上り電停は拡張・バリアフリー化工事始まる
稲荷町交差点の下り電停予定地から。
直進が比治山線、右側が紙屋町・八丁堀方面の本線です。
本線の上り(広島駅方面)側の稲荷町電停です。
既存の上屋はすべて撤去!
土台部分も僅かな既存部を残し、銀山町方面に延伸されています。
電停から。
幅を広げる作業も行われているようです。
のりばに至るスロープも勾配が見直されるでしょうから、バリアフリー化が完了しそうです。
稲荷町交差点の東側、循環線専用となる稲荷町下り電停です。
こちらは今のところ改良の兆しは確認できませんでした。
稲荷町交差点から、比治山線方面へ。
松川町交差点に設けられる新設電停です。
前回時点で、発車案内表示装置は確認できていました。
ホーム上では、線路側先端に赤色かオレンジ色のCPラインが引いてあるのが確認できます。
レポートは以上です。
駅の目玉となる大屋根や、運行に関わる設備が各種登場しており開業への期待が更に高まります。
広島電鉄の路面電車「駅前大橋線」は、広島駅南口の新駅ビルが開業する2025年3月24日からは数ヶ月遅れ、
2025年夏頃の開業を予定します。